占星学の調波を使った研究の端緒を、このブログから始めました。現在では、「天体位相研究カルデア(占星術つぶやきメモ)」として、noteでの活動に移行しています。
西洋占星術は、天体の位置を測定して計算し、天体が地球に及ぼす効果を研究するという、いわば宇宙の体系の仮説を作る学問である、というのが占星家の主張とするところである。天体が天上において織り成す幾何学的位相は象徴的意味を発生させ、その影響は同時に地上においても成立するという、大宇宙(マクロコスモス)と小宇宙(ミクロコスモス)の「照応」という考えに基づいているとされる。ただし、その原理については古代ギリシアの四元素説を基盤としているものの、それ以上に深く検証されているわけではなく、信頼できる統計的な分析も現在のところ存在していない。
占星術において、天体が宇宙、太陽系および地球に何らかの影響を与えていると考えるのに、筆者はまず惑星の公転周期(サイクル)が以下の動画のように、時空間に何らかの振動(波動)を与えているとの仮説を立てて研究を進めることとした。
たとえばホロスコープを12区画に分割する「サイン」は、春分点を起点とし正確に30度ずつに分割されている。サインは天の黄道にそって配置される実際の星座の名前を付与されている。ヒッパルコスが紀元前127年頃までに春分点を発見した時代には、実際の星座の起点(牡羊座)と春分点は重なっていたが、現代では歳差運動のため魚座の水瓶座寄りの位置まで移動している。
先に述べたように、サインは天の黄道を30度ずつ12区画に分割したもので、実際の星座とは位置が違うだけでなく、大小まちまちなその星座区画のサイズにも対応していない。しかしこの移動する春分点と、それを基準とするサインの分割のルールについては、古代から現代に至る西洋占星術の歴史において、最も重要な基本構造として採用されているものである。この方式をトロピカルといい、実際の星座区分と恒星を基準にする方式をサイデリアルという。
正確に30度に区分されたサインのルールは、長い西洋占星術の歴史において変わることなく使用され続けており、この法則は筆者の研究においても十分手応えがあるものと受け取っている。実際の星座でもなく、恒星の影響でも、そこに天体があるわけでもないサインの法則は、どうして発生するのか。その答えとして、筆者は上図の円運動から発生する数学的なサイクルの発生にヒントがあると考える。
あくまで考え方の方向性だが、春分点が成立すると同時に、天の黄道面に12倍速の周波数が生じ、それが次の春分点成立まで持続するというモデルを筆者はイメージしている。また太陽系の惑星の公転周期においても、上図のような波動が常に発生していると筆者は考えており、これをサイクル理論として研究の土台としている。
天体の発生させるサイクルには、高調波と呼べる波動も同時に発生しているとも考えられる。占星術ではハーモニクスと呼ばれる理論がそれに当たる。西洋占星術では100年ほど前に取り入れられたが、現在のところまだ亜流の法則の位置付けとなっている。筆者は調波の有効性を研究するため、金融占星術や地震占星術の分野で独自の分析を進めているところである。