グリーン関数を用いた特解の発見方法
初めて微分方程式を習った時、 「特解を求めるの面倒だなぁ」と思った人も多いと思います。 そんなあなたに朗報(?)です。グリーン関数を使えば一発で解けますよ、 という話。 詳しくは こちら からどうぞ。 (ただ、実際には計算が面倒なので実用的ではないかも...)
※2023/05/31 間違いがあったので訂正しました。
様々な直交座標系での微分演算子の(簡易な)導出
初めてベクトル解析を習った時、 ∇=(∂/∂x,∂/∂y,∂/∂z) と習ったと思います。 ところが実際には別の座標系で計算した方が都合が良いことも多く、 いきなり極座標で計算させられた人も多いでしょう。 私の場合には水素原子のスペクトルを求める時に 大変な思いをした記憶があります。
さて、 その他の座標を勉強すると実はこのような単純な形ではなく 非常に複雑な形となり計算するのも面倒、という人も多いのではないでしょうか? 実はこの様に複雑な形をとるのは単位ベクトル自身が変化するからなのですが、 そのあたりの事情ををまとめたものです。 極座標ではなぜ ∇=(∂/∂θ,(rsinθ)∂/∂φ)や∇=(∂/∂r,1/r∂/∂θ,1/(rsinθ)∂/∂φ) と表されるの?という人や円筒座標でのベクトル解析を 簡単に求めたいという人は こちら からどうぞ。 (実際には答えさえわかれば良いので辞書引いたほうが早いという声もちらほら聞きます。)
マックスウェル方程式から導くクーロンの法則、ビオ=サヴァールの法則
通常の電磁気学ではクーロンの法則やビオ = サバールの法則から マックスウェル方程式を導くという流れで電磁気学を学びます。 このノートは逆にマックスウェル方程式から出発して これらの諸法則を導いてみましょうというものです。 多少数学が得意な人向けで、複素関数論やフーリエ変換・ デルタ関数等は断りなく使います。
このようなことを考え始めたきっかけは同僚との雑談でした。 同僚は「学問は基礎方程式から始めるたほうがきれいだ」との主張で 電磁気学もマックスウェル方程式から始めるという趣旨だったのですが、 その時にマックスウェル方程式からクーロンの法則やビオ = サバールの法則を 導くことはどれだけ大変なのか、という話題になりました。 意外とやってみたことはなかったのでやってみたというお話です。 興味がある人は こちら からどうぞ。
物質がある場合の静電場・静磁場
電磁気学は物理学を学ぶ上で第一関門になると言われています。電磁気学を学ぶと計算を追いかけるので精一杯で、マックスウェル方程式や電磁放射あたりまで来ると「この続きはまた今度...」となっている人が多いのではと思います。そう、私のことです。この先には物質中の電磁気学が待ち受けており第二・第三の関門の様相を呈しているわけですが、私は学部以来、苦手意識もあってこのあたりに触れないようにしてきました。「これではいけない!」と一念発起して調べたところ意外と面白く考えられたのでまとめたものです。物質がある場合の静電磁場を求めるためには何が必要かということと、有名な鏡像法がなぜうまく行くのかを知りたいという人はこちらからどうぞ。(でも中身はどこにでも書いてあるような話ばかりです。)
ローレンツ変換の求め方
ローレンツ変換は特殊相対性理論の途中で出てくる座標変換ですが、だいたいはある特別な方向に移動している(例えばx軸方向)に限定して導出している場合が多いと思います。一方で一般のローレンツ変換を導出するのはかなり大変なのですが、実はこういった変換は微小変換を調べることで割と簡単に求めることができます。このノートは微小変換をあまり体験したことがない人向けに書いたノートです。またこの手法は理論物理学の中で幅広く使われている手法でもあるのでぜひ体験してみましょう。微小変換を使ってローレンツ変換を体験したい人はこちらからどうぞ。
多重極展開のテンソル構成法
多重極展開はポテンシャルを近似するための方法として知られています。一番簡単な近似はよく知られた双極子モーメント近似で、おそらく電磁気学で一度は触ったことがある人が多いのではないでしょうか。さて、この多重極展開をすると対称なテンソルが現れるのですが、これを求めるのが実はちょっと手間です。有名なやり方はルジャンドル多項式から求める方法ですが実際やってみるとかなり大変です。このノートではその対称テンソルを比較的簡単な方法で求めてみようというものです。
このようなことを考え始めたきっかけは同僚のI先生との雑談で「多重極展開のテンソルの簡単な作り方知らない?」という会話でした。このあたりの事情を全く知らなかったので自分で勉強してみたところ意外と面白く、そして自分なりに考えている間にスマート構成法ができた(ような気がする)のでノートにまとめたものです。テンソルの取り扱いに多少慣れている人で挑戦してみたい!という人はこちらからどうぞ。
ガウス曲面論と一般相対論
初めて一般相対性理論を勉強した人は記憶にあると思いますが、 今までとは明らかに異なる数学「リーマン幾何学」を最初に学んだことと思います。 これまでも物理を学ぶ際には数学の勉強が伴い、力学では常微分方程式や外積・線形代数の初歩などを実地で学んだのではないでしょうか? ただ、これらの数学はイメージが湧きにくい数学ではなく、 色々な物理的具体例を通じて数学を学ぶことが可能だったのではないかと 思います。 しかし、一般相対性理論では曲がった空間の幾何学を取り扱う 「リーマン幾何学」が必要となります。 この数学はこれまで学んだ(物理の)数学と一風変わっており、 直感的なイメージが容易に得られる分野とはなっていません。 さらに物理でも馴染みのある概念がほとんどない状態で飛び込まなくてはならないという事情もあります。 これらの事情によって一般相対性理論を学ぶ上でのハードルが グンと高いものになっています。 さてこの様にハードルが高くなっている要因は一体なんでしょうか? 理由は様々なものがあると思いますが、一つの原因としてリーマン幾何学が何次元でも使えるかなり一般的な手法であり、 これを一番最初に習うからではないかと思います。 乱暴に言えば、歴史的には「ガウスの二次元曲面論」があり それを一般化したものが 「リーマン幾何学」ということになります。 そこで、理解度を高めるためにはどのような手段があるでしょうか? その一つの答えが「最初にガウス曲面論を学んで、様々な素朴な概念に触れた後リーマン幾何学を学ぶ」です。 そもそも「曲率」や「測地線」といった概念は2次元の曲面上で 直感的に捉えることができる素朴な概念です。
行列の対角化・ジョルダン標準形と物体の運動
工事中...。