パリ若手物理学者の会(通称若物会)はフランス在住,もしくは在住経験のある若手物理研究者によって結成されたグループです。現在は物理分野の研究者に限らず幅広い分野のアカデミアの皆さんに門戸を開き、月に一回のセミナー・交流を基本に活動しています。オンラインでの参加も歓迎します。
聴衆の専門も広くばらけていますので話者の皆さんには基礎からわかりやすい発表をお願いしております。
ご興味のある方はコンタクトをご参照ください。
本会はパリ近郊に在住の異なる分野で活躍する日本人研究者同士の交流を促進することを目的としつつ、日常の困りごとなどの相談先にもなるよう受け皿としてのコミュニティの役割も持つものです。
日時:1月16日(金)18:45-
スピーカー:小林大輝さん(東京大学・IMPMC、博士課程後期学生)
タイトル:氷のポリモルフィズムとポリアモルフィズム
アブストラクト:
ある物質が、温度や圧力に応じて、複数の結晶構造(多形, polymorph, polymorphe)をもつとき、その現象をポリモルフィズム(polymorphism, polymorphisme)と呼びます。たとえば、グラファイトとダイヤモンドがともに炭素の多形であることは有名です。水は、他の物質を凌駕する豊かなポリモルフィズムをもち、2024年までに20種類の多形が知られていました。2025年には、私たちがさらに3つの多形を報告し、加えて理論計算からは、未だ数え切れないほどの多形の存在が予測されています。また、水には複数の非晶質(amorphous, état amorphe)も知られており、これをポリモルフィズムに倣ってポリアモルフィズムと呼んでいます。これらは、「なぜ水の密度は4°Cで極大になるのか?」「水の相関係を計算機シミュレーションから正確に再現することはできるのだろうか?」といった、基本的な物理化学的問題に解決を与える可能性があることから、広く研究されています。さらに、氷の高圧多形は、木製や土星を周回する氷衛星や、天王星・海王星といった氷惑星の地下に存在すると考えられており、惑星科学的な観点からも興味深いトピックです。今回は、私の専門である高圧実験を主軸として、圧力や温度を変化させることであらわれる氷の構造多様性に着目しながら、そこから広がる研究の一端をお見せできればと考えています。
4月:恒例お花見
平日夜:18:45 ~
国立自然史博物館 Buffonキャンパス
キャンパス内建物52 (入口番号20) 2階のセミナー室