23年振りに続編が発表された、伝説のSFオープンワールドゲーム!『Outcast - A New Beginning』

by アナーキー矢作 ライター

オープンワールドの先駆け! 『Outcast』とは!?

東京ゲームショウ2022にて、THQ NordicはAppeal Studiosが開発するオープンワールドSFアクション『Outcast - A New Beginning』をプレイアブル出展した。今回はその試遊と、THQ Nordic開発プロデューサーのAndreas Schmiedecker氏にお話を伺うことができたので、その模様をレポートする。

1作目の『Outcast』は、1999年にリリースされたSFアクションアドベンチャー。すべてのマップがシームレスに繋がっており、自由に探索できるシステムはオープンワールドゲームの先駆けと称されている。今では知る人ぞ知るタイトルとなっているタイトルだが、実に23年ぶりに発表したナンバリングタイトルが、この『Outcast - A New Beginning』だ。明るい雰囲気のSF世界を舞台に、先住民たちと関わりながらプレイヤーが様々な影響を与えていく……という内容になっている。

本作の主人公は、前作から引き続き海軍特殊部隊Navy SEALs出身のカッター・スレイド。前作で本作の舞台でもある惑星アデルファをロボットの侵略から救った彼が、20年ぶりに目を覚ますことからゲームが展開していく。

自由度の高いアクションと愛すべき世界!!
『Outcast - A New Beginning』インプレッション

デモ版では、ガイドに従ってロボットを撃退するチュートリアルからゲームが始まる。ここでは移動方法や、TPSの要領で行う戦闘方法などをテンポよく学ぶことができた。カッターは背中のジェットパックによって(デモ版では)3回までジャンプすることができ、武器の切り替えや、シールドによる防御や格闘攻撃、一瞬無敵になるドッジなどを駆使することになる。シールドや遮蔽物に隠れながらじっくりと敵を狙うこともできるし、アクションゲームに慣れた人なら華麗に攻撃をかわしつつ撃ちまくることもできるだろう。

チュートリアルの戦闘を終えると、待ちに待った惑星アデルファへ降り立つ。惑星の先住民であるタランが巨大なワームのようなモンスターに襲われているムービーの後、実際にアデルファを飛び回ることに。先述のジャンプに加え、滑空によって飛び回ることで、序盤から快適な移動を楽しむことができた。

ひとまずクエストのマーカーに従ってタランの集落にたどり着き、住人から情報収集をすることに。先ほど見た巨大なモンスター「ガロンダー」に困っているようだが、全体として悲壮なムードではなく、どこかあっけらかんとした様子。そのままクエストとして「ガロンダー」の討伐に向かい、戦闘に突入する。

ガロンダーは地面を薙ぎ払うような巨大な攻撃判定をくり出してきたので、ジャンプやドッジを使用して回避しながらひたすら弱点の口の中に銃弾を打ち込み、回復アイテムを使用しながらもなんとか討伐に成功した。

ガロンダーへ向かう途中でも感じたが、ジェットパックを使用したジャンプには回数制限があるものの、滑空や地上を高速移動するブーストダッシュは無限に行うことができ、移動についてのストレスが少なく、またワクワクするようなものだった。良い角度で滑空しているとそれだけで楽しい。

また惑星アデルファはロボットの侵攻やモンスターの脅威に晒されているにもかかわらず、どこかコミカルで明るい雰囲気なことも目を引く。SFモノというとどうしても退廃的なディストピア風の雰囲気になりがちだが、本作は未開(カッターにとっては20年ぶり)の惑星を冒険するワクワク感が確かにあった。

▲THQ Nordicブースの『Outcast 2』コーナー

アクションについても自由度が高く、それでいて歯ごたえも感じられるつくりになっている。製品版では武器のカスタマイズや特殊能力の習得ができるとのことなので、発売されたらじっくりと楽しんでみたいと思わせるデモプレイだった。

クリエイターインタビュー

「アデルファの自然や人々と交流してほしい」

東京ゲームショウ2022のTHQ Nordicブースにて、本作のプロデューサーであるAndreas Schmiedecker氏からプレゼンを受けつつ、簡単なインタビューを実施。ゲームの魅力や本作にかける想いを語ってもらった。

▲THQ Nordicのプロデューサー、Andreas Schmiedecker氏

――まずは本作の概要からお願いできますか?

Andreas:『Outcast - A New Beginning』はオープンワールドのアクションアドベンチャーで、いろいろな自然や動物、文化がある「惑星アデルファ」を楽しめるものになっています。主人公のカッターが、原住民の「タラン」とか変わっていくという内容になります。本作はシリーズの2作目ですが、前作を知らなくても楽しめるようになっていますよ。

――コンセプトとしてはどのようなものになるのでしょう?

Andreas:ご覧のとおり、「明るい未来」や「エキゾチックな惑星」というものをコンセプトにしています。我々がインスピレーションを受けたのは明るいサイエンス・フィクションであり、ダークなものや荒廃した世界を描くものではありません。ここで大事なのは、自由にこの惑星を散策できるということです。カッターは自由に歩いたり空を飛んだりすることができるので、プレイヤーの皆さんには是非この惑星を、その美しい自然を楽しんで欲しいという想いで制作しています。

――探索する惑星の特徴を教えてください。

Andreas:この惑星に住んでいるのは「タラン」という人々です。探索しながらその集落を見て回って、彼らがどんな生活をしているのか、どんな社会や文化、宗教を形成しているのかを発見していけるものになっています。動物も数多くの種類がいて、大人しいものから攻撃的な動物まで様々です。プレイヤーが遊んだ時に、この世界がまるで本物のようで、エキサイティングな感覚を持ってもらうことを大事にしています。

またもうひとつ重要なのは、プレイヤーが世界との繋がりを感じられるということです。ひとつの例を出しましょう。

とある集落には不思議な球状の物体があります。これは実は卵なのです。その卵が孵化して、大きな……、そう、8メートルのクリーチャーが産まれるのですが、これでもまだ赤ちゃんです。なので食べ物を与えて成長させることにします。しかしこの生物の食べ物となる植物を育てるには、他の集落に行って植物に水をあげる習性のある鳥を飼いならす必要があるということが、マップを開くとわかります。

こうしてその集落に行ってクエストをこなし、鳥を飼いならしたことでクリーチャーに餌をあげることができました。その他にも、襲ってくる獰猛な動物から守ったりして、クリーチャーを育てていきます。

そしてあるとき、村がロボットの侵略者に襲われる事態になります。ロボットの飛行兵器はあなたのジェットパックでは届かないほどの高度を飛んでいる。しかし、そのときは例のクリーチャーは80メートルほどの大きさに成長し、あなたを背中に乗せて飛び立つことができるでしょう。こうしてクリーチャーから敵の飛行兵器に飛び移り、見事撃墜して村を救いました!

……というように、自分がゲームの中でしたことが、しっかりと世界に反映されるという仕組みになっています。なので、プレイヤーの行動ひとつひとつに目的があり、それが結果に繋がっていく、ということを大事にしています。

――プレイヤーが起こした行動には、いろいろな形で見返りがあるということですね。

Andreas:そうです。それは例えば村が発展していくことだったり、主人公が特殊能力を身につけたりということですね。特殊能力について説明しますと、先ほどの例で出した「クリーチャーを呼び出して乗る」というものだったり、重力を操作して敵と戦ったり、先ほどのクリーチャーとは別の動物、例えば爆弾を持った鳥の群れを呼び出して周囲を爆撃してもらったりというものです。これらは最初から使うことはできないのですが、クエストを行うことでいろいろなものが使えるようになってきます。プレイヤーはこれらを自由に組み合わせて敵と戦うことができます。

――スピーディなバトルが楽しめそうですね。

Andreas:そのとおりです。最後にストーリーや世界観についてですが、一番の魅力はタランたちがそれぞれ個性的な性格や社会を持っているということです。またシナリオではシリアスになる部分もあるのですが、基本的に明るくてユーモラスなものになっています。日本の皆さんにどう映っているかわからないのですが、セリフや会話もユーモラスでおもしろいものにしています。先ほどデモ版を遊んで頂いたとのことですが、いかがでしたか?

――翻訳もちゃんと、ジョーク交じりの面白いものになっていました(笑)。

Andreas:それは安心しました(笑)。

――デモ版の段階で、かなり自由度の高い移動ができることに驚きました。これはゲームの最初から惑星のすべての場所に飛んでいけるのでしょうか?

Andreas:答えとしてはノーで、もちろん歩いていける場所には全て行けるのですが、ジェットパックをアップグレードしなければ行けない場所も出てきます。

――なるほど。惑星の全体の大きさというか、規模感はどれくらいになるのでしょう?

Andreas:8キロメートル×8キロメートルです。とてつもなく大きいわけではないですね。

――また武器のカスタマイズができるとのことですが、こちらは例えばどのようなモジュールが出てくるのでしょうか?

Andreas:弾丸をレーザー状にしたり、ヘルスを回復できたり、敵を追従するようにできたりというようなものです。他のゲームにもあるようなものではありますが、プレイヤーが自由に組み合わせてカスタムすることができます。

――最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

Andreas:『Outcast』を知っている日本の方は多くないかもしれませんが、もし居ればそれは素晴らしいことです。また本作から知って頂いた方でもウェルカムなものになっていますので、是非この美しい惑星を楽しんで下さい。制作は今β版の段階までできましたので、そう遠くないうちにお届けできるかと想います。

▲Andreas氏は、試遊版の日本語ローカライズがどのくらいのクオリティーで仕上がっているのか、とても気になっている様子だった

■対応機種:PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)
■開発元:Appeal Studios
■発売日:未定
■価格:未定