Our Imaginative Boundaries
(わたしたちの創造的な境界線)
会期: 2024.1.26〜2.3
会場
FOFA ギャラリー 2F
スリナカリン・ウィロット大学 (タイ・バンコク)
Opening Reception
& Sound Performance Event
Jan.26th, 16:00-19:00, 2024!
会場
FOFA ギャラリー 2F
スリナカリン・ウィロット大学 (タイ・バンコク)
Opening Reception
& Sound Performance Event
Jan.26th, 16:00-19:00, 2024!
わたしたちの創造的な境界線
「Our Imaginative Boundaries」は、都市の中の特定のエリアに、クリエイティブ人材の育成や国際的な創造活動が交錯する「場」をデザインするアーティスト・コレクティブ「長者町スクール・オブ・アーツ」による、社会デザイン実験としての展覧会企画です。
世界には様々な国や文化があり、それぞれの社会は、そこに生きる人々の文化に基づいて固有の「境界」を創出しています。これらの境界は、本来カオスな自然環境の中から社会を切り取り、その社会内部を区分して構造を築いています。
それぞれのアーティストは、写真、ビデオ、絵画、彫刻、言語、音などのツールを使用して、私たちの社会に存在するものの、多くの場合、目に見えないか、日常的には境界として認識されていない「境界」について、創造的な視点からリサーチを行います。
元々ある境界のあり方に目を向け意識する所から始めて、創造的な視点から今までとは違う境界を提案してみることで、私たちの属する社会が、私たち自身がが生きやすい構造を持つように作り変えていくことができないだろうかと考えています。
社会の中に自分たちの想像力で結界を創り出すことができれば、我々はいつでも、どこででも自分たちが生きられる場所を作り出すことができるのではないでしょうか?
企画・統括
山田 亘
長者町スクール・オブ・アーツ会長
展覧会は長者町スクール・オブ・アーツに関わりを持つ7名の日本人アーティスト、2名のセルビア人アーティスト、5名のタイ人アーティスト達による、社会に存在する想像上の境界についてのリサーチから作られた実験的な創作物によって構成されており、バンコクのスリナカリン・ウィロット大学のFOFAギャラリー2Fを使ってのマルティメディアのインスタレーション作品展や、学生さん達を巻き込む形でのサウンドパフォーマンスなども内包したプロジェクト展覧会となります。
長者町スクール・オブ・アーツは普段、名古屋という都市の中に創造活動とクリエイティブ教育の特区のようなものをデザインして、その場に集まるクリエイターやクリエイティブな活動に興味をもつ社会人達が集まる「場」を息の長いスパンでデザインして運営していますが、このバンコクデザインウィークと連携する企画では、国際的な参加者がそれぞれのBoundaryへのリサーチや解釈を持ち寄って、バンコクという都市の中に実験的に一時的に立ち現れる場をデザインします。
今回は日本の文化の中で登場する神聖な「結界」が「紐を張って紙を垂らす」という非常に簡素な方法で作られることに着目し、小さくローカルなアーティスト・コレクティブが、展覧会企画そのものをバンコクの中に「クリエイティブな国際交流の場」として、シンプルで単純な方法で成立させることで体現して見せようとする社会デザインの実験なのです。
この展覧会は、日本の名古屋にあるChojamachi School of Arts(長者町スクール・オブ・アーツ)を通じて繋がっている日本、タイ、セルビアの国際的なアーティストたちを招待しています。長者町スクール・オブ・アーツは、創造的な遊び場としてデザインされており、「Our Imaginative Boundaries(私たちの想像の境界)」というテーマのもと、このプラットフォームは国境を越えた芸術的な交流と相互作用を促進する「遊び場」を形成します。
展覧会参加アーティスト:
日本: Harada Aiko, Hasegawa Hitomi, Moriya Ken, Murakami Masakuni, Murata Jin, Oki Keisuke, Yamada Ko
タイ: Sitthidham Rohitasuk, Supoj Siriratchaneekorn, Somsak Hemarak, Preyawit Nilachulaka, Satit Raksasri, Thanom Chapakdee
セルビア: Dejan Ilic, Marko Jozić
スリナカリンウィロット大学の美術学部のFOFA Gallery (長者町スクール・オブ・アーツ企画 「Atavism-隔世遺伝」展 2023.3より)
展覧会は、日本・名古屋でのアート教育のためのクリエイター集団、長者町スクール・オブ・アーツと、タイ、バンコク市のมหาวิทยาลัยศรีนครินทรวิโรฒ(スリナカリンウィロット大学)の美術学部とで構成された実行委員会によって開催されます。
展覧会開催に際して、展示のメイン会場として、スリナカリンウィロット大学の美術学部のFOFA 2F (2階)Galleryが使われます。2階ギャラリーにはホワイトキューブのスペースのほか、併設されたはみ出した区画もあり、そこを解放されたクリエイティブエリアとしてオープンギャラリー化する予定も考えています。また、展示の他にパフォーマンスやコミュニケーションアートの表現の一環としてギャラリー内でのサウンドパフォーマンスも計画をしています。
Our Imaginative Boundaries 展はバンコクデザインウィーク2024の正式プログラムに参加しています。
2024年のテーマはLivable Scape- 生きることのできる景色
バンコクでは2024年1月27日から2月4日のスケジュールでバンコク・デザインウィーク2024が開催されます。 このプロジェクトはバンコク・デザインウィーク2024の正式なプログラムの一つとして承認されています。
私たちのプロジェクトのテーマである Our Imaginative Boundaries は創造的な境界線を想定することで、社会の中に創造的なゾーン作る試みのプロジェクトであるという点で、Bangkok Design Week 2024のテーマである "Livable Scape”と共通するところが大きいと考えています。
wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/File:Hokora_in_Takeo_no_Okusu.jpg
地鎮祭 https://www.e-life.jp/column/trend/4000/
日本という国には元々自然の力を神として恐れ崇める神道とよばれる信仰があります。 元々は縄文時代の末期から弥生時代の初め頃(紀元前B.C.1000あたり)に伝来した稲作に基づいて生じ、当時の王朝によって全国に広められ、現在は日々さほど意識することは無いのにもかかわらず、基本の所で日本人の心の根にある原始的な信仰心を形作っています。
現在の神道は神社と呼ばれる社を持ち、仏教でのお寺、キリスト教の教会、イスラム教のモスクなどと同じく神聖な建物としての拠り所を持ちます。しかしこれらは当時の王朝が神道を広めるためのプロモーションとして作り始めたもので、自然の様々な所に姿形の無い神が宿り、それを恐れつつ信じ、付き合っていくという神道の考え方から、ただ大自然の中に「神聖なエリア」があり、それが分かるための区切りの印だけがあるというのが元々の姿だったのです。
現在でも日本では家を建てようとするときに、その土地の四隅に簡素な竹をたて、紐を渡して臨時の神聖なエリアを作ってその場所の神様と対話をします。
決して軽んじているわけではないのに、その結界はとても簡素で、どこにでも簡単に現れることができるのですが、その考え方や方法を、この成熟して複雑に入り組んだ社会の中に特区のような「創造的なエリア」を簡単に出現させるためのデザインとして捉えることはできないかと考えています。
〜都市の中に創造性を学び、発表をするための場所を区切ること〜
UNESCO Creative Cities Network friends (Graz, Austria)
exhibition venue of Chojamachi School of Arts for Design Monat in Graz, Austria
photography class for working adults (shooting session)
International Group Show at Chojamachi School of Arts
participated Metroplex project 2022 in Novi Sad, Serbia
MV shooting session for video class
長者町スクール・オブ・アーツは大きな学校組織ではなく、あくまでも芸術の教育を標榜する小さなアーティストコレクティブです。大きな学校の建物やアートセンターの様な設備を備えているわけでもありません。しかし私たちの暮らす社会の中には、大がかりに大学でアカデミックな芸術の勉強をしたりすることができなくても、自分なりに観察したことや見つけ出したことを、誰かに言葉で伝えて共有したり、視覚や聴覚に訴えるようなアートのような形で表現してみたいという人達が少なからず存在しています。
そんな人達が、そのやり方を学んだり、アイデアを共有したり、発表をするために、我々が大きくしっかりした場所を作ることは難しいですが、日本の原始的な結界の作り方のような、単純で簡素な方法で「ここは芸術のための場所なんだよ」と棒を立てて紐を張ってしまえば、、、もっと言えば「ここはそういう場所なのだ」と決めてしまうだけでいくらでもそのような場所は作ることができるのではないかと考えています。
そのようにデザインされた場に集うクリエイターや表現活動に興味や意欲をもつ社会人達と共に、機会を創造し、ローカルで小さな組織であるからと物怖じすることなく、世界に向けて国際的な発信をしつづけています。