@Ayane Shindo
① 楽器をはじめたきっかけは?
物心がついた時にはピアノを弾いていましたので覚えていませんが、母曰く音に敏感であったことや、テレビを見ながら歌をよく歌っていたこと、ショッピングモールの楽器売り場で必ずピアノを触っていたことなどから、音楽が好きなのかもと思い音楽教室に連れて行ってくれたのが始まりだそうです。
② 音楽をやめたいと思ったことはありますか?
練習が嫌になる事や、途方もなく奥深い世界に圧倒されて自暴自棄になり諦めた方が良いんじゃないかと思った事は何度もあります。ただ〈音楽が好き〉という根本は変わらないので、心の底から辞めたいと思った事は一度もありません。音楽によって苦しみますが、結局は音楽によって救われます。
③ 毎日練習しますか?
毎日の練習は大切です。しかし、どうしても思うように時間が取れない時もあります。そんな時には例えば移動中の電車の中などでも楽譜を見ながら頭の中で音楽をイメージする、演奏音源を聴き表現の引き出しを増やす、指のストレッチをする...など、目の前に楽器がなくてもできること(意外と沢山あります)をやることにしています。もちろん技術的なことは練習(訓練)でないと習得できないので多いに越した事はないのですが、楽器に向かわずに自分の中で音楽を育てることもとても重要な練習時間だと思っています。
④ 子どものとき毎日練習していましたか?
はい、毎日練習する事は意識していました。『1日サボったら3日分下手になる』という教訓を聞き、練習しないことに恐怖を感じていました。
⑤ 子どものどのくらい練習していましたか?
始めたての頃は、気まぐれに練習をしていたのであまり覚えていませんが、本格的にコンクールなどに出始めるようになると平日は4〜5時間、土日は8時間くらい取れるようにしていました。当時の先生に厳しく管理して頂き、1日どのように過ごしたかをタイムスケジュール表に記入して毎週提出していました。
⑧ どうしてピアノが好きなのですか?
たまたま始めに触れたのがピアノだったので親しみを持っているということもありますが、ピアノは音域が幅広いので1人でどんな音楽も奏でられるのが魅力的だと思います。
⑨ 今日弾いている楽器以外で弾ける楽器はありますか?
特にありません!同じ鍵盤楽器になってしまいますが、チェンバロは大学時代に習っていました。
⑩ 歌もお上手なのですか?(音痴じゃないですか?)
残念ながら得意ではないです...。音程は分かるのですが、発声をきちんと練習しないと上手く歌えません。
⑪ 絶対音感はありますか?
あります。生活音が全て音名に聞こえてしまう...ほどではないです(笑)
⑫ もうすぐ発表会ですが、なかなか練習がうまくいきません。どうしたらいいですか?
目標を高く持っていれば必ず壁が表れますので、うまくいかないと思うのは頑張っている証拠だと思います!行き詰まったら『今は上手くなっている途中なんだ』と一度前向きに考えてから、焦らずできることを一つ一つ丁寧に積み重ねていけば良いと思います。本番前はイメージトレーニングをすることもオススメです。頑張ってください♪
⑬ 発表会などで、緊張してしまいます。どうしたら緊張しませんか
緊張は私もします!『やるぞ!』というポジティブな緊張ならまだ良いのですが、舞台で弾くことをが怖くなってしまう緊張もよくあります。対策は人それぞれあると思いますが、私が効果的だと感じるのは本番前に何度も人前でリハーサルをすること、舞台で演奏する自分を頭の中で何回もイメージすることです。
それでも本番直前に大きな緊張がやってきてしまうこともありますので、私は演奏前の対策として、いつも決まった動きをする(深呼吸をする、弾く前に一度上を見る、、など)ことで心を落ち着けています。練習ではあれこれ考えますが、本番は自分を信じて音楽に集中するだけなので、その曲を演じる役者さんだと思って“自分”から意識を逸らすと、意外と緊張がスッと消えることもあります!
⑭ 楽器を持って演奏者として感じること、思うことはなんですか。
なんでも機械やAIなどでできてしまう便利な世の中になりました。楽器の演奏ももちろん機械でいくらでも完璧な演奏ができてしまうと思いますが、心を動かす真の音楽はやはり心を持った人間にしかできないと思います。人間の心、温もりが楽器に伝わり音として表れ、時には言葉では言い表せないような感情も楽器を使って表現できます。不器用でもなにかが伝わるように...そんなことを意識して楽器を演奏しています。
⑮ MCや歌唱はマイクやスピーカーを使用して、会場の広さに合わせて音量を調節していると思うのですが、楽器の場合はどのようにされているのですか。ソロとアンサンブルで音の出し方に違いはありますか。
(ピアノの場合)鍵盤へのタッチ、あらゆる体の使い方で音の強弱をコントロールしています。ソロではそれを最大限に駆使して自分のキャパシティの中でバランスを調整しますが、アンサンブルではより神経を使って調整します。他の楽器の音をよく聴きながら、客席に聴こえている音を想像してコントロールしなければいけません。どんな編成なのか、何の楽器なのか、どんな音色を出す演奏者なのか、会場の広さはどれくらいか...考えることは沢山ありますが、経験を積むうちに感覚でわかるようになってきます。
⑯ なかなか集まれないメンバーとアンサンブルをするときは、どのように合わせる練習をするのですか?
アンサンブルでは呼吸感、感覚を合わせなければいけないので、なんとかして練習時間は確保できるように努めますが、どうしても時間が取れない場合はテンポ感や必ず合わせなければいけないポイントなど最低限のことを入念に打ち合わせします。他のパートの音もしっかり予習し、自分がどんな役割なのかを整理しておくことも大切です。
⑰ 本番中の(面白い)ハプニングのエピソードがあれば教えてください
ヴァイオリンの押見さんと大学院の実技試験で演奏をした時、ピアノのある1つの音が「ビヨ〜ン」ととんでもなく狂ってる事がありました。その音が鳴るとせっかくの美しい曲が台無しになってしまうと思い、とっさにその音をなるべく避けたり目立たせないように弾いたりと頭をフル回転して演奏していましたが、ついに笑えるほど頻繁に出てくる箇所に突入しどうしようもなくなったところで先生方がストップをかけてくださいました。その後、ピアノをチェンジしてもらい無事に弾ききることができました。