【学びの循環】とは?
新潟市教育委員会によって,以下のような循環型生涯学習が定義されています.
循環型学習とは,自らの社会経験や教育,市・県の主催する生涯学習講座などで学んだ知識を活用して,ボランティア活動・社会活動等に取り組み,さらにその活動を通して学びを深めたり,新たな学習活動に進んだりする状況を指すものです.趣味や興味の延長からの学びを,地域の課題・生活上の課題の解決に活かすことで,学ぶことの意欲や効果を実感し,次の学びにつなげることを,新潟市では推進しています.
(出典)学びの循環による人づくり(新潟市)
本勉強会のはじまりは,2017年度 にいがた市民大学講座「ロボットといきる」の後期ゼミナール講座にあります.
この後期ゼミナールでは,小型のロボットを対象に,ロボットを構成する部品の製作や組み立て,基本的なプログラミングを学んだうえで,受講者が個々にロボットによって解決する課題を設定し,そのためのプログラミングを行いました.
2017年度の市民大学講座の学習を継承し,「自主グループ」としての活動開始の提案を受けました.その際の活動目標として,学びの成果を活用する場所を設定することが学びの循環形成に向けて必要であると考えました.そこで,新学習指導要領(2017年改訂)に明記された小学校段階における「児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を 行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動 」(プログラミング教育)を,学校支援ボランティアとして支援することを目標設定いたしました.
当初メンバーとして,市民大学講座 後期ゼミナール受講生の皆さんへお声がけし,8名の方からご賛同・ご参加いただいて,2018年11月に「大人向けプログラミング勉強会」が発足いたしました.
クロスパルにいがた パソコン演習室を拠点として,週1回 計20回を1クールの勉強会を開始しました.開始当初は,オンラインやフリーのプログラミングツールを複数体験しながら,それぞれの使い勝手やわかりやすさ,応用性なども検証し,手探りでカリキュラムを構成しました.
このツール選定の基準となったのは,新学習指導要領やその手引に記載された3つのプログラミング手法(アンプラグド,ビジュアル,フィジカル)を体験・実現できること,また小学校などでの活用・利用が容易なわかりやすいツールであること,ツールの利用要件が学校などの既存システムに適合すること でした.
最終的に,ビジュアルプログラミングとしては,インストール作業やネットワーク接続作業が極力少ない,プログラミングゼミ(DeNA)を採用し,USBメモリに格納して起動する方式としました.またフィジカルプログラミングとしては,小学校でも導入例の多い,micro:bit(BBC)を採用しました.
2019年度に入り,勉強会活動が2期目に入った頃,小学校におけるボランティア活動のご指導を頂いた地域教育コーディネータ,および理科ボランティア活動を行っていた勉強会メンバーから,小学校のクラブ活動におけるプログラミング指導支援の依頼がありました.勉強会の活動がまだ軌道に乗る途上にあった状況ではありましたが,小学校の環境を知り,また小学生や先生方との交流・情報交換の良い機会であると考えました.
こうして,新潟市中央区内2校の小学校におけるクラブ活動の支援(新学習指導要領におけるプログラミング教育の導入場面D区分)が始まりました.クラブ活動支援では,子どもたちとの接し方,技術的に難易度の高い情報の伝達の仕方,考える面白さやプログラミング実装の楽しさの伝え方など,多くの経験と学びがありました.また,単に,プログラミングを教えるだけではなく,小さな声を拾い学びやコミュニケーションのきっかけを作ることも,重要な支援であることを知りました.