大阪産業大学

デザイン工学部情報システム学科

情報数理科学研究室

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才下翼,糴川由梨,吉田雅一"GSIC POVMとMUMのMUSを介した関係性," 第49回量子情報技術研究会(QIT49), (2023).  » This publication吉田雅一,木村元"完全直交基底を用いた一般化SIC POVMの構成方法および一考察," 第49回量子情報技術研究会(QIT49), (2023).  » This publication
吉田雅一,量子もつれをキーワードにした量子情報科学の応用技術と研究成果について
吉田雅一IC-POVM 測定による量子状態トモグラフィ- 一般化SIC-POVM 測定を主として - » This presentation

学べる主な分野

主な研究内容

これまでの主な研究の内容を紹介します。 

量子状態トモグラフィのために最適な測定方法に関する研究

例えば量子コンピュータの利用において、意図した量子状態の準備がなされていない場合、利用者は期待する出力結果を得ることはできません。そのため、準備された量子状態を同定し、意図した量子状態となっているか、あらかじめ確認しておく必要があります。量子状態トモグラフィは、未知の量子状態を同定するための技術です。本研究では、量子状態トモグラフィに最適な測定を実現するための一般化SIC-POVMの構成方法を示しました。


研究発表Masakazu Yoshida and Gen Kimura, "Construction of general symmetric-informationally-complete–positive-operator-valued measures by using a complete orthogonal basis," Physical Review A 106, 022408 (2022).  » This publication 

マルチパーティ量子鍵配送の安全性の検討に関する研究

量子暗号は、暗号技術の一つOne time pad暗号と、そのOne time pad暗号で用いる秘密鍵を送信者と受信者で共有する量子鍵配送の組み合わせにより構成されます。量子鍵配送の一つに、一人の送信者と多数の受信者が秘密鍵を共有するマルチパーティ量子鍵配送があります。本研究では、受信者が二人の場合において安全性を検討しました。その結果、盗聴者が二人の受信者に対して盗聴行為を行った場合、盗聴者は検知されることなく盗聴を行うことはできないことを示しました。


研究発表Masakazu Yoshida, Ayumu Nakayama, and Jun Cheng, "Distinguishability and Disturbance in the Quantum Key Distribution Protocol Using the Mean Multi-Kings’ Problem," Entropy, Vol. 22, Issue 11, 1275, (2020). » This publication

マルチパーティ量子鍵配送の構成に関する研究

量子暗号は量子鍵配送とOne time pad暗号の組み合わせにより構成されます。まず、情報伝達を行う送信者と受信者は、量子鍵配送により秘密鍵を共有します。そして、送信者と受信者は、共有した秘密鍵を用いてOne time pad暗号による暗号通信を行います。よく知られている量子鍵配送の多くは、二者間で秘密鍵を共有することを想定して構成されています。本研究では,一人の送信者と多数の受信者が秘密鍵を共有するマルチパーティ量子鍵配送を構成しました。


研究発表Ayumu Nakayama, Masakazu Yoshida, and Jun Cheng, "Quantum Key Distribution using Extended Mean King’s Problem," The International Symposium on Information Theory and Its Applications 2018, pp. 339-343, Oct. 28-31, Singapore, (2018). » This publication 

量子状態推定問題と量子誤り訂正符号の関係性に関する研究

次のステップからなる量子状態推定問題があります:1)量子状態の準備、2)測定と測定値の取得、3)測定、4)一度目の測定の種類の開示、5)一度目の測定の測定値の推定。このとき、正しく測定値を推定できるかどうかが問われます。本研究では、通信路における誤りを推定することで量子状態を守る量子誤り訂正符号と量子状態推定問題の対応関係を明らかにしました。また、量子誤り訂正符号を用いた解法を示しました。


研究発表Masakazu Yoshida, Toru Kuriyama, and Jun Cheng, "Solutions to the mean king’s problem: Higher-dimensional quantum error-correcting codes," International Journal of Quantum Information, Vol. 14, No. 8, 1650048, (2016). » This publicationMasakazu Yoshida, Gen Kimura, Takayuki Miyadera, Hideki Imai, and Jun Cheng, "Solution to the mean king's problem using quantum error-correcting codes," Physical Review. A 91, 052326, (2015). » This publication 

定理証明支援系の量子情報理論への適用に関する研究

証明言語は、数学の定理や証明をコンピュータ上で記述するための言語です。証明言語で記述された証明の正しさを検証するソフトウェアを定理証明支援系と呼びます。人間には正しさを検証することが困難な定理の正しさを、定理証明支援系を用いて完全に検証した例があります。本研究では、量子暗号や量子通信を応用とする量子情報理論における定理証明支援系の有用性を検討しました。具体的には、不確定性関係の証明の正しさの検証を定理証明支援系を用いて行いました。 


研究発表Takaaki Masuhara, Toru Kuriyama, Masakazu Yoshida, and Jun Cheng, "Formal Verification of Robertson-type Uncertainty Relation," Journal of Quantum Information Science, Vol. 5, No. 2, pp. 58-70, (2015). » This publication 

子鍵配送Ping-Pongプロトコルの安全性の検討に関する研究

量子鍵配送は、One time pad暗号で用いる秘密鍵を二者間で共有するための暗号技術です。量子鍵配送の一つにPing-Pongプロトコルがあります。このプロトコルでは、準備した量子ビットを相手に送り、相手は量子操作を行った後に量子ビットを送り返します。本研究では、Ping-Pongプロトコルの安全性を検討しました。その結果、盗聴者がある具体的な盗聴行為を行った場合、盗聴者は検知されることなく盗聴を行うことはできないことを示しました。 


研究発表Masakazu Yoshida, Takayuki Miyadera, and Hideki Imai, "On the Security of Quantum Key Distribution Ping-Pong Protocol," Journal of Quantum Information Science, Vol. 3, No. 1, pp. 16-19, (2013). » This publication 

情報理論を用いた量子状態推定問題の再定式化に関する研究

次の量子状態推定問題を考えます:1)量子状態の準備、2)測定と測定値の取得、3)測定、4)一度目の測定の種類の開示、5)一度目の測定の測定値の推定。このとき、正しく測定値を推定できるかどうかが問われます。本研究では、この問題を情報理論により再定式化しました。具体的には、3)の測定と4)の測定の種類から、測定値の推定の曖昧さをゼロにできるかという問題にしました。その結果、情報理論により量子状態推定問題を考えることができます。  


研究発表Masakazu Yoshida and Hideki Imai, "Re-formulation of Mean King’s Problem using Shannon’s Entropy," Journal of Quantum Information Science, Vol. 3, No. 1, pp. 6-9, (2013). » This publication 

量子状態推定問題を応用した量子鍵配送の安全性に関する研究

量子鍵配送は、One time pad暗号で用いる秘密鍵を二者間で共有するための暗号技術です。量子鍵配送の一つに、量子状態推定問題を応用した量子鍵配送があります。この量子鍵配送では、準備した量子ビットを相手に送り、相手は測定を行います。測定後に量子ビットを送り返し、再度測定が行われます。本研究では、この量子鍵配送の安全性を検討し、盗聴者がある具体的な盗聴行為を行った場合、盗聴者は検知されることなく盗聴を行うことはできないことを示しました。  


研究発表Masakazu Yoshida, Takayuki Miyadera, and Hideki Imai, "Quantum Key Distribution using Mean King Problem with Modified Measurement Schemes," International Symposium on Information Theory and Its Applications 2012, pp. 317-321, Oct. 28-31, Hawaii, (2012). » This publicationMasakazu Yoshida, Takayuki Miyadera, and Hideki Imai, "On the security of the quantum key distribution using the Mean King Problem," International Symposium on Information Theory and Its Applications 2010, pp. 917-921, Oct. 17-20, Taiwan, (2010). » This publication

量子誤り訂正符号を用いたエンタングルメント蒸留に関する研究

量子テレポーテーションや量子コンピュータを実現するためには、エンタングルメント状態を準備する必要があります。不完全なエンタングルメント状態を完全なエンタングルメント状態にする技術がエンタングルメント蒸留です。本研究では、量子誤り訂正符号を用いたエンタングルメント蒸留を提案し性能を評価しました。その結果、応用上十分な信頼性を持つエンタングルメント状態を共有できることを数値計算により示しました。   


研究発表Masakazu Yoshida, Manabu Hagiwara, Takayuki Miyadera, and Hideki Imai, "A Numerical Evaluation of Entanglement Sharing Protocols Using Quantum LDPC CSS Codes," IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, Vol. E95-A, No. 9, pp. 1561-1569, (2012). » This publication

エンタングルメント状態の判定に関する研究

エンタングルメント状態は、量子コンピュータや量子テレポーテーションを可能にする量子状態です。実際の利用においては、与えられた量子状態がエンタングルメント状態となっているか判定することが必要となります。本研究では、量子不確定性関係を用いた判定基準を導出しました。この結果より、測定に関するある統計情報が、導出した判定基準より大きい場合には、対象とする状態はエンタングルメント状態であるということが言えます。  


研究発表Masakazu Yoshida, Takayuki Miyadera, and Hideki Imai, "Separability Criterion in prime dimensions based on Landau-Pollak Uncertainty Relation", International Symposium on Information Theory and Its Applications 2008, pp. 467-472, Dec. 7-10, New Zealand, (2008). » This publication 

主な卒業研究

これまでの主な卒業研究です。