今回は『菩提寺(ぼだいじ)』についてご紹介したいと思います。

『菩提寺(ぼだいじ)』と言う言葉、日常生活を送る上で、あまり聞きなじみの無い言葉ではないでしょうか。言葉の意味や由来など、なるべく詳しく解説していきます。

【菩提寺とは】

固有のお寺の名前と言う訳では無く、先祖代々の供養をするためのお寺を指します。

一般的には誰でも自分の親族の菩提寺を持っているので、葬儀や法要の際には菩提寺にお願いすることとなります。

【菩提寺の由来】

もともと「菩提・ぼだい」は悟りやめざめを意味する梵語(古代インドの文章語)から来ており、この梵語に漢字を当てはめたのが「菩提」です。

すなわち、悟りや目覚めのために建立されたものであり、家族や親類など縁の深い人がお釈迦様のように悟りを開き目覚めるよう、願いを込めて建てられたのが菩提寺の由来とされています。

【菩提寺の始まり】

菩提寺の歴史は、江戸時代初期の慶長17年(1612年)に発せられた「キリスト教禁止令」が始まりとされています。

発布当初はキリスト教弾圧のために、キリシタンに寺請証文を書かせて檀家へと転じさせることが目的でしたが、やがてキリスト教徒でないという証のために多くの民に檀家制度が広まっていきました。

この寺請証文を書かせる制度を寺請制度と呼び、寺院の住職はこの制度によって檀家を管理しはじめたのが現在の檀家、さらに今の形の菩提寺の始まりです。

【現代の菩提寺と檀家の関係性】

江戸時代では、檀家はキリスト教徒でない証として強制的に加入させられる制度でしたが、現代では菩提寺は檀家の供養を行い、檀家は菩提寺を経済的に支援するという相互関係の形を築いています。

檀家は「家」という文字がつく通り、個人単位ではなく家単位で所属する形式です。

従って、今の家長が申し込んでいなくても、先代や先々代から加入していて既にとあるお寺の檀家である可能性もあります。

檀家が行う支援とは「お布施」など金銭によるものであり、その見返りとして菩提寺が墓の管理や供養などを代わりに行うという仕組みです。

昔は寺院の新築や改築・修繕などの費用や、本山への上納金といったように檀家へかかる経済的な負担は大きいものでした。

ただ、現在は檀家という形で菩提寺に所属しなくても供養・法要を行ってもらえるケースが増えており、過大な経済的支援を行わなくてもよくなりつつあります。

【菩提寺があるメリット】

・葬儀や法事・法要などの事を相談しやすい

・繁忙期であっても優先的に対応してくれる

・手厚い法要が受けられる

・菩提寺が主催の行事や法要に参加できる

【菩提寺があるデメリット】

・お金がかかる

・お寺のしきたりに従わなければならない


葬儀や法要の際に相談ができたり、お盆などの繁忙期に優先してもらえたりとメリットはたくさんあります。

親身になって相談に乗ってもらえて、手厚い供養を受けることができる点も大きいです。

ただし、お寺との関係が出来て定期的に費用を納めなくてはならない点、お墓を移転する際に離檀料(相場金額は5〜20万円程)を支払う必要がある点などデメリットも多く、家族、親族とよく相談してお寺を決める必要がありますね。

株式会社おお井では地域の方に有意義な情報を発信します。

仏事・法要・葬儀それらに関する分からないことがございましたら、お気軽に相談ください。

お葬式の事前相談も随時開催しております。