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觜川おん On Hashikawa
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詩

「山麓に音樂、或いは道楽」   觜川おん

2025.11


────── 希望と云う山岳の麓から
            夢の瓦礫が降つています。

しかしながら、
つい此の間までは
    俺のふしだらは    常しえだつた!

    山麓では独楽が回つてゐる
知つてゐる    “社会”が“道楽”を赦さぬのは!
    学童の伸び代は

ロングスカートを履いた    此の程の夜々は、
────── 存外にもすぐれた洒落でなかつた。
    我等、音樂は交響曲(平生)を誅戮するも

「舞ふ果て」   觜川おん
2025.11

平成が生み出した、プラスティックの小銃は

 愉快な交響曲の、おと
腕を試して 敗北する
終はり求めて 敗北する

 特に無惨な 俺の果てに
 拙い“現実”が累積する。

手袋を嵌めて 東海へゴウ

 褪せた青史が みえまする
けったいな御噺ですでなあ。

 別日には、米の輝き春の舞ふ

「亡骸と生きよ、しかばねと生きよ」   觜川おん
2025.11

 きっと きっと
 きっと きっと
 きっと きっと
 きっと きっと

金持ち軍曹がたまらないのは、
懐中の豚革

恩顧 幾ら食ふても
 単なる傲岸なりき。

 せこく生きよ 徹底的に

人間は、“何で”人間を判断すべきか ──────
 其れは、単なる“所作”なり

「画伯フリーダム」   觜川おん
2025.11

フランスに生まれ、
アメリカに育ち
インドに死ぬる

 青い空に飛びちがふ、
鳥を追つて
 平生の不平を画布に写す。

 祖国の国事は、オニキスと
雰囲気だけで 長命を保ち
凡愚の理解からはあぶれる、ね

おれの画風は、
 無駄の工面だら

「金蔓」   觜川おん
2025.11

 愛と苦しみの割合は、
砂柄の平面図形

金蔓の魂は、
鈍い神に乞うて(腋の下で)
 何事に意味を求むる
美しい太陽の許で暴れよう。

今日、俺は何度でも死ぬる
 予備の命で部屋じゅうを
歩きまわる
海を出でて 勾配をたしかめる

 みなは、俺を何といふのか。
愛の台詞で 必要なものとは語尾
胸に、慥かに痛む心

 此のあたりのロケーションでは
甘い初恋には払い戻しが、利かない

「北苦役」   觜川おん
2025.11

 都出でて 花を配つた。

長い道を歩いて、
乙な花を配つた。

 もうたくさんだ。
下らぬ礫に躓くのは、
 もうたくさんだ
鼓動が、僕を苦しめたのは

帰つたら、独楽を回してたのしもう。
俺の葱が腐る前に、
 手首を乙に振り回し、
次に、

俺は人間に逆上せた
アホな客に呵られた
喧しいわい
 花の苦役は、

「詩が枯渇する、と云ふこと」   觜川おん
2025.11

 瓶ビール呑んで 法律を語るな。
うどん 一人前 食ふて
 掃除 を語るな。

嘘、いうても、いいですよ
 なんとなれば
ガム食ふたら
乙ですから、な

 つまり
うどん 一人前 盛つて
 喉、渇ぐなぁ

「昼間の人間」   觜川おん
2025.11

町に 光が溢れて
照る 乾いた血がこぼるる

 人間は いない
鉢植えの幸福
いま少しの不幸もない
人間には 類縁など、要らない

 特段良き恋人
理性的な会社員
何処に行つても 在る墓所
理性的なヒューマニズム、に

脳が溶ける 此のような真昼には、

「五月、芝居大会」   觜川おん
2025.11

おおきな おおきな 青空
前を向いて 歩く人ら 美しくも

エゴイズムもなしに ゆく人ら、
おおきな 青空

五月に公園で開かれる 芝居大会は
厳粛なほど 鮮やかで
下らないほどに おもしろい

 もしも 今
終演を覗いたら 結末は変はるか

「愛に、知らずも」   觜川おん
2025.11

青森の芝生で 我一人見き
工場の煙突から 湯気がたつたのを!

私は狼狽へた
歌舞伎の空
けれども 夕日はただ ただの二色

産まれて三年、私ら
私らは 或る風前の灯火だつた
狼狽へるな、野原歩けば
なかなかに愛、
感ぜられます
でも なかなかに愛
川霧に燃ゆるも

「我が生別」   觜川おん
2025.11

 さようなら
酔いどれの博愛も、

 海原は待つている!
ならば私は大声を上げるのだ
芸術と云ふ卵白は、

狭き世界の 境遇をも
私の国へと帰つてしまう

 いま すこしも
不死身と為らばこその 光彩も
根源的たる 生害も
よもや 忌むべき別離為れども

「荒廃」   觜川おん
2025.10

 流れ星が西荻の酒場に、腐る
磁場の歪みは おれの歪み

 我が場末の、一生は ──────
顔面遊戯 卓上の細民社会

金に淫らな、愚鈍な秋は
鈍い腰の痛みのなかで
三日に一度の新涼の欠伸と、
ラスト・オーダーを無視する顧客たちに

 眠れるまで、
ずうつと殺害を繰り返しつづけている

「処世」   觜川おん
2025.10

処世
ライト・ノベルをポップに植え付けた
山田 みぞおち 座布団 の

父の帰りを待つている
かの子らの、
儚きサンドウィッチは
蟬の脱け殻 ミシンの縫いさき

屍越えて
愚鈍な処世を
連衆に映してくたばりまする、も

「姦淫をまつ」   觜川おん
2025.10

生き甲斐に、オリーブを添へて
 まるでボクシングやね

えがお弾ける 排卵の
 生き甲斐は残飯だ
 肌理細やかな景仰だ

俺は毎日 留守のなか
 蒼生の夜這いを待つている。

血眼で走る 各々は、
 姦淫の現場で、たはむれて
内心にては 尊堂にて
 今はただ蒼生を待ちつづけている。

「統治の季節」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

なぎ倒された文明は、
その、たしかな知恵を放棄して
 生肉を統治する。

敢えて いま
笑顔で居る 私たちに、
天罰として見えてくるものは
 豪奢の模型車 累進 渋柿 と

如何わしき
 ことば 頓挫
細君の干犯

不浄の政治 派手やかな贋の笑顔 と
天罰として消えてゆくものは
苦しみから消えゆくものは?

「夕立ワイフ」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

モランディの夕立に、
生まれてはじめての接吻をする。

でも PM4:00発刑務所ゆきの列車には
もう、俺達は浮かばれない

今過ごす此の夕立と、
天気予報附きのマガジン 、
 あなた

「白日の鱧」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

或る
コバルト・ブルーが舞ふ広場で、

挙つて細民が歌ふのは
自由を大木から捥ぐ愚か者と
有限の貨幣の使ひ途

 嬉しいなあ こんな春の日には。
 嬉しいなあ このような自由たる国土で

良い日には 酒を食らい鱧を呑もう。
 清く生きよう。

汚れた人生 ざぶとん

いまのおれは
湾内ワンルームマンション

「夜間」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

雑念が交じり合ふ 夜間には
 一切、睡れぬので ──────
二度、馬を囓る
天国を、睨む
恋人たちがくたばる 嗚呼、夜分

靴下を履いて出掛けたい。
又、メリーゴーラウンドに
乗せてもらいたい。

但しセブンティーンの怨念たちが、
※ランプに集る ※身支度するも

但し夜間に得られる唾たちが
※派手やかに朽ちる ※脳裏。

但し 止めて下され
※幼気な麗しさを
 番組としてポップに撒き散らすのは、

やめて下され。

「我が青春の惜敗」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

甘酒と 其の砕け散つた夜桜は
青褪めた時代に 零れ落つ
夢、
大きな夢が
ちぐはぐな配管たる脇で、
漠然と此れを訴へる。

咽は真つ黒と為るほど、
最終の時代を只、呑んでおり、
最終の列車を、只待つている。

蟬が踊り 奇跡がおこる

子供ら よもやがらがらで
耳介から耳介へと
耳が抜けてゆく 何となれば
輝ける虚無だつた!其れと 静粛!

※素晴らしき出合ひは
 巡り合つたとて、
 ルーザーたる、幾許の靄

「残留」
觜川おん On Hashikawa
2025.10

ただ一つの 田舎の舗道を
霊媒師たちがすぎ
ブラウン管テレビを順番に買い 漁る

暗闇が光り
幾つもの煉瓦は照り
タリーズコーヒーでは、
ココアパウダーが悲鳴を
あげている。

平常ガス欠の私ら、
冷めた眼で見ゆる 学び舎は
目頭から血が流るるほどの
雑踏 トールな人ら

人ら、
手が悴むのだが 我慢する
しかしながら、
健康食品のマウンテンから
宇宙を望む
北海の海域、雪国からは
後、どれだけの世界が残されているのか。

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