本大会で使用される問題は岸、熊田のメインスタッフ2名によって作成されます。本ページはそれぞれが作成する問題の傾向を、可能な限り言語化しようとしたものです。
はじめに、選定の段階で二人ともたまたま「幣原喜重郎」が答えになる問題を作成したので、それをお見せします。(10年来の付き合いともなると任意の総理大臣を選ぶことすら被り始めます)
本大会で使用される問題は岸、熊田のメインスタッフ2名によって作成されます。本ページはそれぞれが作成する問題の傾向を、可能な限り言語化しようとしたものです。
はじめに、選定の段階で二人ともたまたま「幣原喜重郎」が答えになる問題を作成したので、それをお見せします。(10年来の付き合いともなると任意の総理大臣を選ぶことすら被り始めます)
(岸作成問題)浜口雄幸が東京駅で襲撃された際には、その療養期間中に内閣総理大臣臨時代理を務めていた、第二次大戦後に首相に就任し、新憲法草案作成などをめぐりGHQとの交渉に当たった人物は誰でしょう?
(熊田作成問題)国共合作を実現した中国との緊張関係が高まる中で、ロンドン海軍軍縮条約への批准や中国への内政不干渉などの協調外交を行なった、大正・昭和期の外交官は誰でしょう?
一言でいうなれば、岸は「知識そのものを楽しむ問題を作成する」傾向があり、熊田は「早押しをする時の思考のプロセスを楽しむ問題を作成する」傾向があります。
岸は「浜口雄幸が襲撃された」という知識と「その間には後に総理大臣となる幣原が臨時総理をしていた」という知識を掛け合わせることに楽しさを感じております。一方、熊田は「日本史で習う内容を題材に、教科書的な記述から情報を絞っていく」というところに楽しさを見出しております。
また、問題文に関しては、熊田が「なるべく文字数をコンパクトにしながら、答えを導くのに十分な情報を入れ込む」ことに優れております。2人がメインスタッフとして運営に携わった『CIQ the 10th』の中の一問を例として挙げます。以下の問題は「カリフォルニア州」を問う問題です。元となる問題文(Before)は岸が提出しており、そこから熊田による手直しを受けて(After)当日出題されました。
(Before)19世紀半ばに起こったゴールドラッシュで人々が殺到した、「ゴールデン・ステート」の愛称を持つアメリカの州はどこでしょう?
(After)ゴールドラッシュによる人口増加を受け1850年に州となった、「ゴールデンステート」の愛称を持つアメリカの州は何でしょう?
いずれも文字数こそ大きく変わらないものの、Afterの方がよりスッキリと必要な情報を、自然な順番で入れ込めていると感じております。
本大会で使用する問題は先に述べたように「2名」で作成しております。これは決して「1名+1名」ではなく、それぞれが出した問題の雛型を、2人で話し合いながら「協力して」1問ずつ作成していくことを意味しております。岸が出した面白い知識の種を熊田がクイズの問題文として調理したり、熊田が出した洗練された問題文に岸がアクセントとなるような面白い知識を入れ込んだり。このような作業を繰り返しながら理想となる問題群を完成させていこうと意気込んでおります。
そして選定作業を進める際には常に「コンセプト」のページで述べた、「クイズ大会において、問題が対戦者にとって真剣勝負の媒体であることと、参加者にとって聞いて楽しむ対象であること」の両方を念頭に置いております。これは言い換えると、「問題の答えを知っていて真剣勝負に参加できる人」と「たとえ問題の答えを知らなくとも問題そのものに面白さを感じられる人」の和集合をなるべく参加者全員(=みんな)に近づける作業であると考えております。なお、問題単体としての楽しさはもちろん、「問題群」としても楽しめるよう、問題の「重さ」や難易度を調整する予定です
ここまでを踏まえながら、「例題」のページでは岸・熊田がこれまでに作成した問題の中で、先ほど述べた二人の作問の傾向をよく表し、本大会のコンセプトを実現しうると考える問題を数問ずつ掲載いたします。また、この序文では書ききれなかったそれぞれの作問思想のようなものも掲載いたします。
あくまでも、例題は二人が「それぞれに」過去作成したものであり、本大会ではそんな二人の傾向であり魅力が掛け合わさったような1問1問からなる問題群を完成させられたらなと考えております。