事業の事例

建造物の調査

実測調査

実測調査は、県下、様々な場所で実施している。古民家や社寺が多く、時代は中世から近代まで、最近は登録有形文化財申請用の実測が多い傾向である。

文化財の調査の場合は、写真のように小屋裏から床下まで調査を行うこともあり、資料調査も含めると半年以上かかることもある。

長島愛生園 十坪住宅実測調査

登録有形申請の所見と実測調査を行った。十坪住宅は6畳2間を基本とした、木造平屋建ての小住宅である。

文化財の調査(行政からの委託)

大御堂調査

真庭市社にある大御堂は、文治元(1185)年に神宮寺として建立され、慶長5年に現在の姿となったと伝えられているが、棟札もなく資料に乏しく詳細は不明のままであった。

平成30年度調査で、山形大学客員研究員中尾先生による炭素年代測定調査を行い、1185年建立でもおかしくないという科学的結果がもたらされた。岡山県の現存する建築で、最も古い部材が使用された建物であることを証明するに至り、大きな成果となった。

被災文化財の調査(他県からの依頼)

鳥取中部地震による倉吉復旧支援調査

平成28年10月21日に鳥取県中部を震源としたM6.6の地震により最大震度6弱にみまわれた倉吉市で、被災建物の復旧支援調査が行われ、近県から調査員が収集された。岡山からもヘリテージマネージャー3人が加わった。

解体建物の記録調査

残念ながら解体される歴史的建造物について、記録調査を行うことがある。文化財であったり、そうでない場合、中世から近代建築までそれぞれである。歴史が繰り広げられた建物には、持ち主や周辺住民の様々な想いもある。保存がかなった建物や、技術の向上の為、また、いつか歴史が掘り返された時に、活かすことができるように記録する事も大切なことである。