大会長 花山 耕三
川崎医科大学リハビリテーション医学
川崎リハビリテーション学院
このたび、第10回岡山県地域包括ケアシステム学会学術大会を岡山県倉敷市において開催する運びとなりました。大会長として謹んでご挨拶申し上げます。本大会のテーマは「地域包括ケアシステム これまでの10年、これからの15年」です。
地域包括ケアシステムは、超高齢社会を迎えるわが国において「地域で暮らし続けること」を支えるための基盤として整備が進められてまいりました。この10年間で、医療・介護・福祉・予防・生活支援の各領域が互いに連携し、地域住民を中心に据えた多職種協働の実践が全国各地で積み重ねられてきました。その過程では、制度面の充実のみならず、地域特性を活かした多様な取り組みが展開され、多くの知見が蓄積されています。
一方で、今後15年を展望すると、更なる人口構造の変化や地域間格差の拡大、担い手不足といった課題が顕在化することが予測されます。また、デジタル技術の活用や住民主体の地域づくりなど、新しい潮流も私たちの実践に大きな影響を与えるでしょう。そのような変化の中で、地域包括ケアシステムの理念を継承しつつ、次世代型の仕組みをいかに構築していくかが問われています。
本大会では、この10年の歩みを振り返りつつ、実践から得られた成果と課題を共有し、これからの15年を見据えた新たな方向性について議論を深めたいと考えております。基調講演やシンポジウムでは多職種の視点から課題を掘り下げ、一般演題では地域に根ざした実践報告を通じて、参加者一人ひとりが自らの実践と結び付けられる学びの場となることを目指しております。
本大会が、地域包括ケアシステムのさらなる発展に寄与し、住民が安心して暮らせる地域社会の実現に資する契機となることを期待しております。
皆様のご参加とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和7年12月吉日