2025年度(2025.09.20)
今回は「RC造建物の改修事例について技術的側面から考える」と題し,2022年に旧九段会館を一部保存して開業した「九段会館テラス」を見学先に選びました。さらに,隣接する「昭和館」や比較的近い場所にある「東京カテドラル聖マリア大聖堂」も訪れることにしました。
「九段会館テラス」では,旧九段会館の保存に免震レトロフィット工法を採用しており,地下1階の柱に免震装置を設置しているとのことでしたが,建物を切断した箇所の雨どいの処理が印象に残りました。また,「東京カテドラル聖マリア大聖堂」では,2008年の改修工事によって以前より明るい自然光が降り注ぐようになった空間を味わうことができました。
九段会館テラスから
見た昭和館
昭和館の柱
九段会館テラスの
内観
九段会館テラスの庭
に展示してあった杭
九段会館テラスの
雨どいの処理
東京カテドラル
聖マリア大聖堂
2024年度(2024.09.21)
昨年度までの方針を踏襲しつつ,今回は「建築を再生するための構造技術について考える」と題し,戦時下に建設された赤レンガ倉庫をRC造の図書館と一体化させた赤レンガ図書館「北区立中央図書館」を見学先に選びました。
当日は,赤レンガ倉庫と図書館を一体化させる工夫に着目しながら,館内を隅々まで観察しましたが,新旧の建物の融合によって生み出される豊かな空間を味わうことができました。また,午後には赤羽に移動して,「URまちとくらしのミュージアム」も訪問しました。URのストック再生に向けた取り組みには注目していましたが,とても勉強になりました。
北区立中央図書館
集合写真
北区立中央図書館
鉄骨トラス構造
URまちとくらしのミュージアム 全景
URまちとくらしのミュージアム 集合写真
URまちとくらしのミュージアム 内部展示
2023年度(2023.11.11)
昨年度に引き続き,RC造建物を再利用している事例を見学先に選びました。「歴史的に貴重な建築を活かすための耐震補強技術について考える」と題し,今回は港区立郷土歴史館を訪問しました。
港区立郷土歴史館は2020年に建築学会賞(業績)を受賞するなど注目度の高い建築物の保存・活用事例です。ちなみに,コンクリート工学会の学会誌での紹介記事を拝見し,見学先に決めました。当日は,「何を変え,何を守るのか」というコンセプトで改修された郷土歴史館における各部屋の保存グレードの考え方を意識しながら,建物内に施された様々な耐震補強を探し歩きました。歴史館の館員の方々も協力的で,いろいろな場所の壁を(静かに)叩き,その音や硬さから隠された耐震補強箇所を探し歩く我々の姿を温かく見守ってくれました。
港区立郷土歴史館
の全景
重厚な
エントランス
外からは目立たない
鉄骨ブレース補強
モニュメントと
ブレースの角度
2022年度(2022.10.22)
コロナ禍から少しずつ世の中が動き始め,建築学科オリエンテーションも再開されました。2年生との建築見学を行うにあたり,RC造建物の再利用に着目することにしました。そこで今回,我々は「廃校になったRC造校舎の利用について考える」と題し,四谷の「おもちゃ美術館」を訪問しました。
おもちゃ美術館は廃校となった四谷第四小学校(1936年竣工)を再利用しています。館内の年表を見ると,1997年に耐震補強工事が開始されたとの記録がありますので,おそらく耐震性は十分に有していると思われます。兵庫県南部地震以降,耐震診断・耐震補強が進められた学校校舎ですが,近年では耐震補強して耐震性を有していても廃校となる事例が増える一方,その利活用が十分ではない現状を少し残念に感じています。その点,こちらのおもちゃ美術館は,建物の空間利用だけでなく,その維持管理や施設の運営まで含めて,廃校の利活用の好例だと思いました。
おもちゃ美術館の全景
(グランド側)
カードゲームに
参加する学生
昔ながらの
おもちゃで遊ぶ学生
展示されていた
木造耐震シェルター
エキスパンジョイント
の処理(天井と設備)