神奈川県立金沢文庫が管理する「金沢文庫文書」4,149点は、平成28年(2016)に「称名寺聖教(しょうみょうじしょうぎょう)」(16,692点)とともに国宝に指定されました。
称名寺(横浜市金沢区)所蔵の本史料群は、昭和5年(1930)より県立金沢文庫で整理、解読が始められ、当時、史料が少なく研究が困難とみられていた日本中世の政治、経済、文化等を明らかにする貴重な文献群であることが判明しました。
現在、日本中世史研究の基礎史料となった「国宝 金沢文庫文書」は、モンゴル帝国の影響を大きく受けた13世紀後半から14世紀初頭の東アジアの状況を伝える文書としても注目されています。
【アクセス】
①京急線「金沢文庫駅」東口より徒歩約12分(快特で品川駅より33分、横浜駅より16分)
②シーサイドライン「海の公園南口駅」より徒歩約10分(JR根岸線 新杉田駅接続)
◆ご来館には公共の交通機関をご利用ください。
・駐車場はありません(障がい者用を除く)。
・原付・自転車用の駐輪場(無料、屋外5台分、屋根・車輪止めなし)があります。
※駐車場(障がい者用)及び駐輪場は、当館敷地内の金沢文庫駅側(上記地図の赤点線矢印の先端付近)にあります。
神奈川県立金沢文庫では、国宝「金沢文庫文書」のデジタルアーカイブ化を推進し、令和2年3月より、金沢文庫文書データベースとして広くWeb公開に踏み切った。こうした取り組みについては、学術界や一般市民より高い評価を得たところであるが、昨年度から始まった東京大学史料編纂所との連携事業の一環として、さらなる機能向上を目指して全面リニューアルを企図した。具体的には、検索機能の大幅充実や、画面の表示方法の改善をすすめると同時に、東京大学史料編纂所データベースとの双方向のリンクを実現することで、関連する歴史情報を容易に参照できる環境を整えることを目指した。また国際的なデジタルアーカイブの枠組みであるIIIF(トリプルアイエフ)(注3)に対応したことで、快適な閲覧環境を実現するのみならず、その汎用性を生かして今後のさらなる機関連携や機能強化が期待されるに至った。
神奈川県立金沢文庫 取組項目
(1)資料の収集・保管と文化の継承(「守り、受け継ぐ」) 博物館は、
自然と人類に関する有形・無形の遺産を、関連する事項を含めて地域や社会から資料として体系的に収集・蓄積し、損失のリスクから確実に守るとともに、調査研究によって資料の価値を高め、未来へと継承する。
(2)資料の展示、情報の発信と文化の共有(「わかち合う」) 博物館は、
資料を系統的に展示し、デジタル化し、来場者のみならず広く情報を発信し、交流することにより、共感と共通理解を醸成するなど人びとと文化を共有する。
(3)多世代への学びの提供(「育む」) 博物館は、
生涯学習・社会教育の拠点として、多世代の人びとへの学びの機会を提供し、現在と未来に生きる世代を育む。
(4)社会や地域の課題への対応(「つなぐ、向き合う」) 博物館は、
幅広い文化芸術活動をはじめ、まちづくりや福祉、国際交流、観光、産業、環境などの関連団体、関係者とつながりながら、社会や地域における様々な課題に向き合い、解決に取り組むことにより、持続可能な地球環境の維持、創造的で活力ある地域社会づくり、人びとの健康で心豊かな生活に貢献する。
(5)専門的人材の確保、持続可能な活動と経営の改善向上(「営む」) 博物館は、
博物館を取り巻く幅広い業務に従事する様々な専門的人材を確保するとともに、物的、財源的な基盤を確保し、安定した経営を行うことによって持続して公益の増進を図る。また、使命の達成をめざし、評価・検証すること