タッチパネルやマウス,画面上に表示されるアイコンやスクロールバーのように,人(ユーザ)とコンピュータの間に立って情報のやりとりをする接点のことを「ユーザインタフェース(UI)」といいます.ユーザにとって使いやすいUIを設計(デザイン)するためには,人がどのように身体を動かしているのか,何を考えながら操作しているのか,何に心を動かされるのかといった人がもつ様々な特性を知ることが大切です.本研究室では,実験計画法や人間工学的手法,感性評価などのアプローチを用いて,インタフェースデザインへの応用を見据えた人の諸特性を評価する研究を行っています.
デザイン原則に基づく機能的なUIの意匠が,必ずしも審美的な美しさを兼ね備えているとは限りません.例えば,ユーザは実際の使いやすさにかかわらず,見た目がきれいなUIをよりユーザブルと認識する「美的ユーザビリティ効果」と呼ばれる現象が報告されています.また,生成AIによる画像や動画が大量にインターネット上で拡散され,それらは実物よりも本物らしく,より魅力的であると評価されることもあります.本研究室では,感性評価を通じて,UIデザインやAI生成物に対して人が抱く印象や感性価値を明らかにする研究に取り組んでいます.
ICTはビジネスや学習,余暇といったあらゆる活動の可能性を広げてくれるものですが,これらの恩恵を得られる人と,何らかの要因で得られない人との間に生じる情報格差が問題になっています.本研究室では,あらゆる人々がデジタル化の恩恵を受けられるデジタル・インクルージョンの実現に向けて,情報アクセシビリティ向上のための研究に取り組んでいます.また,障害のある子どもたちの教育活動におけるICTやデジタルデータの活用についても,特別支援学校や教育学部の先生方と共同で実践的な研究に取り組んでいます.
自閉スペクトラム症児を対象とした刺激選好査定における加速度データを用いた支援法の検討
「AIで生成された」というコンテクストが風景・顔画像の印象に及ぼす影響
あん摩マッサージ指圧における両手母指圧の動作解析を通じた熟練者と初心者の比較
視覚障害者のウェブアクセシビリティ向上に向けたページレイアウト解析と要約生成による読み上げ文章の検討
特別支援学校(知的障害)在籍児童による手書き文字のデジタルフォント制作と感性評価