私たちがスピーチと対話を大切にしているのは、話し方が上手になることや、人前で堂々と話せるようになることだけを目的としているからではありません。
自分の思いや考えを言葉にすることで、自分自身をより深く知ることができます。
そして、他者の話に耳を傾け、その人の感情や考え方を理解しようとすることで、自分とは異なる価値観や生き方に気づくことができます。
私たちは、このような学びを通じて、互いの存在を尊重し、自分だけでなく他者の幸福も大切にできる人を育てたいと考えています。
スピーチと対話は、人として何が正しいのかを考え、それを日々の行動に生かすための学びの場なのです。
そのために、3分間スピーチと、その後の質問・対話を繰り返す研修を行っています。
スピーチを始める前には、単なる出来事の説明や感想ではなく、自分の本当の思いや感情を伝えることの大切さを説明します。
そして、次の6つのことを意識しながら、学びを深めていきます。
スピーチについて、多くの方々はあまり経験がないかもしれません。
しかし、自分の思いを分かりやすく相手に伝えられれば、聞いている人の心を動かし、通じ合えたという感覚を経験をする素晴らしい機会となります。
1.自分の思いや感情を理解し、言葉にする
スピーチでは、出来事や経験を説明するだけでなく、そのとき何を感じ、なぜそう思ったのかを伝えることを大切にします。
自分の本当の感情を自分で認識して表現することには、難しいかもしれません。また、それなりの勇気も必要です。批判されたり、受け入れてもらえなかったりすることへの不安があるからです。
しかし、自分の感情と向き合い、言葉にすることによって、これまで気づかなかった自分自身の思いや価値観が明らかになっていきます。本当の自分、自分の本当の思いが見えてくるのです。
多くの場合、周りの人の思いに目がいってしまい、自分自身の思いや感情を見なくなってしまっている為に、自分の思いが床にあるのかさえ分からなくなっている場合が多いのです。スピーチは、まずは自分の本当の想いを明らかにすることから始まります。
2.自分の伝え方の特徴に気づく
スピーチの前には、実際に話す言葉をすべて書いた原稿を用意してもらい、参加者同士で共有します。
そして、無意識に使っている言葉や話し方の癖などを互いに確認し、自分の伝え方を客観的に見つめ直します。
自分のことは、自分では分からないことが多いのです。外から見える自分を知る為に、客観的な意見を返してもらう事で、外からどのように見えているのかを確認する機会を持ちます。大人になるほど、人は本当のことを言わなくなってしまします。外から自分はどう見えているのか、正直に伝えてもらう機会は貴重な時間となることでしょう。
自分の特徴を知り、より分かりやすく思いを伝えるための練習をしてもらいます。
3.相手の反応を感じながら思いを伝える
自分の思いを伝えるためには、言葉だけでなく、表情や声の調子、聴き手との視線の交流なども大切です。
相手の反応を感じながら話すことを意識し、自分の思いがどのように伝わっているのかを学びます。
また、他の参加者のスピーチを聴くことで、伝え方の違いが聴き手に与える印象についても学びます。
4.相手の感情を理解するために質問する
聴く側は、話の内容だけでなく、話し手がどのような思いや感情を持っているのかに関心を向けます。
「なぜそう思ったのか?」・「そのとき、どのように感じたのか?」・「なぜ、そのような感情が生まれたのか?」
こうした質問を通して、相手の思いをより深く理解しようとします。
実は、この質問をする質問者も、初めのうちは多くの場合は話しの内容(事柄)に焦点が当たってしまい、感情への質問が出来ないことがほとんどです。適切な質問が出来るためには、質問者も訓練が必要となるのです。話し手の思いや感情に対する適切な質問が出来る力(質問力)も同時に養うのです。
そして、質問された本人も、自分では気づいていなかった感情や考えを発見することがあります。
話す人も聴く人も、互いに考え、理解を深めていくことが、この研修の大きな特徴です。そして、本当に理解し合えた時に、お互いの中に感動が生まれます。この感動こそが、このスピーチ研修の醍醐味です。
5.感情を否定せず、互いの存在を尊重する
人にはそれぞれ異なる感情や価値観があります。
喜びや悲しみ、怒りや嫉妬など、さまざまな感情は、自分の意思とは関係なく自然に生まれることがあります。その感情を良い悪いで決めつけるのではなく、まずは、その人がそう感じている事実をそもまま受け止めることを大切にします。
ただし、感情を受け止めることと、その感情から生まれた行動をすべて認めることは異なります。
相手の考えに同意できなくても、その人の思いや感情も含めて、その人自身の人格は尊重することはできます。その人の感情や思いを批判したり評価するのではありません。「そんなことで怒るのはおかしい」などと否定したところで、感情は無くなる訳ではないのです。感情は自然と湧いてくるもので、むしろ感情は嘘は付けないのです。それをいくら「間違っている」と言ったところでどうすることも出来ないのです。
ではどうするかと言うと、そのまま受け止めるしかないのです。その思いを否定せず、受け入れることを実践で学んでいきます。
スピーチを聴いた側も、その話を聴いて自分がどのように感じたのかを、率直に伝えます。
共感や喜びだけでなく、悲しみや怒り、納得できない思いが生まれることもあります。
そうした感情も、相手を否定するのではなく、自分自身の思いとして伝えることを大切にします。
互いの感情や考えを安心して伝え合い、その違いを受け止め合うことで、相手への理解が深まり、信頼関係が育まれていきます。
自分の本当の思いを理解してもらい、相手の本当の思いも理解できたとき、そこには深い親近感や一体感、そして感動が生まれることがあります。
自分自身を理解し、他者の思いや立場を尊重できるようになったとき、私たちは日々の生活の中で、どのように行動すべきかを考えます。
例えば、自分にとって都合のよい選択と、他者にとって望ましい選択が異なるとき、どう判断すればよいのでしょうか。
また、自分が不利益を受ける可能性があっても、誠実であることや、困っている人を助けることを選べるでしょうか。
こうした身近な問題について、互いの考えを伝え合い、さまざまな立場から考える機会を設けます。世の中には納得のできない不条理・不合理なことがいっぱいあります。その場面場面で私たちは自分の感情と向き合い、そして相手の感情や思いを理解して、その中で最善を模索する目を養います。
私たちは、特定の答えを一方的に教えるのではなく、他者への思いやりや公平さ、責任について自ら考え、判断する力を育てたいと考えています。
人間力は、知識として身につけるだけでなく、日々の行動の中で実践することによって育まれていきます。
感動は、心と心が触れ合ったときに生まれます。
例えば、スポーツ観戦で感動するのは、勝敗や記録だけでなく、選手の努力や苦悩、その背景にある思いや願いが伝わってくるからではないでしょうか。
私たちは、このような心が通い合う感動を、特別な出来事の中だけでなく、身近な人間関係の中でも体験してほしいと考えています。
最初から自分の感情を深く理解し、それを相手に伝えられる人は多くありません。
しかし、スピーチと質問・対話を繰り返すことで、自分でも気づかなかった感情や考えを発見し、他者の思いを理解する力が少しずつ育っていきます。
そして、互いの長所も短所も含めて理解し、違いを認め合うことによって、相手を尊重する心が育まれていきます。
自分を知ることから、人を理解することへ。
人を理解することから、互いを尊重し、支え合うことへ。
さらに、その理解を日々の行動につなげ、自分だけでなく他者の幸福も大切にしながら、人として何が正しいかを自ら考え、実践できる人間へと成長することを目指します。
私たちは、このような学びの積み重ねが、人間力を育てる大切な過程であると考えています。
自分自身の感情や考えを理解し、他者の思いを尊重しながら、人として何が正しいかを考える力を育てます。
社会に出ることへの希望や期待を育み、人の役に立つことや、仲間と協力することの喜びを知る機会を目指します。
スピーチと対話を通して自己理解と他者理解を深め、互いを尊重し、協力して仕事に取り組む姿勢を育てます。
個人の成果だけにとらわれず、仲間の成長や成功を共に喜べる関係づくりを目指します。
社員一人ひとりの人格を尊重し、その成長と幸福を大切にする経営やリーダーシップについて考えます。
利益の追求と人間性を大切にする経営を両立させ、社員が互いに協力し、社会に貢献する企業文化を育てることを目指します。
※各対象者向けの教育プログラムは、今後、具体的な内容や実施方法を検討してまいります。