2023年4月
2023 年 3 月現在,昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(以下,iBPF)より,“食品又は飼料の原料として利用することを想定したコオロギの生産過程における安全性を確保し,もって,食品又は飼料としてのコオロギに対する消費者の信頼を築くこと”を目的として,生産ガイドラインを作成・公開しています.
これには NeoAxis からも大学研究者 2 名が参加しており,日本における健全な昆虫代替タンパク質市場形成を目標としています.
しかしながら,本ガイドラインでは,次の問題が存在します.
・ 科学的に分かっていることは少なく,様々な可能性を残すために曖昧になっている.
・ 情報管理団体を含めて,組織化がされていない(もしくは不十分).
・ 具体的な生産手法・事例がない(そもそもコオロギの大量生産を前提としている研究者は少なく,業界全体も情報共有・把握しているわけではない)
・ 情報共有・知見蓄積の必要性があり,生産手法を改善する前提となっていない.
科学的に根拠を求めることは時間がかかるが,複数の生産事業者や研究者により,より精度の高い情報をまとめつつ,常に情報が最新になるような仕組みをここでは前提とします.
注意点として,本生産手法が絶対のものではなく,生産性の保証をするものでもないため,最終的に各自の判断で参考・活用することを前提としています.
特に,コオロギの食品材料としての安全性・衛生に関しては,本生産手法の対象とするわけではなく,収穫工程の一環であることを留意して頂きたい.また,転載や“日本における健全な昆虫代替タンパク質市場形成”という目的に反する使用については禁止する.
謝辞
iBPF:コオロギの食品及び飼料原料としての利用における安全確保のための生産ガイドライン及び,本手法・事例集は,NeoAxis に参加されている企業の中で特にコオロギ生産事業者様を中心に作成されました.ご多忙にもかかわらず,情報提供にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます.
(Neoaxis 佐々木)