研究概要
当研究室では、体内のさまざまな物質の輸送を担うトランスポーター(膜輸送体)に着目し、その生理学的・病態生理学的な機能を明らかにする研究に取り組んでいます。トランスポーターは、脂質や尿酸、ビタミンをはじめとする栄養素など、生活習慣病や健康維持に関わる様々な物質をはじめ、医薬品などの体内動態を制御する重要な因子です。当研究室では、これらのトランスポーターがどのような物質を認識し、どのように輸送するのかを分子レベルから個体レベルまで解析するとともに、トランスポーターの機能変化が生体機能や疾患の発症・進行にどのように関わるのかを明らかにすることを目指しています。
さらに、トランスポーターの機能を理解することは、疾患の発症メカニズムの解明だけでなく、新たな創薬標的の探索や、トランスポーターを利用したドラッグデリバリー技術の開発にもつながることが期待されます。また、医薬品については、膜輸送体を介した吸収・分布・排泄などの薬物動態学的特性にも着目し、薬物相互作用や個人差を含めた体内動態の変動を明らかにする研究にも取り組んでいます。
加えて、医薬品や医薬品候補の膜透過性や膜輸送体との相互作用を評価し、その結果を基に体内動態を予測するための評価系・解析手法の開発にも取り組んでいます。薬物動態学的手法を活用して、医薬品の体内動態を定量的に理解・予測することで、効率的な医薬品開発や、個人差を考慮した薬物療法の最適化につながる知見の創出を目指しています。
このように、当研究室では「物質が体内でどのように運ばれるのか」という視点を軸として、トランスポーターの基礎研究から生理・病態生理学的機能の解明、さらに薬物動態や創薬への応用まで、幅広い研究を展開しています。
主な研究テーマ
1. 脂質トランスポーターの機能解析・病態生理学的意義の解析
2. 脂質代謝と薬物動態の関連性の解析
3. 新規トランスポーターの機能同定を起点とした、生体内物質輸送機構と薬物動態制御機構の解明