滞在期間 :2022年10月1日〜12月18日
成果発表展: 2022年12月10日・11日 1部 (午前) なら歴史芸術文化村 芸術文化体験棟3F交流ラウンジ 2部 (午後) 天理本通り商店街
滞在期間 :2022年10月1日〜12月18日
成果発表展: 2022年12月10日・11日 1部 (午前) なら歴史芸術文化村 芸術文化体験棟3F交流ラウンジ 2部 (午後) 天理本通り商店街
アーティスト紹介 後期
大西 健太郎 ONISHI Kentaro
1985生まれ。
その場所・ひと・習慣の魅力を発掘し、それらと出会う過程を通じて「こころがおどる」風景を舞台としてパフォーマンス作品を制作する。住まう地域、国、言語、世代、障がいの有無など、異なる背景を持つ「他者」との恊働を軸として制作過程を含めた参加型のパフォーマンス プロジェクトを行う。
2009年路上でのダンス・パフォーマンスシリーズ「風」を公演。2011年に東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)と一般社団法人〈谷中のおかって〉との共催による「こども創作教室〈ぐるぐるミックス〉」の立ち上げより、講師/ディレクターを務める。
2016年より板橋区立小茂根福祉園にて他者との共同創作によってつくり出す参加型パフォーマンス〈「お」ダンス〉を展開。2018年 南米エクアドル中央大学との国際共同プロジェクト「TURN LA TOLA」に招聘される。地域住民との共同パフォーマンス公演をおこなう。2020年からは、オンライン上で参加者の公募から制作まで行うパフォーマンス作品〈サインシンフォニーシッチョイサ〉を公演する。
文化村での制作について
「手」を通して作り出すダンスの制作をします。ろう者の友人と出会ったことがきっかけとなり、手話をもとにした詩の朗読表現「サインポエム」に着想し、〈手レよむダンス〉という踊りの作品に取り組んでいます。
今回、奈良の滞在では、「時間」「風景」「食」「作業」をモチーフとした踊りの「楽譜」(「手レ譜」と呼ぶ)を制作します。例えば、文化財保存修復の作業現場や考古学研究、大和伝統野菜に関わる農家さん、和紙や墨の職人さんなど。「手」を通じて作り出される形や作業に焦点を当てます。
踊りのもととなる「手レ譜」は、吉野の和紙、奈良の墨と筆で描く“絵の楽譜”になります。紙面に描かれた線、形、筆跡を手、指でなぞり、さらに身体全体の動きと結びつけことで踊りを制作します。
最終的に、滞在期間中に描いた手レ譜をもとに構成したダンスパフォーマンス作品の公演を行います。
スタッフによる記録 随時更新
到着初日、文化村スタッフ、関係者向けに自己紹介と制作プランなどをお話しいただきました。
手で描き、手で踊る「手レよむダンス」(てれよむダンス)を実践する大西さん。お昼に食べた唐揚げを元に短冊にダンスの譜面となる”手レ譜”(てれふ)を仕上げてゆきます。
スタッフ実践中。自分から見える景色を描き、手を使い表現します。手をいっぱい広げて表現する人、立ち上がって空間で表現する人、さまざまな表現がありました。
吉野手漉き和紙工房 植 さんへ 。 手レ譜に使用する紙を手漉き和紙にするようです。
撮影:山口 健一郎
植さんが作業されている様子を手レ譜にする大西さん。
撮影:山口 健一郎
吉野手漉き和紙 宇陀紙 福西和紙本舗さんへ。 文化財修復にも使用される宇陀和紙。作業の様子など見学。
奈良墨工房 錦光園さんへ。 奈良墨の歴史から製造に至るまでお話を伺い改めて歴史の深さ、時間の長さを感じる。手レ譜描きは奈良墨を使用するよう。
煤と膠、香料を混ぜ合わせ柔らかいうちに木型に入れ、乾燥させてできあがる奈良墨。今回は木型には入れず手で握って形を作る握り墨を体験。12月末ごろまで乾燥させると使用できるそうです。
スタジオの様子 10月初旬
文化村がある奈良県天理市は柿の名産地でもあります。柿農家の辰巳さんに畑をご案内いただきました。現場で手レ譜を描くスタイル。
リサーチは続きます。大和野菜 あじま芋、豆、米などを作られている松井さんの畑へ。この日の帰りお味噌とお米を買って帰ったそう。
先日いただいた柿で干し柿を作る大西さん。手際が良い。
奈良筆田中さんへ。筆軸くり込み工程から、穂首の仕上げを体験。筆に使用する毛もさまざま。
日々変化するスタジオ
この日は奈良県庁、天理市役所へ表敬訪問。
隣のそざいきちからスタジオに小さなお客様が
考古学専門の学芸員と明日香村をリサーチ ( 高松塚古墳)
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館へ。
高松塚古墳壁画館にて
奈良県立万葉文化館 へ。奈良を対象に詠まれた和歌が多く、その歴史的風土などゆかりのある土地などを案内いただく。
館内から見える香具山を見ながら香具山を詠んだ和歌があると知り、立ち寄ることに。
昔の人はこんな感じだったのでしょうか?香具山に登り大和平野を眺めます。
小さいお友達からお手紙が。
手話パフォーマンス演劇「空の旅団」の稽古場にお邪魔し、手レよむダンスの実践WSを行う
”今日窓の外”というお題をもとに手レ譜を描き、その譜面から踊りを作っていきまます。
干し柿も順調。
奈良専用「手レ譜画板」が出来上がる。
早速「手レ譜画板」を使って 奈良特産の薬草である大和当帰畑やキハダ畑での農作業を見学。
天理市在住のろう者や手話サークルのメンバーと共に「手レよむダンス」ワークショップを行う。
工作×ダンスワークショップの準備。
当日スタッフへの打ち合わせも丁寧に。
関連イベント風景
工作×ダンスワークショップ
「柿が見た景色」
本番に向けた準備が着々と。
ビニールシート張りを手伝いに行ったいちご農家さんから差し入れをいただく。
本番の舞台作り
公演風景
ダンスパフォーマンス公演
手レよむダンス
「霧、こんとんとたって」
撮影 衣笠 名津美