研究室への配属を希望する方へ


本研究室では、学振PDおよび博士前期(修士過程)・博士後期過程(博士過程)の学生を募集しています(石川キャンパス;リンク)。また、社会人として所属しながら、東京の品川キャンパスにて開講される社会人コースにて修士号・博士号の取得を目指すことができます(リンク)。


研究の方法:

所属は「先端科学技術研究科」です。そのため、学生の方が研究を行う場合は実験・データ分析・計算機シミュレーションといった科学的・定量的なアプローチが中心となります(学振PDの方は、民俗学・宗教史・科学社会学など非定量的な分野も募集しています)。研究推進には、プログラミングや統計に関する知識・実践が必要になります。これらを初めて行う方で、挑戦したい方は歓迎します(すでに、習得している方も、もちろん歓迎します)。

私は、人文科学出身(比較文化, 宗教学, 文学)であり計算・データ解析・プログラミングとは無縁でした。大学院を志望した学部4年生からプログラミングやデータ分析について勉強(主に自習)をはじめました。そのため、実験やデータ分析を行わない人文社会科学領域の方でも、入学したから学ぶことができると考えています(進学前に準備できるなら、準備していただきたいこともあるので、希望する時点で事前に相談いただけると助かります。早ければ早いほど助かるのですが、それぞれのタイミングもあるので遅くても問題だというわけではありません。

とにかく何か始たい方は統計ソフトR(外部リンク)を試してみると良いかもしれません。これが使えれば大抵のことができるようになります!独学だと上手くいかないこともあるので、一人でやって上手くいかなくても、不向きと考えず、あまり落ち込まないでください)。

なお、これは定量的なアプローチのみを行うことを意味しておりません。各個人のテーマに合わせて、必要に応じて定量研究と組み合わせながら、質的研究や文献研究も実践していただくこともできます。


研究室で用いる言語:

研究は、日本語または英語で行います。このどちらが、ある程度流暢に話せるのであれば問題なく研究ができます。なお、日本語・英語もどちらも流暢ではない方は、統計・プログラミングの知識・実験計画法の知識があれば問題なく研究できますが、ないとかなり厳しいと思います。特に、日本語が流暢ではなく、学部の専門が「日本語学」の方は、なかなか厳しい道のりになると思いますが、それでも挑戦したい方は応援します。学部で心理学や計量的な社会科学(e.g., 経済学・計量政治学・計量社会科学)や自然科学(e.g., 生態学)を学ばれてきた方は、日本語と英語がともに流暢でなくともスムーズに研究を進めることができます。


研究室でのお願いと守っていただきたいこと

また、研究室では論文やレポートにおける盗用(他の人の文章を引用せずにコピーすること)に対しては厳粛に対処します。何が、盗用にあたるかは、研究室配属時に説明します。また、データの捏造といった不正行為に対しても厳しく対処します。これらが発覚した場合、修士論文・博士論文の審査が不合格となることを理解してください(場合によってはもっと重い決定になるかもしれません)。なお、これは私の研究室が特段、厳しいということではなく、どの大学や研究室においても基本的に類似した対応をすると思います。また、研究室ではデータの利用可能性・分析の再現性を重要視しています。学位論文の提出時に全てのデータと分析コード、研究素材を研究室で共有していただき、他のメンバーが再現できる状態にしていただきます。この点について、少し不安と思う方もいるかもしれませんが、不安に思う場合はその都度、相談いただければ一緒に考えたいと思います。


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研究室に配属される前に呼んでいただきたいお願い (2024年5月16日更新)

研究室に配属を希望する方は、以下を必ず読んでください。

研究室希望を書く前に、下記に納得・共感していただきたく思います。


1) 研究室内の呼び名+敬語

年齢、立場(教員・研究員・学生)、ジェンダー、経歴等に関わらず「〜さん+敬語」で統一してください(特に初対面の方にはそうしてください)。大学名が北陸を冠し、北陸にあることから、北陸地方の方言を敬語に代わって用いることは可能です。

もちろん、関係性や交流に応じて上記以外の呼び方や話し方を変えていくのは自然なことだと思います。あくまでもデフォルト(特に初対面では)で、「〜さん+敬語」というガイドラインを持ってください。特に、年齢や立場が異なる場合は注意してください。

他の研究室の方も、本研究室内で研究・発表する限り守っていただきたいです。

また英語で会話する場合は上記のルールは適応できませんが、失礼のないようにお願いします。

研究室の外の人は、個人の責任で好きに呼んでください。


2) データの適切な保存・分析の再現性

データを取得した場合はバックアップを取ってください。

特殊な事情がない限り、データは研究室内で共有する方針です。

また、データは論文の公開と合わせ一般に公開できる状態にしておいてください。

データと分析コードを用いることで誰でも結果を再現できる状態にしてください。

実験に用いたプログラム・調査に用いた調査票も共有できる状態にしていただきます。

具体的には、以下のgithubを参考にしてください。

https://github.com/YNakawake/projectile_neg

上記のデータ整理・研究資料の共有は修士・博士論文の評価に入ります。


3) 研究上・研究室で得た機密・情報に関して

実験・調査で得た個人情報は漏洩しないよう最新の注意を払ってください。

研究室で聞いた他の方の研究内容(自分の共同研究を含む)を伝えることは注意してください。

伝える際にその人が不利になるか考えてください。これはSNSによる発信やブログ等も含まれます。

「安全保障輸出管理」(https://education.joureikun.jp/jaist/act/frame/frame110000155.htm)を遵守してください。


4) 思想・宗教・政治的発言に関して

個人が思想や宗教を持つことは問題ありません。

ただし、研究室内部での勧誘、大学名や研究室の所属と共に思想・宗教・政治的発言はできる限り控えていただきたく思います。また、研究室・大学内の布教は禁止しています。

本研究室は多様な思想を持つ方を受け入れたいと思います。この目的のため、研究室が特定の「思想・宗教・政治観」と結びつくことは望みません。特にあなたに取って「正しい」価値観であっても、他の人が異なる価値観を持つことに対して寛容でいていただきたいですし、私もそうありたいと思っております。

ただし、これは宗教実践者の方・政治家の方の研究室配属を拒むものではありません。どのような対応ができるか研究室配属前・可能なら入学前に相談していただき、お互いに納得できる方針を決めたいと思います。


5) 研究室内の衛生・安全管理(石川キャンパス)

大学は清潔に使ってください。自分に割り当てられたスペース以外に物を置かないでください。

研究に必要な荷物・その他の理由に基づく荷物を置く必要がある場合は事前に相談してください。緊急性が高い場合は、メールでの通知も可能です。

特に通路に物を置くと、非常時に問題が生じます。かなり危ないです。

特に、食べ物のゴミは放置せず、所定の箇所に捨ててください。研究室内で許可なく、植物・動物を飼育しないでください。


6) 引用・盗用・研究不正

論文の引用が正しくなされているかは学位の対象となります。特に、文献を引用せずに、他の論文の内容を書いたり、コピーすることは、盗用とみなされることに注意してください。データ捏造などの、研究不正は個人だけではなく研究室・大学全体の問題となります。実験に失敗する、データが予想と違う、データが何らかの理由で消失・紛失した場合は、一緒に考えるので、まずは中分に相談してください。例えば、結果が予想と異なっていても、それ自体を報告することは意義があります。パソコンからデータが消えた場合でも、リカバリーできる場合があります。「どうしようもない」と思っていても何とかなる場合があります。

上記が正しくなされているかは、修士・博士論文の評価に入ります。


写真:廿日市市 宮島町