第五回ビリー・マクラグリン
2001.04.14
2001.04.14
マイケル・ヘッジスが ' 80 年代に作り上げた新しいギター・スタイルも、
いつの間にか普通のギター・スタイルになってしまった感がある。
それでも相変わらず彼のフォロワーが出てくるというのは、
それだけ斬新なギター・スタイルであったということだろう。
このビリー・マクラグリンもそんなマイケル・ヘッジス・フォロワーの一人だが、
とてもシンプルな作品が多く、それでいて奥行きのある
情感たっぷりのギター・プレイを聴かせてくれる。
僕が彼のことを知ったのは ' 93 年にリリースされた " The Archery Of Guitar " というアルバムを、
お茶の水のCDショップで偶然手に入れてからの事だった。
アルバムを聴くと、タッピング奏法がすぐ耳に飛び込んできたので、
あー又ヘッジス風のギタリストか、と思ったのだが、
何度か聴くうちにいやちょっと待てよという事になった。
それは楽曲が僕の耳にしっかりと残ったからだ。
ピック・アップの使い方も上手く、
そのサウンドはとてもナチュラルで心地よい。
昨年の秋頃にある航空会社のイベントで来日した彼に会うことが出来、
ライブ・プレイも少しだけ聴けた。
ライブ・サウンドも立体感のある素晴らしいもので、
僕が狙っているサウンドに近いものであった。
この " Fingerdance " は ' 96 年にナラダ・ロータスからリリースされたアルバムで、
彼の記念すべきメジャー・デビュー作品である。
このアルバム以前は、プロトン・ディスクというインディーズ・レーベルから
5枚のアルバムをリリースしていたのだが、
ナラダ・レーベルのプロデューサーに認められたということになる。
アルバムのトータル・サウンドはさすがメジャーというか、
20 ビット・マスタリングされたクオリティの高い素晴らしいものだ。
特に彼のような空間を大切にするギタリストには、
より優れたレコーディング技術が重要なポイントになってくる。
彼はいつか日本でコンサートをやってもらいたいギタリストの一人である。
1. Fingerdance
2. Hurricane Bob
3. Helms Place
4. The Happy Archer
5. Coffee Break
6. While She Sleeps
7. The Good Wife
8. Stormseeker
9. Dreaming on a Runway
10. Breaking of the Shells
11. So Long
12. Lila's Healing
13. Blaise's Ballad