山口県下関市は本州最西端に位置し、丘陵地が多く、平野が少ない地域となっています。温暖な気候を生かし、主要園芸作物としてイチゴ、トマト、ネギ、アスパラガスが生産されています。また、吉田地区には県下最大のナス産地があり、「吉田なす」のブランドで有名な長ナスは、品質・食味共に良好で、市場からも高い評価を得ています。
当ナス部会には40年以上の歴史があり、現在は栽培面積1.2ha、12名の生産者で部会活動を行っています。青果物は主に北九州青果市場に出荷しています。
大成早生長茄は草勢が強いため、落ち着かせるために、4本仕立ての枝をできるだけねかせるように誘引し、頻繁に葉かき、芽かきをしなければならないため、仕立てには手間がかかります。しかし、節間が短く、低い位置で収穫作業ができることや果実の品質は素晴らしく、特に果実の色と艶は他のナスには出せないほど美しく、やわらかい果肉は、漬物や酢の物、天ぷらとの相性が抜群です。この大成早生長茄の果実品質は、他産地との差別化をしていくためにも重要で、「吉田ナス」ブランドには欠かせない要素になっています。うれしいことに市場からは高い評価をいただいています。毎年4月から苗の定植を行い、ナスは8月をピークに11月中旬ごろまで出荷しています。
さらなる販売高向上のため、販路を拡大していきたいと考えており、九州では北九州青果市場以外からもナスを出荷してほしいと声をかけてもらっています。しかし、生産者の高齢化による生産者戸数の減少と産地縮小が問題となっており、なかなかこの要望に応えられていません。この素晴らしい吉田なすを共に作ってくれる仲間を求めています。また、栽培面では作業の効率化のため、大成早生長茄に単為結果性を付けたタイプや果皮が傷つきやすいため、トゲ無しタイプの開発をお願いしたいです。