研究内容
研究内容
巻き付け収納された円筒CFRPブームの弾性力によって,簡単な機構で大型膜面を展開する展開膜面構造物を研究しています.従来のパドル型の展開構造物と置換可能な方式も検討しています.
宇宙実証機会の得られやすいCubeSatへの搭載と曲げにくい薄膜太陽電池などの貼付に適した,約10cm角に折り畳まれるブーム展開型膜面構造物を開発しています.
衛星の宇宙デブリ化を防止するドラッグセイルを想定した,大型三角形展開膜面構造物の折り畳みパターンの検討,地上展開試験と数値シミュレーションによる展開挙動,展開に必要なエネルギーのスケール則,軌道上展開挙動の推定などを行っています.
ソーラーセイルの宇宙実証において,展開後に伸展ブームが座屈した例が複数報告されています.そこで,航空宇宙機の軽量構造方式であるセミモノコック構造を導入し,展開膜面構造物の強度・剛性を向上させ,地上試験も行いやすくすることを検討しています.
小型探査機などで必要とされる薄膜太陽電池を用いた大型軽量太陽電池展開膜面構造では,軌道上の温度変化による太陽電池の反りが課題となっています.そこで,反りを模擬したダミーセルを貼付した膜面を試作し,膜に張力を負荷して反りを低減する方法を検討しています.
宇宙展開膜面構造物に用いられる膜材の厚さは数ミクロン程度で曲げ剛性が極めて小さく,膜面だけでは形状が維持できません.そこで,膜面にリブと展開アクチュエータを付加し,高剛性で自己展開可能な展開膜面構造物を検討しています.
宇宙機の酸化剤タンクの推薬排出には,重い金属製のダイアフラムや表面張力デバイスが使われており,燃料タンク用と同様な軽量なダイアフラムの開発が望まれます.月着陸実証機SLIMでは,酸化剤タンク用のPTFE樹脂製ダイアフラムが新規開発されましたが,製造が困難で薄肉化や製作精度,変形挙動などに課題がありました.そこで,1枚の薄肉PTFEシートの折り畳みによるダイアフラムの製作法を考案,簡易的な注排水試験などを行って実用性を確認しています.また,厚みのある樹脂製ダイアフラムの外側にリブを付加し,変形挙動を安定化させる構造も考案しています.
展開膜面構造物の固有振動数の推定法,展開シミュレーション,生物模倣工学による展開膜面構造物,宇宙機搭載機器の振動衝撃対策などの研究,室蘭工大の無人ジェット機オオワシの引き込み脚の開発なども進めています.