村田研究室では、放射線に関する正しい理解を広げるため、RED-RING(Radiation literacy EDucation RING)プロジェクトを推進しています。
放射線は医療・産業・エネルギーなど幅広く活用されていますが、一方で目視できず、難解な特性を持つことから、不安や誤解が生じやすい存在です。特に福島第一原発事故以降、誤情報や風評被害が社会問題となり、医療現場でも検査忌避につながるなどの影響が見られました。そこで私たちは、子どもから大人まで幅広い世代を対象に、楽しみながら学べる放射線教育教材の開発と普及に取り組んでいます。
これまでに「放射線お化けから身を守ろう!」「放射線量ブラックジャック」などの教材を開発し、全国で延べ1,100名以上の方に体験してもらいました。教材は国内外の学会やコンテストで高く評価され、最優秀賞・優秀賞を連続受賞。アンケート調査でも、参加者の理解度向上や不安軽減といった効果が統計的に確認されています。
さらに、この活動は大学生にも大きな成長をもたらしており、企画運営に携わった学生たちは、プレゼンテーション能力やコミュニケーション力を培い、社会的スキルを身につけています。
現在は、環境省や世田谷区との連携に加え、海外大学(タイ・Rangsit大学)との協働も進行中。放射線リテラシー教育の輪を、地域から世界へと広げています。