特別講演2 東北大学病院 放射線診断科 常陸 真先生「骨軟部疾患の画像診断のポイント・MRI撮像のコツ」
講演中に頂いたご質問へ常陸 真先生よりご回答頂きましたので掲載いたします。
質問1
TE60の症例は、最終的な腱板断裂があったのでしょうか?
見た感じは、部分断裂というよりは微細断裂(層断裂・完全断裂なし)の様に見えましたが?
回答
滑液包側部分断裂の症例でした。微細な断裂でも分類上は全層断裂でなければ部分断裂になります。逆に、微細断裂でも関節内外に連続性があれば、どんなに小さな断裂でも全層断裂に分類されます。
質問2
靭帯の評価はt2スターよりプロトンの脂肪抑制の方が良いという事でよいでしょうか?
回答
どちらでも良いと思いますが、靱帯によってはT2*の方が見やすい時もあります。
質問3
マジックアングルと病変の見分け方を教えてください。
回答
信号上昇だけでは無く、線維の連続性や腫脹など、形態の異常の有無も確認します。
質問4
赤色髄はinphaseとopposed phaseで差があると脂肪組織があるので、良性(赤色髄化)ということでよいのでしょうか?
回答
大部分は赤色髄として良いですが、肝細胞癌、腎細胞癌の一部には脂肪を含むものがあり、opposed phaseで信号が低下する事があるので、注意が必要です。
質問5
脂肪抑制のT2強調画像で関節を評価する際にはTEを短くすることのメリットはわかりましたが、腫瘍を評価する際には支障はございませんか?また、TE50でもT2強調と言っても大丈夫でしょうか?
回答
腫瘍の評価の際にはTEが変わると信号強度が変わる可能性があり、正確な評価が出来なくなる恐れがあるので、TEを短くはしません。また、TEを短くするのは脂肪抑制を併用する時だけです。TE50をT2強調とするかプロトンとするかは意見の分かれる所ですが、T2強調と表現することが多いです。
質問6
滑膜の肥厚と増生の使い分けはありますでしょうか
回答
厳密な定義や使い分けは無いと思いますが、全体に均一に厚い場合に肥厚とし、不均一に厚くなっている場合(樹枝状脂肪腫などのような凹凸のあるもの)には増生と使うことがあります。
質問7
膝関節のACLを診断する際にSagのスライス厚は何mmで撮像しているでしょうか?
回答
4mmのルーチン撮像で診断に困る事は無いと思います。
質問8
椎間場ヘルニアですが、神経症状があり、突出はなく、後方線維輪断裂がみられる症例がよく見られます。定義上ヘルニアでよいのでしょうか?
回答
髄核の突出があればヘルニアとしますが、線維輪断裂しかない場合は、文字通り「線維輪断裂」とします。質問9とも関連しますが、臥位での撮像ではヘルニアの突出が見られない事もしばしばあります。
質問9
MRIは臥位で撮影さるので、ヘルニアは過少評価されているのでしょうか?
回答
質問8とも関連しますが、荷重がかかった状態で髄核が脱出しますが、臥位だと軸圧がかからないので、突出した髄核が元に戻ることがあり、臥位だと過小評価される事があります。
質問10
骨巨細胞腫は鑑別が難しいと思われますが、ダイナミック造影で鑑別できますでしょうか?
回答
ダイナミック造影での鑑別は難しいと思います。理由は腫瘍の内部性状が多彩であり、血流評価だけでは判断が出来ないからです。腫瘍の進展様式や形態、局在などが重要となり、単純X線写真の所見が鑑別にかなり役立ちます。