数理最適化寄附講座

大阪大学 大学院情報科学研究科

お知らせ

ミッション

大阪大学大学院情報科学研究科は,株式会社ブレインパッドと株式会社富士通研究所から寄附を受けて,2020年10月1日より数理最適化寄附講座を設置し,産学連携と研究開発を主たる業務として,数理最適化のビジネスへの展開と基盤技術の開発に取り組むことになりました.(さらに,2021年10月に株式会社リクルートホールディングスから寄附を受けました)

数理最適化は,与えられた制約条件の下で,目的関数を最小(もしくは最大)にする最適化問題を通じて,現実社会における意思決定や問題解決を実現する手段です.近年では,機械学習によるデータ分析や予測の技術開発が進み次々と実用化されています.数理最適化は,それらのデータ分析や予測の結果を踏まえた上で意思決定や計画策定を実現する問題解決における出口を担当する手段です.例えば,オンライン広告などユーザに商品を推薦するレコメンデーションでは,機械学習を活用してユーザの商品に対する期待利得が推定できれば直ぐにサービスが実現できるわけではありません.予算や広告主の意向を考慮した上で,一部の人気商品や敏感なユーザに偏らないように商品をユーザに推薦するためには大規模な最適化問題を解く必要が生じます.このように,機械学習によるデータ分析や予測の技術が普及するのにともない,製造業や物流業にとどまらない幅広い分野における現実問題の多くが最適化問題にモデル化できることが再認識されるようになりました.また,現在では,商用・非商用を含めて多くの数理最適化ソルバー(最適化問題を解くソフトウェア)が利用できるようになり,現実問題を解決するための有用な道具として急速に普及しつつあります.

最近は,多くの企業が数理最適化の活用に強い関心を持つようになり,大学においても企業との共同研究など産学連携の機会が急増しています.しかし,企業には数理最適化の専門家は少なく,大学から輩出できる人材にも限りがあるため,実務における数理最適化の活用はごく限定された範囲に留まっているのが現状です.数理最適化寄附講座では,多くの企業が抱える実務の各段階における問題解決の支援を通じて,企業において数理最適化の専門家を育成し,基幹事業に数理最適化を活用する枠組みの創出を目標としています.また,産業や学術の幅広い現実問題に迅速に対応するための基盤技術として,高性能かつ汎用的な数理最適化ソフトウェアの開発を目標としています.これらの活動を通じて,大学から企業まで広い範囲での人材育成に努め,実務の幅広い分野に数理最適化の技術を普及することを目標としています.

この方針の下で,数理最適化寄附講座は,数理最適化のソリューションビジネスへの展開とそれを支える基盤技術の開発に取り組みます.

メンバー

連絡先

住所:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学 産学共創A棟 107号室

電話:06-6879-4793 (直通)

電子メール:umetani@ist.osaka-u.ac.jp