医学,薬学,生物学に機械工学の見地からアプローチする
2024年度 動物実験の代替となる臓器チップでのマイクロ流路内圧力の非侵襲的測定技術の開発 補助事業 研究報告
事業概要
本事業では,新薬・オルガノイド(人工臓器)の開発で革新的ツールとなる可能性を秘めた「臓器チップ」において重要なマイクロ流路内の圧力を,センサなど使用せず,非侵襲で測定する技術を開発する.新薬・オルガノイドの研究・開発においては,動物実験が不可避であったが,最近,倫理的観点からその実施が問題視され,動物実験に代わる技術が希求されており,臓器チップの成熟化・高度化に期待が高まっている.臓器チップでは,通常,チップ内のマイクロ流路内圧力は圧力センサを用いて測定される.そのため,センサ導入用の測定孔や余剰流路の設計・作製が必要である.このプロセスは,研究開発コストを上昇させるばかりでなく,数百μmのマイクロ流路の流れを摂動的に乱し,チップのさらなる短小軽薄化の障害となっている.さらには流路に接着している細胞群がその余剰流路に侵入するなど,臓器チップの仕様性能が達成できない原因となっている.本提案事業では,その流路内の流体圧力を定量計測することを実現する.
※この研究は,競輪の補助を受けて実施しました。