篤志献体とは、医学・歯学の教育と研究のために、自己の遺体を無条件・無報酬で大学に提供する篤志行為のことです。ここでは、われわれ肉眼解剖学の研究室にとって最も重要な業務の一つ、篤志献体業務について紹介いたします。
聖マリアンナ医科大学では2年次の医学生に対して解剖学実習を配当しています。本実習では、医学生がご献体(ご遺体)を全身にわたって解剖しながら、人体の正常構造の知見を徹底的に身に付けます。その際に用いられるご献体は、本学付属の「聖マリアンナ医科大学山百合会」の会員様より提供いただいております。
山百合会は、1979年6月23日、会員28名で発足した篤志献体団体です。現在のところ約1000名の会員様が所属されており、これまでに2700名を超える方々が成願(じょうがん)なされました。当方の教室内には山百合会事務局のオフィスがあり、技能員2名が入会案内をはじめとする各種献体業務に従事しています。会員は主に神奈川県に在住されている方を対象とします。余談ですが、「山百合」会という名称は、本学の所在地が百合ケ丘と呼ばれる丘陵の地続きにあること、ヤマユリの花は大きくて美しいばかりでなく、清らかで高い香気があること、丘陵地帯の至る所に根強く自生することなどから、本会が着実に発展することを願って名付けられました。
本学では、例年10月上旬、教育と研究のために献体された方々の御霊に対して、カトリックによる追悼ミサを執り行っています。このミサでは、故人のご遺族や近親者の方々、大学役員、解剖学教職員、2年次医学生や看護学生などが参列して、心からのご冥福をお祈りしています。
山百合会事務局では、毎年1回、会報『やまゆり』を発行し、献体のご意思を同じくする方々に向けて、心の交流の場を提供しています。山百合会にご関心がありましたら、『やまゆり』収載の「山百合会のしおり」をご覧ください。献体登録のお問い合わせは電話で受け付けております。平日の9時から17時の間、044-977-8111(代表)に電話いただき、「献体登録希望」とお伝えください。山百合会事務局におつなぎいたします。
ダウンロード可能