作成日: 2025/09/03
最新更新日: 2025/09/03
名称: Yog-Sothoth(ヨグ=ソトース)
初出: H.P.ラヴクラフト『ダンウィッチの怪』(1928執筆、1929刊)
分類: Outer God(外なる神格)
特徴:
時空を超越した存在、宇宙の門にして鍵そのもの。
人間には球体の集合体として認識される描写が多い。
召喚を試みた人間は、現実世界と異界の境界を破り、破滅を招く。
登場作品: 『ダンウィッチの怪』『永劫より』『戸口に潜むもの』ほか
関連項目: ネクロノミコン、旧き支配者、ランダル・カーター
ヨグ=ソトースは、異界知学的に見ると 「境界と連続性」を象徴する存在といえる。
時間と空間を同時に包含し、あらゆる次元への「門」として描かれることから、現実世界でいう トポロジー的な境界概念 に近い。
「門であり鍵である」という自己循環的な性質は、論理学における 自己言及性 の問題とも通じる。
TRIZ的に見れば、「分割」と「統合」(発明原理の1番・5番)を同時に体現するパラドックス的存在。
ラヴクラフトはヨグ=ソトースを「万能知識の象徴」として描いたが、その知識は人間にとっては破滅を意味する。これは 知識の限界とリスク に関する寓話として読める。
「門と鍵の一致」という表現は、現代哲学でいう「自己同一性の揺らぎ」とも近い。
また、無数の球体として描写されるビジュアルは、現代人の目からすると ネットワークノード/データベースのノードを連想させる。偶然かもしれないが、情報社会における「全知の恐怖」を先取りしているともいえる。