人間の臓器はそれぞれ重要な役割を持っています.例えば,脳は人格や感情などの知性に深く関わりながら無意識下で全身の運動や代謝のコントロールを行なう中枢部としての役目を担っています.そのため,脳の病気は,運動能力や知性,生命活動さえも脅かす危険性を持っています.特に,重い障害を引き起こしたり,命の危険を脅かす脳腫瘍はその原因が「遺伝子」,「化学物質」,「電磁波」などではと考えられていますが,特定には至っていません.そこで,本研究室では,「遺伝子」に注目して脳腫瘍を引き起こす原因遺伝子の特定を試みています
具体的には,悪性脳腫瘍の病理画像を用いて腫瘍を引き起こした原因遺伝子の特定を行います.腫瘍部分の病理画像をみると,脳細胞の形状や細胞の分布が腫瘍の種類によって異なった特徴を持っています.そのため,その特徴を病理画像から抽出し,その特徴と遺伝子解析の結果を用いることにより,腫瘍を引き起こした原因となる遺伝子を特定することを目的とした研究です.本研究は,米国シンシナティ小児病院(Cincinnati Children’s Hospital Medical Center: CCHMC)のバイオメディカルインフォマティクス部門との国際共同研究です.