公益社団法人顕微鏡学会

顕微鏡計測インフォマティックス研究部会

本研究部会について

近年、機械学習、深層学習、多変量解析、圧縮センシング、スパースモデリングなど、高度な情報科学(インフォマティックス)に基づくデータ解析技術が飛躍的に発展し、様々な研究分野に変革を起こしつつある。 たとえば、先のノーベル賞受賞に至るクライオ電子顕微鏡法は、電子顕微鏡技術とデータ解析技術との融合が功を奏した好例である。

微弱な信号から科学的に意味のある情報を抽出する技術は、生体試料の観察のみならず、材料のオペランド観察、EELS、EDS、パルスTEMなどさまざまな顕微計測手法において今後ますます重要となることが期待される。 また、そのデータ解析技術は、電子線のみにとどまるものではなく、レーザー、X線、放射光など多岐にわたり、極めて波及効果の高い技術となる。

インフォマティックスを駆使したデータ解析技術は本学会で早急に取り組むべき課題であり、その数理の理解ならびに計測技法としての可能性を探る必要がある。 そこで、本学会に所属する顕微鏡の研究者(材料系および生物系)と、情報科学の研究者を幹事に加え、計測インフォマティックスに関する新規の研究部会を設置する。 対象は、顕微鏡計測における計測原理、計測対象、装置、情報処理、アルゴリズム等に関する幅広い研究テーマとする。本研究部会の活動や主催する研究会を通じて、顕微鏡計測および情報科学に関する相互理解を深めるとともに異分野間の交流も深め、新規な計測手法や情報処理手法の開発に繋がる共同研究を導く活動を行う。

主なキーワード:ベイズ推定、機械学習、深層学習、圧縮センシング、スパースモデリング、AI、ノイズ、多変量解析、画像処理、エネルギースペクトル、3&4次元データキューブ

運営:

日本顕微鏡学会 顕微鏡計測インフォマティックス研究部会

代表:齋藤 晃(名古屋大学未来材料・システム研究所)