プロフィール
村上 弥生
修士課程修了後、女子短期大学講師を務めながら山村民俗学調査を始め、山地での植物の利用や加工の技術などについて調査を行ってきました(和歌山県でのシュロ栽培や山形県での山菜採集など)。
その後、京都大学農学研究科森林科学専攻の博士後期課程に編入学し、博士論文への取り組みを始めることにしました。かつて、山で採取または栽培されていた原料を使って、山村で盛んに作られていた産物である、和紙について、原料処理や紙漉き技術にポイントをおいて学位論文作成に取り組みました。愛媛県の川之江や高知県のいの町、また兵庫県の名塩を訪ね、これらの紙産地で多くの聞き取り調査をさせていただく中で、伝統的な和紙の技法が、時代に合わせ、形を変えて現代に生かされていることを知って興味を持ちました。
高知県吾川郡いの町で、明治時代に和紙の変革の動きをおこした中心人物である吉井源太の日記が非公開で保存されていることを知り、その内容を読み解いて、当時の和紙技術開発の状況を明らかにしたいと考えました。日記を管理されている、いの町紙の博物館で、館長さん(当時)に自分の意向をお伝えし、お話しした結果、日記を読むことが許可され、その解読に取り組んできました(2004年~)。その結果を中心に論文を発表し、それらの論文の内容に、文献調査で得られた知見を合わせ、学位論文を作成して提出。2009年に京都大学博士(農学)の学位を取得しました。
いの町紙の博物館とは、第1回の吉井源太関連企画展である、「吉井源太没後100年記念展および講演会」(2008年)から、視点を変えた企画展の監修や講演などをさせていただくことになり、回を重ねてきました。
紙を新しい時代に合うものへ変革することに取り組んだ吉井源太の情熱に心を動かされ、その日記を長い時間をかけて読み込んできました。紙の歴史の中に、また現代において、和紙に真剣に向き合う方々の取り組みを研究し、ホームページでも発信したいと考えています。
企画展への取り組みを始める前に連載した高知新聞での35回の記事を掲載しました。
2020年に刊行した著書『明治の和紙を変えた技術と人々 高知県・吉井源太の活動と交流』の概要を紹介したFacebookの記事も当ホームページに掲載しました。
現在、Facebookでは、吉井源太の日記を詳しく読み解いていく作業を投稿中です。この内容についても将来的に、当ホームページにアップする予定です。
吉井源太の日記から、明治時代の和紙の変革の様子を詳しく学び取り、明治時代以後の紙の変化について明らかにしたいと考えています。また、このことを当時の西洋世界を中心とした世界経済の様子の中に位置づけ、日本の紙が文化的、また経済的にどのような役割を担っていたかを考えていきたいと思っています。
ご連絡はFacebookを経由して頂戴できますと幸いです。