MIMS研究集会

現象と数理モデル

ー数理モデリング学の

形成に向けてー

2020年11月5日(木)・6日(金)Web開催

 これまで現象数理学分野では、生物学や化学などの自然科学に限らず、医学・工学や社会科学など、 現代社会の複雑な現象に対して数理モデルを用いて数値解析または数学解析を行うことで、その現象の理解を目指してきた。現象数理学において、数理モデルは現象と数学をつなぐ橋渡しのような存在であり、数理モデルの質が研究の結果や考察に大きく影響することから、現象を理解する上で最も重要な役割を担っていると考えられる。しかしながら、「数理モデル」と言う言葉は一人歩きし、統計学分野での数理モデルと微分方程式などで記述される決定論的数理モデルなどの違いやそれぞれの使い方を他分野の研究者が理解しづらい状況となっており、現時点では実験系・ 社会学系および数学の分野では数理モデリングを行う研究者の数は限られている。

 本研究集会は、これまで以上に現象数理学が発展するために、また、これまでは複雑すぎてモデリングが叶わなかった幅広い分野の複雑な現象を理解するために、今一度、数理モデリングの心得を整理し、良い数理モデルとは何かを実験系と数学の両面から考え直し体系化していくための キックオフミーティングとする。そこで本研究集会では、多くの研究者が当然のものとして使っ ている数理モデルである、反応拡散モデル パターン形成、感染症)、フェーズフィールドモデル、統計モデル、セルオートマトンモデルを構築・利用している研究者を招き、現象の本質と実データと照らし合わせながら、それぞれの数理モデルがどのような階層構造を担っているのかを議論する。

プログラム(敬称略)

11月5日(木)

 9:30 接続開始

 9:50 オープニング 

10:05 session1  座長:岩本真裕子(同志社大学)

      出原浩史(宮崎大学)

     「数理モデリング学の形成ー数理モデルのこれからを考えるー」

      小林亮(広島大学)

     「生物と数理モデル、そしてロボットへ」

      数理モデルについてdiscussion1

12:00 お昼休憩

14:00 session2 座長:小田切健太(専修大学)

      西浦博(京都大学)

     「COVID-19」

      数理モデルについてdiscussion2

15:10 session3 座長:物部治徳(岡山大学)

      伊藤浩史(九州大学)

     「体内時計を冷やす」

      西森拓(明治大学)

     「アリ社会の計測と数理モデリン グ」

      数理モデルについてdiscussion3

17:05 終了

11月6日(金)

 9:30 接続開始

10:00 session4 座長:中村和幸(明治大学)

      北畑裕之(千葉大学)

     「液滴中の振動流による拡散増強のモデル」

      仲谷正史(慶應大学)

     「触知覚現象を説明する数理心理モデルの構築」

      数理モデルについてdiscussion4

12:00 お昼休憩

14:00 session5 座長:物部治徳(岡山大学)

      田崎創平(京都大学)

     「環境変動に対する枯草菌の集団形態」

      数理モデルについてdiscussion5

15:10 session6 座長:小田切健太(専修大学)

      田中吉太郎(はこだて未来大学)

     「非局所相互作用を用いた空間離散構造の数理モデリングと応用」

      中野直人(京都大学)

     「力学系と機械学習手法を用いた時系列解析」

      数理モデルについてdiscussion6

17:05 クロージング

17:20 終了