ー目次ー
どこから読んでも大丈夫ですが,どれも長い・・・と感じるかもしれません.
ここに書かれていることは,現在所属している学生にも耳にタコができるほどお話していますし,実践してくれている学生たちは,ものすごく大きく成長しています.M1の後半にもなると,こちらが驚かされることもしばしば.そのせいで(笑)年々要求があがっていきますが,気がつくと乗り越えているようです.加筆・修正がしばしばされますので・・・
「研究室」という言葉にどのようなイメージを持っているのでしょうか.私は高校3年生のときにとある大学の1日体験入学に行ったことをきっかけに,進学先を教育大から理系大学に変更しました.それは,その時に見た研究室がすごくかっこよくみえたから.実験室,学生居室.教員居室そのどれをとってもかっこよかった.あぁいうところで生活してみたい,と思い,ただそれだけで進路をきめました.もちろん,箱だけではそこまで印象には残らなかったと思います.汚くて,決して感動するような見た目ではないけれど,なんだかキラキラした目で実験を教えてくれた大学院生のそれが私を理系の「研究室」に導いたのです.その後,学部3年次後半に研究室に配属されるまでは知っている先輩やお世話になった(単位がとれなくて)先生の研究室なんかに出入りしては,その空気に触れてできない座学を一生懸命頑張る日々でした.いざ!配属になった研究室は,当時成績順で希望の研究室に・・・というシステムで配属された研究室.もちろん,学年内の順位なんて下から数えて一桁で,たぶん第4希望が第5希望くらいに書いたであろう(書いた記憶すら薄い)研究室に配属されたわけです.この全く希望していない研究室に配属されたことが,今も私の最高の運(ラッキー)だったと思っています.
とにかく,私の配属された研究室はかっこよかった.私が3期生なので研究室ができて2年半ほどで,すべてが綺麗だったし,指導教官の趣味(?)によって机の配置ひとつ,ネットワークケーブルや電源タップの配線の果てまでかっこよかった.そして,何よりもそこにいる先輩たちがすごかったのです.仲良くケンカして,研究のことになるともう何時まででも議論している.どんなに深夜まで研究していても朝9時には集合しなきゃいけないからって,みんなで研究室で眠ったり(今でも椅子が2つあれば横になって眠れます(笑)),目覚まし助け合いとか,友達とも違う,兄弟とも違う,けどどこかで強く結びついていて困っている人を見捨てない.共に戦う同志?戦友でしょうか.だから,今,うちの研究室が目指すものはチームです.全員で高め合う,より上を目指すものを支える者も必要,一人では登れないし,誰もが一番上までいけるわけではない.けれど,全員で高め合うことは可能であるし,そういうチームを創りたい,と考えています.
1.命大事に
2.すべてに全力で
3.ほうれんそう(報告・連絡・相談)必須
4.みんな仲良く元気よく
5.楽しい化学で世界一の研究室
自分の研究室をもつとなったときに,どんな研究室にしたいか,自分の研究室を経て社会に出ていく学生にどんな人になってほしいかを考えて,考え抜いて作った五箇条は今も健在です.ここにある5つは生きる力に通ずるものと認識して研究室で守って欲しいこととしてあげています.命は,どんなことがあっても一つしかありません.研究室にいれば,色んなことがあります.事故も事件も精神的につらいこともあります.それでも,人はとてつもない奇跡で生まれてきていることを忘れないでください.人間は特に,生まれてすぐに自立できるわけではありません.誰かにたすけてもらわなければ生きていくことができません.それどころか,生まれてくること自体が一人ではできません.だからといって依存しろとい言っているわけではありません.自律して生きていてこそ,生きる意味があります.命がけでこの世に生み出してもらった命だからこそ安易に投げ出すことをしないでほしいと思います.同時に,何か起きた時にまず命を守ることを一番に考えてください.この命大事には,まずは自分,その次に周りです.自分の命の安全を確保した上ではじめて人を助けることができると考えているからです.
そして,どんなことにも全力で取り組んでください.勉強と呼ばれるようなことだけではありません.研究も学びももちろんですが,遊びも人間関係も全てにおいて全力で正直な人でいてください.何かをしたいと思った時,誰かに協力してほしいと思った時に,正面からぶつかることができない人は何も学び得ません.自分の持てる全てを出し切ってもなお壁にぶつかったときこそ成長のときです.だからこそ,いつも全力でやってほしいのです.もちろん,on/offがあるのはあたりまえなのでそれも含めて全力で,です.この全力でやることのひとつがおおきなアンテナを張りつづけることです.研究だけでなく,様々なものに対し,その時は重要でないかもしれないけれど,あとあと大きな人とのつながりになることもあります.逆に,全然関係ないと思っていたところ同士が結びつき,めぐりめぐって自分にとってマイナスになることもあります.一つ一つの行動に責任をもってください.そのためのひとつの方策が「報告・連絡・相談」です.これだけは譲れないですね.研究をすすめるにあたっても,報告からはじまります.何をして,どのようなデータがでていて,どのように考えていて,次に何をしたいのか,とにかくデータがなければ話になりません.結果まで求められるのは大学院以降ですから,データは実験量がものを言います.
研究室は友達同士がいる場所ではありません.嫌いなひと,苦手な人,好きな人などなど雑多に存在します.けれど,これは社会でも同様です.全員と仲良しなクラスなんてありましたか?そんなことなかったのでは?と思います.では,嫌いだから排除する,無視をする,関わらない・・・そんなことで良いのでしょうか.少なくとも私の研究室では答えはNo!です.ここでいう仲良し,というのは同じ目標(研究をする)に向かって一眼となって取り組む,という意味での仲良しです.じゃぁ,みんな言いたいことも言えずなんとかうまくやろうとすればいいのかというと,そういうことではありません.ぶつかって当然,ケンカして当然,と思っています.むしろ,それができないことのほうが困ります.陰口はダメです.ダメなところは本人に言う,改善してもらう,話し合う,お互いに歩み寄る.人間関係だけに限りませんが,ひとつの意見だけで物事を進めようとすると,とても視野の狭い,誰にも理解されないことをひたすらにやりつづけるような意固地な人になってしまいます.もちろん,よいものができあがる確率も極端に低くなると思います.では,何をどうすればいいのか.高めあってください.意見をぶつけてください,全力で!人の意見に耳を傾けてください.私達の研究室では,1+1=2で終わることはありません.相乗効果という言葉を知っていますか?ポジティブな相乗効果を常に意識してください.
これらを守って目指すものは,世界一です.
朝起きて,一番最初に何をしますか?
夜眠る直前に何をしますか?
習慣というのはすごいもので,何も考えていなくても行動できるものです.研究室では,朝9時からオンラインまたは対面でミーティング(朝礼)を行います.これはコロナ禍の2020年3月に始まったものです.緊急事態宣言による自宅待機下においても,毎朝研究室みんなの顔色チェックから始めることができます.オンサイトで集まることが難しく,またマスクの着用がほぼ義務であるため表情をみることができません.こんな寂しいことはありません.笑顔も泣き顔も困った顔も全部が重要な情報です.だからこそ,オンラインでのミーティングはそれぞれが自宅からでも可能なため,マスクなしで参加してくれています.私にとってこんなにも楽ちんなものはありません.基本的には,今日の予定,プチゼミなどが行われますが,この時間になると自然に研究室モードにスイッチが入ります.よく,研究室で決めた時間に遅刻してきて,社会人になってもそうやって遅刻するのですか?と尋ねると「お金をもらったらやりません」という人がいます.これは間違いです.何かと引き換えに行う行動はそれ以上もそれ以下もありません.その行動に意味がないからです.前述したような研究スイッチ!みたいなことになり得ないのです.この習慣というのを言い換えると「自然と当たり前にできること」です.この当たり前にできることのレベルが高い人ほど,より高い能力や知識を身につけることができるのです.普段の行動を 見るとその人のレベルがわかる,というのはあながち間違っていないと思います.できない理由を考えてはいけません.やらない理由もいりません.やってみればいいだけです.研究室にはそういうことがいっぱい転がっています.理不尽だと思うこともあるかもしれません.それでもやらないよりはやったほうが何か得るものがあるだろう,と考えることができるかどうかです.
読んで字のごとしです.
けれど,これはお休みしろとか何もしなくてもいいよ,と言っているわけではありません.ムダかな?意味ないかな?と思うことをやることのできる時間を作りましょうということです.そこから何かを見出だせるかどうかは,自分次第です.余白もそれ以外の時間をどうやって過ごしているかというのが重要になります.
ものごとの本質を捉えてください.
小学校の理科室では,走ってはいけません,と習います.しかし,大学の実験室を走る人がいます.これはいったいどういうことなのでしょうか.この人は,「理科室」と呼ばれる場所では走ってはいけない,と理解しています.だから,大学の実験室は走ってもいいのです.しかし,実際は間違いです.理科室で走り回ってはいけないのは,なぜでしょうか.たくさん理由があると思いますが,理科室という場所に特化した理由でいけば,ガラス器具がたくさん置いてある,とか試薬があるとか,バーナーもあれば水道もあり,走ってぶつかったり転んだりしたときの被害が大きいからと考えられます.すなわち,「理科室だから」走っては行けないのではなく,「走ると危険が増えるから」走ってはいけない場所として教えられるのです.もし,この後者の理由を理解していたら,大学の実験室はより危険なものがたくさんありますから,走ってはいけないという判断をすることになります.これが,ものごとの本質を捉えるということです.表面上だけ理解したふりをしてはいけません,わからないことを調べずに放置したり,わからないと言えずに適当にその場をごまかすようなことは許しません.もちろん,人が言ったことを鵜呑みにして間違って人のせいにするなんてこともいけません.ひとつの学びを2にも3にも10でも100でもどんどん大きくしていってください.でも,その学んだことにがんじがらめになって身動きが取れなくなってはいけません.捨てるものは捨てましょう,ちょっと棚にあげることも大事です.私はたくさん棚にあがっています(笑).何せ,理科も数学も好きではない子どもでしたから.ただ,中学校での理科の実験も高校での物理,化学,生物の実験もとにかく,すべての実験,実習が好きでした.何かを覚えることは苦手で嫌いです.でも,どの教科書を開けばよいかは知っています.何が大切なのか見極める能力こそが,本質に近づくための道ではなかろうか,と思っています.
私の生き方は破天荒だと言われます.
破天荒の本当の意味からすると,わたしとは似ても似つかない人物像になるかと思いますが,他の人と比較すると違う人生を送っている,ということでしょうか.あまりそうは思っていません.自分のやりたいこと,なりたいもの,好きなことを貫いた結果が今です.もちろん,生きてきた中で他の人と比較され,蔑まれたことも数しれずです.けれど,研究室も含めて自分の歩んできた道,築いてきたものになんら問題はありません.他の人と比較することに何の意味がありますか?自分は自分です.良いと思うものは真似をしたら良いし,これはちょっとというものは反面教師にすべきと思います.けれど,比較する必要はありません.他の人は決して自分ではないのです.そして,謙虚に・・・
その言葉通りです.
非常に豪快で繊細なのがボスというものです.思うより研究室のみんなが大好きで,ちょっとうざがられたりするとしょんぼりしたりします.だからといって,変なご機嫌取りはご法度です.「でも」と「いや」という言葉に敏感です.「できません」という言葉が大嫌い,逆に「やります!」という言葉は好物です.また,人が驚くことが好きなので,きちんと驚いてあげないといけないけれど,わざとらしいのはよくないです.2021年度は自分で実験しよう,と思っています.2022年度は自分で実験しながらいろんなことを形にしていこう,と思っています.
【2025. 2. 18追記】
研究をするという種々の能力を磨くには,学部の1年間ではそれだけの実験量をこなすことが難しく,大学院修士課程の2年間を含めた3年間で研究スキルを身につけ羽ばたいていってほしいと思っています.これまでの学生で大学院進学をしたうち,はじめから大学院進学を希望していた学生が半分,残り半分は研究室に配属されてから研究を始めてみて,大学院進学を決めています.いずれにしても多くの学生が大学院進学をしています.また,希望するのであれば(研究面から考えて強くすすめることはありません)他大学の大学院なども視野にいれて検討をしてもらった上で,私達の研究室を選んでもらう,というスタンスでいます.
以下,3年間の予定です.
【4年生】
4月:配属決定・基礎実験・卒論テーマ説明会
5月: ↓
6月:卒論テーマ決定
7月:夏季研究発表会→院試休み・大学院入試(推薦)
8月:院試休み・大学院入試(一般)
9月:夏休み(10日程度)・(学会・・・)
10月:
11月:冬の学会申込み
12月:冬季研究発表会
1月:学会発表(支部大会)
2月:卒論提出・卒業研究発表会
3月:卒業式
【修士1年生】
4月:入学式・講義&TA(1年継続)
5月:
6月:
7月:学会発表・夏季研究発表会
8月:
9月:夏休み(10日程度)・学会発表(全国大会)
10月:
11月:冬の学会申込み
12月:冬季研究発表会
1月:学会発表(支部大会)
2月:卒修論発表のお手伝いとか
3月:(就活開始?)
【修士2年生】*海外で開催される国際会議にも出てほしいなぁと思っています.
4月:
5月: 学会発表
6月:
7月:学会発表・夏季研究発表会
8月:
9月:夏休み(10日程度)・学会発表(全国大会)
10月:
11月:冬の学会申込み
12月:冬季研究発表会
1月:学会発表(支部大会)
2月:修論発表
3月:卒業式
研究テーマは,縦に人がつらなっています.なので,研究室の中でもテーマの似た数人で議論することも非常に多くなります.また,博士後期課程への進学もぜひ検討してください.他研究室との合同研究発表会やディスカッション,企業との共同研究なども入ってきて,テーマ以外の実験,研究を行うこともしばしばです.いろんなことを幅広く知ることができ楽しいんですよね.企業での研究の話を直接聞くこともできますし,いろいろな意味で勉強する機会になると思ってやっています.
【1日】
9時:朝ゼミ 開始
10時:各々の予定開始
・・・・自由解散(笑)
仕事とプライベートではない.
研究と人生に境目はない,ということである.
自然体でたおやかに研究を楽しむことが人生であり,
研究とは人生そのものである.
研究室で行われる研究はその一部分であり氷山の一角程度かもしれないと最近は考えている.