アスリートの洗練された動作やメンタル面について研究しています.
スポーツ行動をとりまく諸現象を解明すべく,行動指標測定や質問紙調査だけでなく,脳波や機能的MRIを計測するところに本研究室の強みがあります.
主な研究テーマ
1.アスリートの緻密で洗練された動作がどのように学習されるのかについて,行動と脳内情報処理の両面から調べています.
2.多くのアスリートが経験する「あがり」の防止法について,眼球運動や脳機能に注目して研究しています.
3.運動と脳機能との関係を調べ,健康増進・維持だけでなく認知機能の向上・改善にも運動が貢献することを検証しています.
学部時
2年生(演習Ⅰ)
スポーツ心理学分野の基礎知識を,講義・実験実習を通して体験的に習得してもらいます.
3年生(演習Ⅱ,Ⅲ)
春学期では種々の実験装置を操作し,現象を記述する力を涵養します.秋学期では文献研究以外に卒業研究につながるグループ研究をしてもらいます.
4年生 (演習Ⅳ,卒業研究)
卒業研究のテーマに沿った文献を発表してもらい,研究計画を具体化します.
大学院時
1.各大学院生が最新の研究知見について文献を紹介し,議論を通して,優れた着想,方法を理解するだけでなく,批判的な視座で改善点を見出す力を習得します.
2.優れた専門書(洋書)を輪読していきます.英文を正しく読む力を向上させます.
アクティヴ電極を用いた脳波計で,外乱に強い特長があります.頭皮上128部位への電極配置も短時間で可能です(写真は64ch計測時のもの).DC計測が可能であり,緩電位変動の計測にも適しています.
2台保有しており,連結すると最大64chの脳波計測が可能です.2名の被験者から脳波を同時計測することで,「対戦型ゲーム」遂行時の駆け引きに関わる脳活動を調べることができます.機能的MRIとの同時計測も可能であり,MRIと脳波のそれぞれの長所(脳のどこが活動したのか,脳がいつ活動したのか)を併せて研究することが可能です.
72チャネルのデジタル脳波計です.計測時に平均基準がデフォルトで適用され,少々クセのある脳波計ですが,脳波はクリアに計測できます.時定数10秒が適用されます.以下のActiCapと組み合わせると,電極装着時間を節約できます.
ほぼすべてのデジタル脳波計で使用できるアクティヴ電極システムです.32chを4セット現有しており,最大128chからの記録が可能です.インピーダンスチェックが電極上の緑色ランプで簡便にできます.
準備中
準備中
ブレインマシンインターフェイス研究の発展に伴って,安価な汎用ワイヤレスデジタル脳波計が急速に普及しています.早稲田大学正木研究室(スポーツ心理)ではそのなかのEmotivワイヤレスデジタル脳波計に脳波電極キャップを接続し,アスリートの脳波を屋外で記録することにチャレンジしています.バッターの意思決定過程など,スポーツ現場での脳波計測への道が拓きつつあります.
スポーツ科学学術院には脳波計測のためのシールド室があります.海外の研究機関と比較しても室内は広く設計されています.電気的にシールドされ,防音に優れています. 実験室内では,視覚刺激を高精度で提示するためにCRTモニタを使用しています.反応時間をミリ秒単位で計測するために,岩通アイセック社製のタキストスコープシステムを使用しています.刺激提示ソフトウェアにはPresentationとE-primeも使用しています.
脳波解析では,BrainVisionAnalyzer2.0,BESA,LORETA,EEGLABを使用しています.
準備中
キャップ型のシステムで,動作中の計測が比較的容易にできます.サンプリング周波数は30 Hzです.アイスホッケー選手のシュート時の視線行動や,アーチェリー選手の視線行動などを調べています.スポーツ観戦時の観客の視線と注意を調べることで,効果的な広告掲示法を提言するなど,スポーツ経済学的研究にも適用しています.
ハイスピード眼球運動追跡装置で,2000 Hz (両眼1000 Hz)での測定が可能です.実験室内での使用になりますが,サンプリング周波数が高いので,高精度での眼球運動追従が可能です.脳波を同時計測すれば,アスリートの視覚情報処理を多角的に調べることができます.
スポーツ科学学術院は1.5 TのMRIを現有しています.研究目的にも使用することができ,本研究室は毎週水曜日の午前中にマシンタイムを有しています(2014年度).MRIは脳の形態だけでなく,機能も計測できます.機能的MRIの長所は空間分解能(脳の活動部位がわかる)に優れていることです.本研究室では,アスリートの意思決定過程やモチベーションの神経基盤などを解明するためにMRIを適用しています.アスリートの速くて正確な意思決定は脳のどこが担っているのかについて調べています.
8字コイルを用いて,脳の特定部位に磁気刺激を入力することができます.たとえば,動作イメージ中の一次運動野の賦活レベルを調べることが可能です.脳波との同時計測もできます.