#284 やめれる?に衝撃を受ける
授業の中で「ら抜き言葉」の年齢別使用率や生起率の上昇について取り上げたところ、学生のコメントシートに「『やめれる?』をよく使います」という声が散見されました。これには何か流行の要因がありそうだと思い検索してみたところ、関連がありそうな記事を見つけました。もしかすると学生の年代では当たり前のことなのかもしれず、ここに「発見」として書くのも少し恥ずかしいのですが、私にとっては初耳だったため書き残しておきたいと思います。
実はこの「やめれる?」、「JC・JK流行語大賞2025上半期」のコトバ部門で、3位にランクインしていました。そのフレーズが衝撃的です。
「ほん𝒎𝒐𝒏𝒆𝒚わかんのでskrrrrメロいちゃむ〜ドカ鬱横転ちゃんねるでしぬ〜セブンのカリカリ梅しか勝たんのやめれる?」
……な、なんだこれは、まず、「語」なのか…?というのが正直な感想ですが、たしかにその最後に「やめれる?」が使われています。
記事によると、これは「意味不明な超長文を暗記して高速口パク&手振りするカオス系ミーム」が発端で、全部言えたら勝ちというチャレンジ動画が量産されたとのことでした。私はTikTokをやっていないためリアルタイムでは見られなかったのですが、調べてみるとYouTubeのショート動画でも、この音声に合わせて逆ピースをしながら身振りを交えて挑戦する動画がたくさん投稿されており、なんだかもう衝撃を受けてしまいます。
以前(2025年12月5日の記事)で読み上げ機能を活かした「音のミーム」について触れましたが、今回の流行もそうした流れと関連していそうです。この「やめれる?」という表現が学生たちの間で普通になった背景には、こうした動画の爆発的な人気が要因の一つとして挙げられるかもしれません。
さらに面白いのは、「やめれる?」が日常の言葉として定着したことで、逆に「ら」を入れた「やめられる?」という表現の持つ意味が変わってきている点です。学生の中には、「ら」を入れる場合は言葉を強調することになり、真剣にお願いする時や、相手と心理的な距離を置きたい時に使う、と話す人もいました。中には「少し怖い印象を受ける」という声も……。
一般的に「ら入り言葉」は、年齢層の高い人が使う言葉やフォーマルな場での表現として、「正式で正しい日本語」というイメージがあると思います。しかし、そのイメージ自体が変化している可能性を知り、非常に興味深く感じました。むしろ「ら」が入ることで「強い言葉」としてのニュアンスを帯びるという声が多く、これには驚かされます。
*記事によれば、Z世代向けのマーケティング支援を手がける株式会社AMFが、全国の女子中学生・女子高校生975名を対象にアンケートした結果のトレンド(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000017469.html)
参考
株式会社AMF「JC・JK流行語大賞2025上半期を発表!コトバ部門1位は『それガーチャー?』、モノ部門1位は『みそきん』」PR TIMES、2023年6月30日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000017469.html )
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[変異理論] [ら抜き言葉]