07. vahix
Artist: Ezame
「FullMoonのスーツケースを落とした」
07. vahix
Artist: Ezame
「FullMoonのスーツケースを落とした」
事件が起きた回: M3-2024春
チャイムと拍手が鳴る。
M3は閉会したのだ。
某サークルの新譜が悉く売れ尽くした時には、会場の群衆は撤収作業へと移る。
各自、手足を忙しく動かし、あの賑わいを思い出へと消化させる儀式を踏む。
その儀式、約30分。
次第には各々の身内で駄弁り合いながら最後の仕上げに差し掛かる。
私はかの赤いスーツケースの運び屋を申し受けた。
我々のサークルは何処に向かう、貴方たちは何処にいる等のアフターバーナーへの期待を交わしながら、満月より受け取る彼女の名は「おと」であった。
その頃満月氏は、エスカレーターが停止されてしまった事を目撃して我々に報告した。
已むを得ず、階段を使う。
順調に運び屋を遂行して踊り場に差し掛かり、もう一歩を踏み出した。
さてここでお伝えしなければいけない事項がある。
彼女は5の歳月を満月と共に過ごしている事。
彼女には灰色の二枚譜が夢の如く詰まっている事。
そしてその夢は、持ち上げるのには、相当な力を要した事。
私はその事を知らずのままに彼女を抱えた。
その時だったのだ。
その時はもう、彼女は酷く衰弱していたのかもしれない。
響く断裂音。
叫ぶ私。
振り向く友人。
咄嗟に動いた男。
この日、彼女の首が、切れた。
その首は階段に、打ち付けられたのだ。
-解説-
M3閉会後、撤収完了から退出までの間のお話です。
この時、私はとある(大したこともない)理由でFullMoon氏のスーツケースを階段で運びました。
ちなみにこの時エスカレーターは電源を落とされてたのでやむなく階段を使ってました。
そして踊り場に差し掛かって、そこから降りた頃に、スーツケースの持ち手部分がバキっと逝ってしまいました。
急な編重心に自分の手は耐えられるはずもなく持っていた持ち手は横からスルっと手から抜けて、""""物理的""""に落としてしまいました。
そこからもう階段にスーツケースが打ち付けられて。もう死んだかと思った。マジで。
おそらく自サークルの人間が支えてくれたから被害が最小限で済みました(どっかのツイートにあったはず)
当初は殉職ということで話題になりましたので、シャレイア語で自然的な生命活動終了を意味する"Vahix" (読み方はヴァヒシ)を採用しました。
BPM267のブレイクコア風メトリックモジュレーション系電子音楽にしあげましたが、
こんなことはもうゴメンだ!!!!!!!!!!!
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