講義概要
開講科目一覧
各講義は、2024年8月26日 (月) 〜 8月31日 (土) の期間中、以下の時間割で行われます。各時限から授業を1つ選び、受講してください。参加期間中は自由に受講科目を選択・変更することができます。
※講義はすべて対面開催です(オンライン配信や録画の配信はありません)
講義概要
1限(8:50~10:30)
生成文法 (初級) :「言語の分析方法と主要概念を基礎から学ぶ」
高橋将一 (青山学院大学)
言語の分析方法と分析の際に使用する理論的概念について、生成文法の知識をお持ちでなくてもご理解いただけるように講義します。様々な文の構造を取り上げ、そこで見られる現象がどのように捉えられるのかを説明します。講義に加え、可能な限り、データを自ら分析し、学んだ内容の確認を行なっていきます。
シラバス(準備中)
意味論 (初中級) :「意味合成に関する標準的な理論とHPSGに基づく理論 」
矢田部修一 (東京大学)
単語の意味は多くの場合曖昧で捉えどころがないものだが、単語の意味が組み合わされて文の意味が合成される過程には規則性が認められる。本講義では、言語の意味の、この規則的な側面に関する標準的な理論、および主辞駆動句構造文法(HPSG)に基づく代替理論を解説し、比較検討する。
シラバス(準備中)
フィールド言語学 (初中級) :「フィールドワークに基づく言語調査法」
倉部慶太 (東京外国語大学)
フィールドワークによって未知の言語を調査する方法について考えます。トピックとして、言語記述とドキュメンテーション、基礎語彙調査、音声・音韻調査、テキスト調査、エリシテーション調査、録音機材とデータマネジメント、研究成果とアーカイビングなどを扱います。
シラバス(準備中)
2限(10:50~12:30)
心理言語学 (初級) :「心理言語学入門 −二つの方法論から−」
岩渕俊樹 (浜松医科大学)・寺尾康 (静岡県立大学) [※広瀬友紀講師から変更になりました(6月27日)※講義概要を更新しました(7月4日)]
今期の心理言語学(初級)では、この分野における二つの主要な研究方法をそれぞれ前半(実験と計測)と後半(自然発話データの観察)に分けて紹介します。
前半:岩渕俊樹「言語に関わる脳と心のメカニズム」
普段何気なく使っている言葉の背後には複雑な脳と心の働きが隠れています。前半では人が言語の知識をいかに獲得し、使いこなすのかを実験的に研究する方法や、言語処理の脳神経基盤を探るために用いられる手法を学びます。
後半:寺尾康「言い間違いデータが教えてくれること、助けてくれること」
発話の際に無意識に生じる言い間違いの分析からことばの単位の実在性の検証や言語産出モデル構築のヒントを探っていきます。合わせて子どもの言い間違いの面白さや生成AI時代の言語逸脱データの価値についても考えていきます。
歴史言語学(初中級) :「日本語・琉球諸語から考える言語変化とその研究方法」
生成文法 (中上級) :「極小主義における束縛理論の位置付け」
3限(13:30~15:10)
音韻論 (初中級) :「音韻理論の発展(よりよい音韻分析を求めて)」
認知言語学 (中上級) :「言語における類像性」
秋田喜美 (名古屋大学)
類像性(iconicity)、つまり形式と意味の間に感じられる類似性について考えます。オノマトペや音象徴をはじめ、類像性は言語の至る所に見られる特徴であり、その重要性が今再認識されています。本講義は認知言語学にとどまらず、類像性に関する様々な言語学的・心理学的観察を見渡してみたいと思います。
シラバス(準備中)
日本語文法 (中上級) :「談話の中の日本語文法」
堤良一 (岡山大学)
本講義は、談話を構成する要素-指示詞、フィラー、まとめあげる表現、評価的意味をもつ表現などの、談話を考えるうえで重要な要素をとりあげ講義する。そして日本語文法の研究としてなにができるかを考える。
シラバス(準備中)
4限(15:30~17:10)
進化言語学 (初級) :「人類の言語能力の進化的ルーツを探る」
藤田耕司 (京都大学名誉教授)
言語は人類の知性を大きく特徴づける認知機能の1つであり,私たちのほぼすべての知的営みの原動力となっています。その言語能力の進化的由来を考えることは、人間とは何かという根源的な問いに答えることにつながるでしょう。受講者にとっては、単なる言語学を越えた学際研究の一端に触れるよい機会ともなるはずです。
シラバス(準備中)
音声学 (初中級) :「内省と音響分析による音声学の基本と活用」
安藤智子 (富山大学)
内省による伝統的な調音音声学の手法に加え、気軽に使えるようになった音響音声学のツールを用いて、分節音と韻律的要素の生成と分析の基礎を確認します。そのうえで、言語研究や教育に音声学の知識とスキルがどのように生かせるかを考えます。
シラバス(準備中)
アイヌ語 (中上級) :「複統合性とは何か?アイヌ語の形態統語論の分析」