日本言語学会夏期講座 2024 では通常の講義に加え、 5限目(17:30~19:30)の時間帯を利用し、受講者限定のさまざまなイベントを開催します。さらなる勉強の機会として、あるいは交流・出会いの場として、みなさま奮ってご参加ください。イベントの詳細は、受講者に別途ご案内します。
ウェルカムパーティ+ ポスターセッション (1日目:8月26日(月)5限)
懇親会 (4日目:8月29日(木)5限)
特別講演会 (5日目:8月30日(金)5限)
ポスターセッション
今回の夏期講座では、日頃の研究成果や萌芽的なアイデアをインフォーマルで気軽な雰囲気で発表するとともに、参加者同士の交流を深める目的でポスターセッションを行います。ポスターの詳細はこちらをご覧ください。
受講者の方で発表を希望される方は、7月1日 (月) から 7月31日 (水) までに以下の要領でご応募ください。実行委員会で査読を行います。企画の性質上、応募者多数の場合には、大学院生など若手研究者による発表を優先して採用します。完成された研究でなく、計画中のものでもかまいません。期日までに参加申込・入金が確認できた方のみ発表を許可します。
要旨の作成にあたっては「日本言語学会 大会発表応募要旨作成要項(応募時) 」を参照してください。
メール本文には以下の情報を含めてください:
氏名
所属
タイトル
連絡先メールアドレス
件名に「ポスターセッション応募」と明記したうえで、lsj2024summerexecom[at]googlegroups.com までメールで応募してください。
*[at]を@に変えてください。
特別講演(※特別講演は一般公開です。申し込みなしでどなたでもご参加いただけます。)
窪薗晴夫先生(国立国語研究所客員教授)に「音声研究の醍醐味」と題してご講義をいただくことになっております。
要旨
日本語に限らず、また音声研究に限らず、言語研究の醍醐味は現象の一般化(generalization)にあり、この点において物理学や化学などの自然科学と共通している。一見関係ないように思えた現象が統一的に説明できる、これが一般化である。そこにはミステリー小説を解き明かすような、あるいはミステリー小説を創作するような面白さがある。
この講義では、主に日本語の音声現象を題材にして、日常生活の中に発見された一般化の例を紹介し、言語学の原理や規則が常識的なものであること、1つの発見が複数の新たな疑問・謎につながること(よって疑問が尽きないこと)、答えが見つからなくても新たな問題を見つけ思索することに楽しみがあることなどを解説する。あわせて日本語音声に関する未解決の問題を紹介する。
一例をあげると、元号が「明治‐大正‐昭和‐平成‐令和」と命名された背後には日本語のリズムが関わっており、同じリズム原理によって「デモンストレーション→デモ」などの短縮語形成や、「ジャズ→ズージャ」や「野菜→サイヤ(人)」などのズージャ語(ジャズ音楽家たちの逆さ言葉)、「ばば→ばあば」「抱く→だっこ」などの赤ちゃん言葉、「かっとばせえ、やあの(<矢野)」などの野球声援パターンが説明できる。同じ原理をさらに一般化していくと、英語のTom & JerryやSimon & Garfunkelなどの語順も、近畿方言のアクセント現象なども統一的に説明できるようになる。本講義ではこのような一般化の楽しさを日常的な例をもとに解説してみたい。
講演者紹介
鹿児島県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)で英語を、名古屋大学大学院で英語学を、イギリス・エジンバラ大学で言語学・音声学を学ぶ(Ph.D. 1988)。専門は音韻論、他の言語との対照により日本語の仕組みを研究している。南山大学、大阪外国語大学、神戸大学を経て国立国語研究所教授(現在は神戸大学および国立国語研究所名誉教授)。単著に『語形成と音韻構造』、The Organization of Japanese Prosody、『一般言語学から見た日本語のプロソディー』『一般言語学から見た日本語の語形成と音韻構造』(くろしお出版)、『日本語の音声』『アクセントの法則』(岩波書店)、『通じない日本語』(平凡社)、Word and Sentence Prosody: The Endangered Dialect of Koshikijima Japanese(De Gruyter Mouton)など。
懇親会
4日目8月29日 (木) に、講師の先生方や参加者のみなさまとの親睦を深める目的で懇親会を開催します。参加費とは別に懇親会費の支払いが必要です。
懇親会会場:レストランさくら(六甲台第1キャンパス:アカデミア館(42の建物)3F)