講義概要

開講科目一覧

夏期講座のそれぞれの授業は2018年8月20日 (月) 〜 8月25日 (土) の期間中、毎日、次の時間割で行われます。各時限から授業を一つ選び、受講してください。参加期間中は自由に受講科目を選択・変更することができます。

  • 1限 9:00~10:40:
    • 生成文法初級 (初級)
    • フィールド言語学 (初中級)
    • 認知言語学 (中上級)
  • 2限 11:00~12:40:
    • 生成文法中上級 (中上級)
    • 音韻論 (初中級)
    • 文字論 (初中級)
  • 3限 14:00~15:40:
    • 日本語文法 (方言) (中級)
    • 心理言語学 (初中級)
    • 形式意味論 (中上級)
  • 4限 16:00~17:40:
    • 日本語文法 (古典・現代) (初級)
    • 言語獲得 (初中級)
    • 語用論 (中級)
  • イベント 18:00〜20:00

授業概要

それぞれの授業の担当講師、授業題目、授業概要は以下の通りです。講師・内容の変更があった科目があります。ご注意ください。

  • 生成文法初級:
    • 藤井友比呂 (横浜国立大学)
    • 「句構造文法入門:理論化の基礎と実践」
    • 生成文法、特に句構造文法をゼロから扱う。英語や日本語の文構造はどんな方法でテストできるか、テスト結果をどう理論に反映するか、「文法」とは何か、なぜレキシコンが必要か、支配、構成素、派生などの概念はどう形式的に定義されるかなどを話題にする。(シラバス)
  • フィールド言語学:
    • 内藤真帆 (愛媛県立医療技術大学)
    • 「未知の言語を調査・分析する方法(入門)」
    • 未知の言語の調査・分析方法を、講義と実践を通して学ぶ。①対象とする言語や調査地の選定、調査許可申請などの事前準備、②データ収集方法、③音・形態・文の構造についてのデータ分析、④研究成果の活用と還元、などを扱う。事前知識は問わない。(シラバス)
  • 認知言語学:
    • 酒井智宏 (早稲田大学)
    • 「メンタル・スペースとその周辺」
    • メンタル・スペース理論を認知言語学のもう一つの源流と捉え、背後と周辺をなるべく広く散策しつつその思想(史)を読み解く。独特の表記に熟達しようとするのではなく、表記の背後と周辺にあって今なお生きている根本的な諸問題を掘り下げてみる。(シラバス)
  • 生成文法中上級:
    • 越智正男 (大阪大学)
    • 「極小主義プログラムにおける句構造と局所性」
    • 極小主義プログラムの全体像を概観した後に、素性認可と外的/内的併合(wh疑問構文)、位相(ガ/ノ交替現象)、(非)顕在的移動と作用域(日本語の対格/主格目的語構文)、名詞句の構造(特に類別詞の比較統語論)等の諸問題を扱う予定である。 (シラバス)
  • 音韻論:
    • 那須川訓也 (東北学院大学)
    • 「音韻論で用いられる範疇と構造」
    • 音韻論で用いられる主要な概念(範疇、関係性、原理等)と研究手法について学ぶ。本講義では、主に様々な言語の音体系を分析する際に用いる音韻範疇と方法論に焦点を当てる。必要に応じて、音韻分析の前提知識(構音音声学・音響音声学の諸相)についても学ぶ。(シラバス)
  • 文字論:
    • 澤田英夫・荒川慎太郎 (東京外国語大学AA研)
    • 「インド系・漢字系文字を中心とした文字研究」
    • 「文字学・文字論」は、言語学の諸分野の中でも、基本概念や術語などの整理が未だ不十分な分野である。本講義では、アジア地域、特にインド系・漢字系文字の歴史・字形構成を通じて、文字の構成法、文字と音声の関わり、文字と意味の関わりなどを扱う。(シラバス)
  • 日本語文法 (方言):
    • 黒木邦彦 (神戸松蔭女子学院大学)
    • 「日本語諸変種の音韻論・形態論」
    • 古典語を含む日本語諸変種を以って、(1) 音素論、(2) 音節、(3) 音韻規則、(4) 動詞形態論、(5) 話者の視点、(6) 相と時制に関する一般日本語学の構築を目指す。関係各位から集中砲火を浴びようとも、のちにでも有意義であったと思ってくれる受講者がいれば、満足。(シラバス)
  • 心理言語学:
    • 中谷健太郎 (甲南大学)
    • 「ヒトはどのようにことばを理解するのか」
    • 今日、言語理論研究における実験的手法の重要性はますます増している。本講義では、ヒトがどのように語彙・統語・意味・語用論の知識を用いて文を処理するのかを研究例を引きつつ考察する。あわせて実験の基本的な設計方法および様々な実験手法を紹介する。(シラバス)
  • 形式意味論:
    • 今仁生美 (名古屋学院大学)・藏藤健雄 (立命館大学)
    • 前半: 形式意味論入門1・2とその応用
    • 前半: 形式意味論の基礎的な枠組み(モデル理論的意味論と代数的道具立て)について解説を行ったのち、その応用例を概説する。
    • 後半: 空項の形式意味論分析
    • 後半: 空項の分析を通じて、選択関数、焦点意味論、複数性等の基本的な考え方を概観する。
    • シラバス
  • 日本語文法 (古典・現代):
    • 竹内史郎 (成城大学)
    • 「本州方言における格の表現の多様性と歴史」
    • 本州方言の文法は意外と類型論的な多様性に富んでおり、その記述には通言語的・類型論的な視点が必要となる。 こうした観点から、格の表現の多様性と歴史について論じる。無助詞現象や取り立てとの関係を考慮しつつ、格の配列や組織、文法化について考察する。(シラバス)
  • 言語獲得:
    • 杉崎鉱司 (関西学院大学)
    • 「生成文法理論に基づく母語獲得研究」
    • 生成文法理論では、言語知識は①生後取り込まれる言語経験と②ヒトに生得的に与えられた母語獲得の仕組み(「普遍文法」)との相互作用により獲得されると考えられています。本講義では、この仮説に基づく母語獲得研究の成果の一部を解説します。(シラバス)
  • 語用論:
    • 原由理枝 (早稲田大学)
    • 「語用論入門:会話の含み・前提・言語行為」
    • 本講義では、「会話の含み」、「前提」、「発話行為」といった語用論の基本的概念を導入し、英語や日本語の例文と練習問題を用いて、言語の形式と文脈における実際の解釈の関係を考察する。形式意味論や語用論の前提知識は必要ない。(シラバス)