第4回WS
2023年11月11日 第4回異分野交流WS
テーマ:「言語研究における学説史・学説研究」
【タイムテーブル】
13:00-13:05 企画主旨説明(坂本)
13:05-13:20「言語研究における異分野交流に向けた基礎論としての学説研究試論」
発表者:坂本瑞生(東北大学大学院)
キーワード:学説史、学説研究、異分野コミュニケーション障害、科学哲学、言語学の哲学
13:20-13:50「階層性をどう見たか―南モデルとカートグラフィー―」
発表者:坂本瑞生(東北大学大学院)
キーワード:階層性、南モデル、カートグラフィー、統語部門の自律性、形式主義/機能主義
要旨:
日本語の文法を研究する立場は数多く存在する。そうした研究の中では、文が「階層性」を持つ、という理解がしばしば見られる。しかし、日本語学の伝統における「階層性」の理解と、日本語生成統語論における「階層性」の理解には食い違いが認められる。本発表では、南モデルとカートグラフィーを例にとり、それぞれの考え方や取り扱う言語データの検討を通して、両学説における「階層性」に対する見方の違いを明らかにする。南モデルにおける「階層性」は意味的階層性と見るべきであるのに対して、カートグラフィーにおける「階層性」は統語構造にかかわる問題であり、この点から両学説のすれ違いの実体が理解できる。
13:50-14:05 質疑応答①
(10分休憩)
14:15-15:00「尾上主語論ー認識・存在・形態の統一としての主語ー」
発表者:山下大希(熊本県立大学大学院院生)
キーワード:主語論、国語学、述語文、形態格
15:00-15:15 質疑応答②
(10分休憩)
15:25-16:10「チョムスキーの自然主義規定について」
発表者:鈴木陽登(慶應大学部生)
キーワード:生成文法、チョムスキー、自然主義、ガリレオ的スタイル
要旨:
生成文法はしばしば「言語に対する自然主義的アプローチ」として特徴づけられる。しかし「自然主義」という用語は哲学の文脈において非常に多義的に用いられているため、チョムスキーがどのような自然主義を構想しているのか直ちには判明しない。また、生成文法は言語の内在性、生得性、領域固有性などの(他の分野の人間から見ると)決して自明ではない諸テーゼを伴っているが、これらの諸テーゼ間の依存関係、あるいは生成文法における自然主義規定との関係がどのようなものであるかは明らかではない。そこで本発表では、①チョムスキーの自然主義規定の内実とその論拠は何か、②彼による自然主義規定と生成文法の諸テーゼとの関係は何か、という2つの問いに応答することを目的とする。
16:10-16:25 質疑応答③
16:25-16:40 全体討論・総括