国頭村ツアー レポート
国頭村の伝統行事「豊年祭」で沖縄の文化や島人と交流し、地域の中で暮らすことを考える2泊3日のツアーです。
沖縄本島最北端の国頭村は、那覇から約100km離れた場所に位置します。沖縄本島最高峰の与那覇岳をはじめ、西銘岳、伊部岳を主軸とした雄大な緑の山々。大小30余りの清らかな河川。太平洋、東シナ海の澄みきった海。海、山、川の自然資源や、国、県、村指定の文化財や史跡に囲まれている地域です。近年は移住者向けの住居の準備をはじめ、移住受け入れ体制を整えている村ということもあり、移住者やUターンで帰ってきた地元の若者も交え、「HONEN Fes!!!」など、伝統文化を次世代に継承するための革新的な取組みもあります。
そんな、やんばるの森に囲まれた国頭村で静かな自然と温かい人のつながりを体感してもらいました。<国頭村 移住体験住宅>
那覇空港より車で約2時間、沖縄本島最北端にある国頭村に到着。まずは1日目の宿である移住体験住宅に早速チェックインをしてもらい、荷物を置く。国頭村では、移住定住を促進するための設備として村内に3棟の移住体験住宅を提供している。どの棟も安く国頭村での暮らしを体験してもらうために提供しており、最長2週間ほどの滞在が可能。 <北斗園>
北斗園は国頭村にある特別養護老人ホーム、利用しているお年寄りは90名で平均年齢90歳オーバー!人生の大先輩方と挨拶をしながら、施設内を案内してもらいました。案内の最中には103歳の入所者の方から歓迎の歌を披露していただき、ツアー参加者一同は感嘆。歌いながら歩行器から手を離し踊る瞬間もあり、みんなヒヤヒヤしながらも、国頭の高齢者の中にある文化に感動していた。特別養護老人ホームを見学した後は、デイサービス中の施設へ移動。この日は地域の女性部の方々による歌と踊りの披露があり、最後はツアー参加者も交えて楽しませていただいた。楽しんだ後は、利用者と同じおやつを堪能。紅芋と黄金芋の手作り羊羹が美味しく、おかわりする人も。施設見学をしながら、様々な交流を楽しんだ。<北斗園 交流会>
初日の夜は北斗園の職員交流会ということで、午後から様々な職員が交流会の準備を開始しており、ツアー参加者も準備のお手伝いを一緒に行った。まずは草玩具づくりを教えてもらい、会場の飾りつけ用にマーニ編などを制作した。その後、中庭にて職員さんと乾杯しながら、BBQの準備を進めていった。交流会は中庭にビニールシートを広げ、その上で職員とそのご家族みんなで交流を深める。ツアー参加者も、その輪に加わり、国頭産のテナガエビや名物廃鶏やお祝い事に欠かせないヤギ汁・ヤギ刺しの初体験もした。国頭村社協からも生活支援コーディネーターが参加してくれ、村の福祉状況も共有してくれた。<交流会 延長戦>
職員交流会後には、ツアー参加者の希望者は北斗園職員と先輩移住者と一緒に地域の居酒屋さんへ移動し、国頭村民の夜の楽しみ方を体感した。<森林セラピー>
2日目の朝からは、森林セラピーにて国頭村の誇る「やんばるの森」を五感で体感した。セラピーガイドはグループホーム国頭の看護師でもある宇良さんを含めた3名の方に実施してもらった。ツアー参加者たちは動植物の中、都市部では体験できない時間を過ごし、スッキリした雰囲気で森から戻ってきた。昼食は国頭村森林公園の中にあるログハウスにてツアー特別弁当で、国頭の地のモノや調理も知ってもらった。お弁当の名は「くんじゃん(国頭)いわれ(言い伝え)食」。なんと、箸は一本一本、手作りで、名前まで彫られていた。おもてなしの心遣いにツアー参加者一同は感動。野菜・肉・魚・果物と、やんばるが育てた豊かな食を小さなお弁当から感じ、みんなで楽しくいただいた。<暮らしのフィールドワーク>
普段の暮らしを感じてもらうために、奥間集落を散策した、奥間集落に住む国頭村社協の方にも協力いただき、集落での暮らしや教育、大切にしていることなどを伝えてもらった。<民泊体験>
2日目の宿は民泊体験をしてもらった。国頭村の一般家庭とも交流をしてもらい、国頭村の歴史や文化・暮らし、人や仕事についてなど、住民の言葉で伝えてもらった。ツアー参加者は民泊体験がよっぽど良かったのか、延泊希望する人も出てきた。<奥間豊年祭>
2日目の夜は奥間集落の伝統行事である豊年祭があったので、各民泊家庭より自由参加とした。集落の子どもからお年寄りまでの様々な人が、この日のために歌や踊りを練習したのを披露する場は、ツアー参加者にとっては、国頭村に移住することを見つめる機会にもなったのではないだろうか。<グループホーム国頭>
ツアー最終日はグループホーム国頭に訪問し、デイサービスを利用しているおじい・おばあとコミュニケーションを取った。ツアー参加者のほとんどが福祉従事経験者ということもあり、すっとグループホーム利用者とコミュニケーションを取り始めた。改めて、福祉経験者は、地域に馴染む力もあると感じる場面でもあった。グループホーム国頭が地域に開いている交流室で、振り返りアンケートを記入していただきツアー終了。ホームを帰るときには、大太鼓とカラオケとカチャーシーでお見送りをしてくれ、ユニークで明るいアットホームな雰囲気でツアー最後まで迎えることができた。