伊平屋島 ツアーレポート
伊平屋島の伝統行事「我喜屋大綱引き」で島の文化や島人と交流し、地域の中で暮らすことを考える2泊3日のツアーです。
沖縄本島に住んでいても、なかなか行く機会のない伊平屋島。人口1250名程の島では、THE島暮らしに象徴されるようなスローな暮らしではありません。島という限られた資源の中で島民みんなで切磋琢磨し、地域を盛り立てています。そのため、個々の力や存在は大きく、子ども~おじい・おばあまで役割を持つ島。近年は商工観光分野で名前を聞くようになり、黒糖や漁業の1次産業をはじめ、島を活用したムーンライトマラソンやトレイルランなど伊平屋島ならではの取り組みが広がっています。
誰もが移住できる島ではないが、暮らすことに挑戦する価値がある島・伊平屋島でのツアーを実施しました。<伊平屋島 到着>
那覇空港より車で約1時間半、沖縄本島北部にある運天港に到着。さらにそこからフェリーにて約1時間半の先にある、沖縄最北端の有人離島が伊平屋島です。島到着後にみんなで昼食を食べ、参加者全員の自己紹介と島についての紹介を伊平屋村総合推進室の叶さんよりしてもらいました。 伊平屋島は島の真ん中に南北に200メートル級の山々が連なっており、地下水が豊富なため、沖縄でも珍しい稲作を行っています。また、ミーバイやもずくの養殖などもしており漁業も盛んな島。<伊平屋ブルー>
快晴の中、はじまった伊平屋ツアー。予定を急遽変更して、海へ。そこには沖縄県民もビックリの伊平屋ブルーが広がっていました。橋の上からウミヘビなどが確認できるほどの透明度。そして色んな青色のグラデーション。参加者みんな歓声を上げていました。今回、ツアー参加者の中には子ども連れての参加が4組。この時点で早くも仲良しになっていました。子どもの適応力たるやスゴイです。<米崎ビーチ>
太陽も落ち着いた頃に、あの伊平屋ブルー広がる海へ。心地よい島の夕暮れをみんなで体感しました。ゆっくりと太陽が沈みながら、波の音と子ども達の声以外は聞こえない環境で、都市部から来た方々はそれぞれの時間を過ごしました。<ナイトBBQ>
夜にはビーチの横にあるキャンプ場にて、島の方々からのおもてなしバーベキューを堪能。魚介はもちろん、お肉や島野菜が盛りだくさんでした。島の若者や、お母さん方、せっせと料理をつくってくれました。これは何の集まりなの?と聞く程、知らないのに色々としてくれる「おもてなし力」。これが「いへやじゅうてー」かと感じる瞬間でした。島の子ども達とツアー参加者の子ども達も一緒になって遊び、様々な島民とも交流できる素敵な時間となりました。そして夜には星空王子による星空集合写真!<縄ない(大綱づくり)>
旧暦6月25日に行われる豊年祈願を祝う我喜屋大綱引き。今回のツアーはこの綱引きで使う大綱づくりから参加させていただきました。米作りが盛んな伊平屋島だからこそできる自前の稲藁による縄ない(大綱作り)は我喜屋区の公民館にて行われました。太陽が降り注ぐ暑い中、男性は綱づくり、女性は調理と役割分担して行事準備が進みます。ツアー参加者たちは沖縄本島でも珍しい体験に、みなさん汗を掻きながら参加。お昼休憩時には地元のみなさんとカレーを堪能しました。<物件巡り>
離島移住の大きな課題として住居不足があります。空き家はあるが、住める家があまりないのが現状で、不動産屋もないので、情報に関しては足で稼ぎ、関係性をつくりながら借りるしかありません。そこで、伊平屋村では移住体験住宅の提供準備もしています。今回はその準備中の住居と村営住宅の2か所を確認しました。<我喜屋大綱引き>
日中に準備した綱での大綱引きは日も暮れた19:30に開始されました。綱引き前に、ウチムラとハニクイに分かれました。私たちツアー参加者はウチムラ側。藁を頭に巻き、気合いを入れるガーエー(軽い押し合いみたいな感じ)、そして、たいまつに火が灯され、綱引き開始!残念ながら、ウチムラは敗れてしまいましたが、島の方々と一緒に伝統行事に参加し、汗を流せたことは貴重な経験でした。綱引き後は公民館に並んだ屋台で好きなモノを購入し、島の方々と交流しました。<伊平屋島 出港>
2泊3日の伊平屋ツアーが終わり、ツアー参加者は沖縄本島へ。伊平屋島へ再度、帰ってくることを願う「いってらっしゃい」の横断幕と紙テープでお見送りをしてくれました。徐々にみんなの顔が小さくなるフェリーのスピード。短い3日間でしたが、非常に濃い3日間でした。伊平屋島ならではのおもてなし「いへやじゅうてー」を十分に体感したツアーはこれで終了。いつか「ただいま」と帰ってくるツアー参加者のみなさまをお待ちしています!