爆発的に増え続ける遺伝子改変動物の作製・保存・輸送等を効率的に行うために、動物生殖工学技術へのニーズがこれまで以上に高まっており、更なる普及が求められています。そこで、私たちがこれまで開発してきたマウス・ラットの様々な生殖工学技術に焦点を当て、詳細な解説をシリーズで行うオンラインショートセミナーを開催致します。
次回の開催
開催日時:2月27日(金) 12:15~ (20~30分程度)
開催形態 :オンライン(Zoomウェビナー)
タイトル:効率的なマウス胚・精子バンクの情報管理システム
*マウス胚・精子バンク情報管理システム (CARD IVF SUPPORT SYSTEM) について紹介いたします。
事前参加申込〆切 : 2月27日(木)
事前参加申込は、以下のURLからお願い致します。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_m-Yp5EgURmWt1mEwdh3OiA
参加費:無料
開催予定
3月27日 (金) 第11回 ガラスキャピラリー・ホルダーの作製
開催済みの内容
第9回【基本的なマウス生殖工学技術における準備および操作手順】
第8回【ラット生殖工学技術への挑戦 後編:ラット生殖工学技術の確立】
第7回【ラット生殖工学技術への挑戦 前編:20年間は失敗の繰り返し】
第6回【災害に備えた胚(受精卵)・精子の凍結保存 -熊本地震を経験して-】
第5回【生殖工学技術の3R(動物福祉)への応用 -動物数の削減への実践-】
第4回【生殖工学技術の3R(動物福祉)への応用 -代替手段、苦痛の軽減への実践-】
第3回【マウス体外受精 (総論) mHTFの誕生】
第2回【マウス体外受精 (総論) 体外受精の始まり】
第1回【マウス生殖工学技術のグローバルスタンダードを目指して】
第9回【基本的なマウス生殖工学技術における準備および操作手順】
質問1
体外受精のホルモン投与時間はマニュアルでは17〜18時となっておりますが、飼育室照明の明暗時間は何時に設定され、ホルモンは何時に投与されていますでしょうか?
回答1
7時と19時で切り替えております。
IASeは10:30-、hCGは16:30-投与可能としておりますが(休日の場合)、平日は16:00-17:00あたりに、どちらも投与しております。採卵は翌朝9:00です。
質問2
体外受精の媒精の際、媒精量が足りないときの追加について質問です。
媒精後の早い段階で卵子側の受精許容状態が変化し始めるため、精子量の追加は媒精開始から30分以内に行うことと考えています。しかし、凍結精子を使用した体外受精で、媒精から15分後に確認し、追加が必要な場合で追加する精子の状態が良くない場合はそれから融解し直しています。この場合、追加できるのが媒精後50分程度になることがあります。そのような場合でも融解して追加する方が効率的でしょうか。
回答2
CARDでは、凍結精子でも新鮮精子でも媒精後15〜20分後に受精培地を確認し、精子が薄いようであれば追加するようにしております。媒精後何分までにと厳密には決めておりません。媒精時に、精子を追加する可能性がある場合(活力が弱い、精子濃度が薄い)と判断した場合は、その時点で融解を開始します。また急遽追加するようになった系統でも、残った精子が精子活力や濃さに問題がなければその精子を追加しております。
質問3
レシピエント作製においてプラグ確認を行っているとのことですが、雌雄とも単飼管理とし、個体ごとに情報を追跡している運用という理解でよろしいでしょうか。
回答3
雄は個別飼育、雌は5匹/ケージで飼育しております。雌の性周期は追跡しておりません。前日に外陰部の腫れのみ(赤く腫れている発情前期)で判断しております。
質問4
出産前後の3週間はケージを移動させないとおっしゃられていましたが、床敷交換もこの期間は行わないということでよろしいでしょうか?
回答4
出産前1週間+出産後2週間の計3週間はケージ交換はしておりません。
質問5
胚の凍結や融解作業をする部屋の湿度や温度はどのくらいを維持していますでしょうか。冬場に胚の生存率が低い気がして困っています。
回答5
実験室の温度は年間を通して、20℃〜25℃あたりに維持してます。
質問6
凍結胚を作製する際に、胚をチップでチューブ内へDMSOと共に移動します。その後、全ての胚をチューブ内に移動できたのか確認するために元のDMSOドロップ内でピペッティングしますが、チップの外側に胚が付いてくることがあります。最近、頻度が高くなっている気がするのですが何か良い対策をご存じでしたら教えて頂きたいです。
回答6
CARDでも同様に、チップ内を確認しております。たまに胚が出てくることはございますが、外側についていたようなことは経験がございません(チップの外側全てを確認したわけではないですが)。CARDで使用しているゲルローディングチップは「ビーエム機器 Cat.010-R204S」です
質問7
品質を担保するために基準を設けているとのことでしたが、熟練の作業者が実施してもその基準に満たせないケースも発生し得るのでしょうか?
回答7
熟練者が実施しても、使用する遺伝子改変マウスや提供された精子や卵子の状態によって、その様なケースが発生する時があります。
質問8
培地や機器の品質管理(メンテナンス)で気を付けるべきことは何でしょうか。コンタミやカビの観点で必要なことがあれば教えてください。
回答8
培地は作製後は必ずロットチェックを行っております。ロットチェックがOKだった培地は、フィルターろ過後に、褐色アンプル管に窒素ガスと共に封入し、4℃で保存。1年以内使い切っております。また体外受精関連の試薬、DMSOは使用する際は再度フィルターろ過をしております。機器に関しては、インキュベータは毎週の水換え、1〜2ヶ月に清掃を行っております。また培養成績も定期的に確認しております。
質問9
予定表はどのようなシステムで共有されているのか教えていただきたいです。また、凍結精子融解後の活力を確認する際、凍結直後だと基本的に元気が良い気がしています。即日融解されているようなご説明でしたが、凍結してから何分以上置く等、気にされていらっしゃるでしょうか。
回答9
予定表は、Excelで作製し、各自のPCや飼育室のPCおよびダブレットで、共有できるようにしております。凍結精子の融解ですが、基本的には、午前中に精子凍結したら、午後に融解して確認しております。
質問10
差し支えなければ、下記教えていただけますと幸いです。よろしくお願い致します。
①凍結精子ストロー・凍結チューブに貼っている、ラベルの商品名・メーカー等
②control胚について、胚数はどのように設定しているのでしょうか(全胚数の何%、個数を決めている等)
回答10
ラベルはどちらもメーカー:BRADYのものです。
①ストロー用ラベル:JPTL-1-642、チューブラベル:サーマルラベリングシステム TLS PC LINK PTL-98-499
②大体20〜40個/tubeで作製するようにしております。
質問11
精子凍結、胚凍結、胚移植などを委託業務として受けた場合の動物実験計画などの取り扱い(依頼の系統とcontrolなど)はどのようにしていますでしょうか?
回答11
委託業務全般で一件、動物実験計画を申請し、更新しております。一方で遺伝子組換え申請は依頼系統ごとに申請、承認後に作業を行うようにしております。