【講演題目】等式理論のホモロジーと代数的離散Morse理論
【開催期間】11月6日(金) 16:00〜17:00
【場所】W1-C-514 (トポロジーセミナー)
【講師】池渕未来氏(京都大学情報学研究科)
【講演要旨】群の等式公理系(等式理論ともいう)は,結合則・単位元の規則・逆元の規則から成るが,実は2つの等式から成る同値な公理系の存在も知られている.さらに,1つの等式では群の公理系は表現できないことも知られている.すなわち,群の公理系を表現する等式数の下限は2である.この事実は群の公理系に特化して証明されており,より一般に公理系を表現する等式数の非自明な下界を得る方法は知られていなかった.Malbos-Mimram や講演者は,等式公理系のホモロジーを用い,与えられた等式公理系に対する(一般には非自明な)下界を得る不等式を証明し,さらに,群の公理系の場合に2が下界であることもその不等式の特別な場合であることがわかった.
等式公理系のホモロジーとは,厳密には「Lawvere 代数理論」に対して定義されるホモロジーである.まず,Lawvere 代数理論とはある種の圏であり,Lawvere は任意の等式公理系が Lawvere 代数理論を「表示」することを示した.とくに,二つの同値な等式公理系は,同型な Lawvere 代数理論を表示する.「等式公理系」と「Lawvere 代数理論」の関係は,「群の関係式」と「群」の関係のように捉えることができる.群の関係式の個数と生成元の個数の差は群のホモロジーを用いて下界を与えることはより広く知られており,等式数の下界はそのアナロジーと考えられる.さらに,この進展として,我々の不等式は代数的離散 Morse 理論をうまく適用することで Morse 不等式とみなせるという結果が2026年に得られた.今回の講演では,上記の事実について,等式理論の基礎などを含めて解説する.
*備忘録*
C514使用不可日:12/11, 1/15, 2/26, 3/12
幾何学セミナー世話人 大津幸男 (otsu_at_math.kyushu-u.ac.jp )
トポロジーセミナー世話人 浜田法行(hamada_at_imi.kyushu-u.ac.jp )