【講演題目】マグニチュードに関する不等式の幾何学的解釈について
【開催期間】6月26日(金) 16:00〜17:00
【場所】W1-C-514 (トポロジーセミナー)
【講師】浅尾泰彦氏(九州大学IMI)
【講演要旨】Leinster-Cobboldが提案した、生物種間の類似度を考慮した生物多様性指標は、考えている生態系の「有効な生物種数」として解釈できる。Leinster-Meckesは、類似度を表す行列Zが特定の条件を満たせば、その多様性の最大値がZのマグニチュードと等しいことを示した。特にこの条件下で生物種数がnの時には、マグニチュード(有効な生物種数)は1以上n以下になる。
Zが有限距離空間から定まる場合にはマグニチュードはそのクラスタリング数のような量と解釈できることが期待されるが、一部の距離空間ではマグニチュードが発散することがあり、そのような解釈が成立しないことが知られている。Gomi-MeckesはZが負型距離空間から定まる場合に上と同様の不等式を行列代数的な手法で証明し、上限の等号成立条件を未解決問題として提示した。この講演では正定値行列のマグニチュードをある方法で定まる球面の半径を用いて幾何学的に表すことで、Gomi-Meckesの不等式を上限下限の等号成立条件も含めて証明する。この講演は五味清紀氏(東京科学大)との共同研究に基づく。
【講演題目】種数0のHOMFLY-PTスケイン代数の形式性
【開催期間】8月25日(火) 16:00〜17:00(注意!!いつもと曜日が異なります)
【場所】W1-C-514 (トポロジーセミナー)
【講師】辻俊輔氏(明治大学)
【講演要旨】HOMFLY-PTスケイン代数は、結び目の sl(N) 量子不変量を定義する関係式を曲面内の絡み目にかして得られる商加群である。表現論や低次元トポロジーなどの文脈において、多様な視点から研究されてきた対象である。特に、Turaev は HOMFLY-PTスケイン代数が Goldman Lie代数の非可換量子化を与えることを指摘した。実際、HOMFLY-PTスケイン代数の演算から Goldman Lie bracket および Goldman–Turaev Lie cobracket を復元することができる。この量子化の視点から、Alekseev、Kawazumi、Kuno、Massuyeau、Naef、Turaev などによって行われた Goldman Lie代数の形式性に関する研究は、HOMFLY-PTスケイン代数の枠組みでさらに精密化できると期待される。本講演では、種数0の場合に、HOMFLY-PTスケイン代数の積を保つ形式性を構成する方法を紹介する。この方法では、Drinfeld結合子の存在を仮定して構成されるKontsevich不変量を用いる。いくつかの用語や演算が登場するが、具体例を中心に説明する予定である。この講演は軽尾浩晃氏(学習院大学)との共同研究に基づく。
*備忘録*
C514使用不可日:9/4, 12/11, 1/15, 2/26, 3/12
幾何学セミナー世話人 大津幸男 (otsu_at_math.kyushu-u.ac.jp )
トポロジーセミナー世話人 浜田法行(hamada_at_imi.kyushu-u.ac.jp )