呼吸器や消化器などの粘膜組織は、外界との広大な接触面を有する臓器であり、ガスや水分、栄養素などの生命維持に必須の物質を取り込む窓口であると同時に、病原体やアレルゲンの主要な進入路でもあります。そのため、粘膜バリアの維持は、感染症やアレルギー疾患など、寿命や生活の質に直結する疾患を予防するうえで極めて重要です。
一方、腸管には1000種にも及ぶ腸内細菌が共存しており、宿主免疫系の成熟や代謝重要な役割を果たすことが知られています。したがって、炎症性腸疾患や食物アレルギーなどの免疫疾患、さらには肥満、糖尿病といった代謝疾患の理解には、宿主細胞と共生微生物の機能を統合的に捉える必要があります。
本分野では、研究所内外の研究機関と連携し、腸管組織を構成する細胞とその機能を網羅的に解析することで、腸管免疫系の統合的理解を目指しています。
腸管粘膜固有層は上皮を裏打ちする領域であり、免疫細胞や神経細胞が複雑なネットワークを形成しています。上皮は、粘膜固有層に局在する細胞群から発せられるシグナルを受容し、機能的な修飾を受けています。しかしながら、粘膜固有層には機能が未知の細胞群が多数存在しており、粘膜上皮バリア機構の全容解明に向けたへ大きな障壁となっています。
これまで我々は、世界に先駆けて、3型自然リンパ球(ILC3)と呼ばれる粘膜組織常在型のリンパ球の同定に成功してきました。さらに、腸管の免疫組織であるパイエル板において、管腔側からの抗原取り込みに特化した上皮細胞(M細胞)の分化に必須の間葉系細胞や、腸管マクロファージの生存を支える微小環境の同定に成功しています。
本研究分野では以下の3つの研究主題について研究を進めています。
① 粘膜組織中の免疫細胞群の分化、機能の解析
準備中
② 粘膜組織を構成する線維芽細胞の役割解明
準備中
③ 免疫組織形成のメカニズム解明
準備中