2018年に発生した東京動乱において初めてその存在が確認された、いわばこの星の運営システム。
内部は未来、過去、平行世界問わずあらゆる記録が集積する場所であり、同時に魂の還る場所でもある。
その万能さ故、この世界における実質的な神。しかし、世界樹自体に独自の意思はなく、あらゆるエネルギーの源になっている。
地上に顕現した際は、大地から莫大な魔力を放出し、名前の通り巨大な樹の形となる。
熱圏に到達する程の高さを誇る世界樹は最高高度から地球を見下ろす形で絹糸のように分裂し、流星のように世界各地へと糸を垂らす。その光景は制止した流星のように美しい。
魔術師や新人類でなければ、世界樹が顕現していても目視することは難しい。
姿形は綺麗だが、一般人が触れれば即死、体は蒸発の危険物であり、魔術師を以てしてもそれは同じ。
東京動乱で初の世界樹顕現が確認されて以降、一部の魔術師はそこに到達することを目標としている者も多い。
環境の循環、その基礎となる深淵にあるもの。世界樹の存続には膨大なエネルギーが必要であるとされており、世界樹そのものが力を失えば、星はみるみる枯れてゆく。
維持継続に必要な大量の魔力は地球その物のエネルギー+この星に生きるありとあらゆる生物から賄われているとされる。
新人類であればその特異体質故、中枢部に侵入することが可能とされているが、実例が少なすぎる。
そのため、未だ未解明の部分が多い。
東京動乱では世界樹の消失を図った新人類の一人が内部へと呑み込まれ、消息不明となっている。
魔力、エーテルという概念は、旧血種が大元になっているが、世界樹を巡るエーテルというのはほとんど中身の違うものとされている。性質が似ていて、便宜上通常の魔力など同じふうに呼ばれている。
通常の魔力とは異なり魔術深度等のデメリットを受けないため単純に純度の高いエーテルなのではと言われている。