これまでの研究から,リアルいじめとネットいじめに境界はなく,教室の内ではリアルいじめ,外ではネットいじめにあう子どもが一定層存在していることが明らかになっている。しかし,「誰がいじめられやすいのか」という論点に立ち返るとき,攻撃誘発性概念からいじめおよびネットいじめを分析する必要がある。今回の報告では,小・中学生及び高校生のネットいじめデータを基に,どのような生徒がネットいじめを受けやすいのか,どのような特徴が攻撃を誘発しているのかを中心に考えてみたい。
児童虐待の子どもへの影響は深刻で,解離やトラウマ,愛着障害とつながっていく。そして,それが非行や精神疾患などにもつながることになり,ますます対応に困難が生じる。虐待やいじめ,ハラスメントなど,そこに共通する特徴は何かを包括的な視点から一緒に考えていきたい。
子どもたちの内面に優しく触れ,子どもたちの行動の変容や成長を促す関わり方についてフォーカシングを中心に丁寧に説明する。「からだの感じ」を大切にしながら人とつながるフォーカシングを身につけると,児童生徒だけではなく,保護者との関わりもより良いものになる。授業ですぐに使えるワークもできるだけ多くご紹介したい。学校現場で活用できるアイデアのご提供の機会になるだけではなく,参加者の先生方ご自身がご自分のからだを優しくいたわり,元気になれるひとときにもなれればと願っている。
オープンダイアローグとは統合失調症の治療方法。投薬も入院もせずに「対話」するだけで多くの患者が治り,再発もほとんどない。フィンランドで生まれたこの画期的な方法は精神科医療に革命をもたらし,今世界中から注目されている。その考え方と方法は医療現場のみならず,学校の中でも大きな力を発揮する。今回は講師が実践した発達障害と不登校のケースを基に,教師や養護教諭ができるオープンダイアローグの方法を紹介する。
学校現場において,子どもや保護者とかかわる際に,まずは自分自身の感情に向き合い,上手に「怒り」とつきあえるようになることは必須課題といえる。「怒り」の感情は相手や周りに伝染し,環境を悪化させ,人間関係を壊してしまう可能性も少なくない。アンガーマネジメントの基本を知り,自分の「怒り」と向き合うワークを通して,感情の扱い方を身につけよう。
性的マイノリティの生育歴やメンタルヘルスの現状について,アジア最大規模の調査究をもとに解説する。また,国内約6,000人の教員を対象にしたLGBT意識調査や,高校生1万人調査の結果から,学校に求められる支援の在り方や,性的マイノリティの人権課題と最近の動向について詳しく解説する。
※参加を希望される方は事前に以下の法務省企画の啓発映像をご覧ください。
不登校は,神経症的葛藤や心身症,発達障害や被虐待体験,いじめなどが絡み,多様化している。しかし,保護者も含めて,適切に支援することができれば,多くの子どもたちは社会的自立を果たしていく。不登校を理解する視点や支援のポイント,陥りやすい失敗など現場に役立つ知恵を紹介する。
イヌバラ法はカウンセリングにおける基本技法(受容と分析)の練習を目的としたロールプレイングによる体験実習型の訓練技法である。今回の分科会では講義形式ではなく,実習を通して基本技法の1つである傾聴技法を学ぶ。実習ではカウンセラー役とクライエント役を交互に演じるが,クライエント役は動物のイヌか花のバラなど人間以外のものになって悩みを訴える。カウンセラー役はそれに対応する。