1 概要
プロテスト委員会が審問で支援者が規則に違反した、または現地や施設の法令・決まりに従わなかったと判断した場合、RRS 64.4 は支援者に対する罰則と、特定の場合に競技艇に対する罰則を規定しています。 裁量ペナルティは、予め決められたペナルティを単純に与えるものではありません。 一貫性を維持しながら、ペナルティは状況に応じて調整されます。全体的なコンセプトは、特定の違反に対する基本ペナルティを決定し、状況に応じてペナルティを増減するというものです。 不正行為の場合、支援者およびボートに対する罰則は RRS 69 に従って決定されます。
2 支援者に対する裁量ペナルティー
2.1 ペナルティーは次の5つのレベルに分けられます。
レベル 1: 警告
レベル 2: その支援者を1レース以上、出艇させない
レベル 3: その支援者を1日以上、出艇させない
レベル 4: その支援者を1日以上、大会会場に入れない
レベル 5: その支援者を残りの大会期間中、大会会場に入れない、
および/または、
規則69に基づき不正行為でその支援者を告発するなど、規則に定めるとおり、プロテスト委員会の権限内で他の処置を講じる
3. 競技艇に対する裁量ペナルティ
3.1
プロテスト委員会は、支援者による規則違反について、ルール 60.3(d) または 69 に基づく審理の当事者である艇に対し、 1 つのレースで最大DSQまでの得点変更を課すことができます。ペナルティを決定する際、プロテスト委員会はこのガイドラインに従います。
3.2
ペナルティは 4 つのバンドに分割され、その中間点が基本ペナルティになります:
(a) Band 1 – 0 ~ 10% (中間点 5%)
(b) Band 2 – 10 ~ 30% (中間点 20%)
(c) Band 3 – 30 ~ 70% (中間点 50%)
(d) Band 4 – DSQ
3.3
最初に以下の表を使用して、どのBandを用いるかを決定し、そのペナルティを増減すべきか判断するために他の質問を使用する場合があります。 「基本ペナルティ」はBandの中間点にあると考えてください。
ペナルティの計算や適用にあたり、
(a) 裁量ペナルティによって艇の得点がRETまたはDSQよりも悪くなることはありません。
(b) パーセンテージペナルティは、少数点以下 2桁を四捨五入し、小数点以下1桁で記載されます。
(c) 違反が競争上有利となった場合、影響を受けたその日のすべてのレースにペナルティが課されます(ただし有効な抗議がなされたレースに限る)。
(d) 違反が競争上有利とならなかった場合、RRS64.1に従い、ペナルティはインシデントの発生時刻に最も近い時間に行われたレースに適用されます。
3.4 以下の質問に対する答えが「はい」の場合、ペナルティーは軽減されることがあります。
(a) 違反は偶発的であったか、または、回避できなかったか?
(b) 違反せざるを得ない事情や尤もな理由があったか。
(c) その支援者が支援している艇の乗員や支援者以外の者が、その違反に寄与したか。
(d) その支援者は違反を認め、調査に貢献したか?
3.5 以下の質問に対する答えが「はい」の場合、ペナルティーは加重されることがあります。
(a) 違反は繰り返されたか。
(b) 違反は、判断ミスや不注意ではなく、意図的であったか。
(c) その支援者は、違反を隠そうとしたか。
(d) 誰かに迷惑をかけたか。
プロテスト委員会は、上記の項目以外のことを考慮してペナルティーを増減することがあります。